そろそろガツンと登ってテント泊したい。
ふと頭に思い浮かんだのは笠ヶ岳。
2015年に鏡平経由で三俣山荘に泊まり、小屋で知り合ったお2人に感化されルート変更して笠ヶ岳山荘へ向かったことがある。
その時は小屋泊で荷物も軽かったし、今より若かったので笠新道の下りは思ったほどキツくなかった記憶が…。
いやいや、11年も経ってからテン泊装備で笠新道を登るのはムリなんじゃない?
そう思いつつも好奇心がムクムク湧いてきて、諦めるという選択肢はむろんなく、無謀なチャレンジをすることに。
もくじ
往復のアクセス
[往路]
22:30 竹橋より夜行バス(往復・テント泊応援割引 25000円)
06:12 新穂高RW駐車場
[復路]
14:00 新穂高RW駐車場より高速バス
21:14 新宿西口 ※渋滞で2時間遅延
【まいたび・毎日あるぺん号】
自己CT
[1日目]
07:00 新穂高RW駐車場
08:00 笠新道登山口 08:03
09:50 レスキューBOX
11:29 標高2300m地点 11:30
13:18 杓子平分岐 13:38
15:24 笠新道分岐
16:39 笠ヶ岳キャンプ場
16:48 笠ヶ岳山荘 16:51
17:04 笠ヶ岳キャンプ場
[2日目]
04:50 笠ヶ岳キャンプ場
05:00 笠ヶ岳山荘
05:13 笠ヶ岳 05:25
05:29 笠ヶ岳山荘 05:30
05:38 笠ヶ岳キャンプ場 06:06
07:00 笠新道分岐 07:02
07:58 杓子平分岐 08:03
10:40 笠新道登山口 10:44
11:31 新穂高RW近道分岐
11:33 新穂高RW駐車場
11:36 中崎山荘
毎日あるぺん号*上高地でまさかのエンスト
久しぶりに利用した毎日あるぺん号は、上高地に着く直前にエンストしてしまいなんとかエンジンはかかったものの、上高地BTにて別のあるぺん号(コンセント付きの広いシートでグレードが高い)に急きょ乗り換え。
夜行バスは何十回も利用しているがそんなハプニングは初めて。
ただ、上高地まで無事に到着できたことは、タイミング的にはラッキーだったといえる。

すっかりご無沙汰の新穂高センター、あぁ懐かしい。
新穂高RW駐車場にはトイレがないので少し下ってこちらへ。
ついでに登山届も提出しておく。

再び新穂高RW駐車場へ戻ったところ。
山専ボトルのお湯でコーヒーを淹れて、簡単な朝食を摂る。

キャー、くるりんのクサボタン。

萩の花も。

お助け風穴で立ち止まる。
風がスースー。

シロバナウツボグサだって。
珍しいのが咲いてるね。

とある通過点で複数の野鳥が騒いでいる。
コガラちゃんがこっち向いたとこ。

あ、大好きなネジバナ。
笠新道の登りで地獄を見た
時間的にそろそろかなと思っていると。

スタートからちょうど1時間で笠新道登山口。

水場の水は枯れているというお知らせを見て、ここで水分補給をしてから冷たい水をペットボトルに追加。
実は、今日のキツい道程を考えて多量の水は持参していない。
お湯500ml(うち200mlは新穂高で消費)、水1100mlの合計1600mlだけ。
足りない分は笠ヶ岳山荘で購入する予定。

涼しげなソバナがお出迎え。

雌のクワガタが登山道にヨロヨロ出てきた。
撮影後、踏まれないように草むらの奥へ戻しておく。

荷物をできる限り軽量化したとはいえ、重いことには変わりないのでゆっくりと歩を進める。

レスキューBOXの登場。

わぁー、この辺ソバナがいっぱい!

いただきもののゴディバクッキーと冷たい水で小休止。
甘いモノは基本的に登山時だけにしているので、どうしても残ってしまうのよね。

ミヤマオトギリソウ。

ガスが途切れて槍のご登場。

オオバギボウシの群生地。
ここら辺で軽装の外国人カップルに道を譲る。
タンクトップで登るとかホント感心するわ。

標高2300mの展望地ではガスが…。

これ何だっけ。
グーグル先生によるとウスノキ。

毒があるオオヒョウタンボク実。

グラデーションのミヤマシシウド。
たくさんのお花が咲いてても、キツすぎて心から楽しめない。

ハクサンフウロを愛でて現実逃避。

トリカブトさん、杓子平まだだよね。

散りかけのウツボグサ。

曲がり角手前で可愛いシモツケソウが励ましてくれる。
杓子平*お花畑に癒され
やっとのことで杓子平分岐まで辿り着いた。
決して笠新道を侮っていた訳ではないが、テン泊装備での登りは想像以上にキツく時間がかかってしまったわ。

倒れた道標に腰かけ、ガスに覆われた山々を見ながらコンビニおにぎり2個にパクつく。
本来はここから笠ヶ岳が見えるはずなんだが、景色などもうどうでもいい。
後続の若いカップルさんが現れたので挨拶を交わす。
私はエネルギーが切れかかっていて、すぐには出発できそうもない。
ここまでで既に半ゾンビ状態と化している。

まだ先は長いので立ち上がり、暫し平行道を進む。
花が終わったイワショウブ。

キャー!
たくさんのミヤマリンドウに狂喜乱舞。

ピンクの葯が可愛い個体も。

先行しているハイカーさんを確認しつつゆっくりと。

エゾシオガマ。

高山帯の草地などに咲くタカネヨモギ。

ハナニガナもそこかしこに。

ミヤマダイコンソウは終盤。

山の宝石、ミヤマダイモンジソウ。
ゾンビ状態でもお花があると立ち止まってしまう。

うわー、あのピークまで登らなければならないのか。
途中で休憩されていたカップルさんに、「なかなか着かないですね~」と思わず話しかけてしまう。

美しいウメバチソウに目を見張る。
この素晴らしい芸術品よ。
9時間半かかって笠ヶ岳キャンプ場へ
そして、空を遮るものがない場所へ到達。
ハイマツの中を少しだけ下ると。

やっと笠新道分岐まで来たー!
右へ行くと抜戸岳を経て双六や三俣蓮華。
一面に広がったガスのおかげで涼しくて嬉しいくらい。

あれはおそらくチシマギキョウ。
斜面に咲いてて後姿しか撮れないけど、花弁にうっすら毛が生えているから。

キレイめなウサギギクや。

終盤のハクサンイチゲも応援してくれる。

見覚えのある抜戸岩の間を通って。
小屋が近いとわかっていても、アップダウンがあるので心を無にして歩くしかない。
重ザックを背負ったゾンビという感じ(笑)。

おぉー、久しぶりに見る“ガンバレあと一息”のペイント。
長い長い旅の目的地にやっと到着した。
テン場では設営中のカップル男性が「おつかれさまでした」と労ってくださる。
後から知ったが、ヤマッパーさんだったようだ。
ここで重いザックから解放されそのまま笠ヶ岳山荘に向かう。
水が買えるかどうか心配だったのだ。

これまた久しぶりの笠ヶ岳山荘。
天水1Ⅼ(400円)を購入。
ペットボトルに少し残っていたので飲もうとしたら「いいよ、その分おまけしますから」と親父さんが50円割引してくださった。
ありがとうございます。
【笠ヶ岳山荘】
テント一張、一人3000円(トイレ代含む)
トイレあり(笠ヶ岳山荘の玄関左横)
水場は枯れていて小屋で購入可だが本数制限あり

ちょっとだけプライベート感あるスペースがあったのでそこに設営。
モンベルで切り売りの10mを購入し、苦手なロープワークはYouTubeで何度も勉強して、白い蓄光ガイライン2ミリに交換したばかり。
標高が高いのとガスのおかげで、夏の暑さとは無縁でとても涼しい。
笠ヶ岳の標高差は登り下りとも2243m、距離は20.5㎞。
取り立てて急登という箇所はないがひたすら長い。
もしかしたらテン場に着けないかもしれない、正直キツすぎて〇ぬかと思った。
誰に強要された訳でもないのに、こんな過酷なルートをわざわざテント担いで登るなんて狂気の沙汰(爆)。
前もどこかに書いたと思うけど、出世欲はゼロなのに山に関しては野望が沸々と湧いてきてしまうのだ。
元々はガチでインドア派だったのに自分でも不思議。
まさか自分が笠ヶ岳にテントを張ることになるとは、11年前は想像さえしておらず。

夏の定番になりつつある火を使わないメニュー。
コープで購入した無着色の荒ほぐし鮭フレークと、錦糸たまご、きざみ海苔に小袋の醬油で味付け。
今回はコンビニおにぎりではなく、モンベルのフリーズドライ米を使用。
永谷園の温かいお吸物を添えて。
疲れた身体に塩分が沁みわたって美味しい~。
『食堂かたつむり』 著:小川糸
食後に本を読んだり音楽を聴いたりして過ごす。
マナーがいい人ばかりの静かな夜。
時折吹く風に、フライが音を立てているのを聞きながら眠りに落ちた。
<備忘録・就寝時>
ティフォンストレッチジャケット、パタゴニアフーディニ、ウール長T、ウィックロン半T、FTドライレイヤー、アルパインライトパンツ、ダーンタフ靴下
展望バッチリの笠ヶ岳*槍からご来光
☆翌朝☆
4時くらいに起きて、フルーツカンパーニュとコーヒー2杯の簡単な朝食を。

04:47テン場にて。
入口から覗くと天気はバッチリのようだ。

05:00笠ヶ岳山荘。

槍穂高の上空に美しい朝焼け。

笠ヶ岳山頂に集うハイカー。

05:13笠ヶ岳(2898m)に登頂。

槍の右手からちょうどご来光。
どこでご来光を迎えるかはこだわりがないが、登頂時にたまたまタイミングが合った。

反対側も雲海がすごい。

テン泊者のトイレはこちら。

岩をトントン下りそそくさとテン場に戻る。
できれば6時に下山開始したいから。

笠ヶ岳のテン場でこんないい朝を迎えられたことに感謝。
でも、ここにテント張るのは最初で最後だろうなぁ。。。

6時を少し過ぎたところで、はい撤収。
極上の稜線歩き*下山は絶好調
夜行バスの寝不足と、登りが苦手なことが相まって初日はヘロヘロ。
でも翌朝はいつも快調なんだよね。

本当はもっとのんびりしたいけど、どうしても外せない目的がある。

黒部五郎岳や裏銀座方面。

後ろ髪引かれる思いで、笠ヶ岳と笠ヶ岳山荘を振り返る。

こんなに青空でいいのだろうか。

うわぁ、なんて素晴らしい稜線。
今日ここを歩けてよかった。
ありがとう笠ヶ岳。

分岐に出て、間違って左へ行くと花がいっぱい。
新鮮なヨツバシオガマとか。

フレッシュなチングルマ群生もあって「あれ?おかしいな」と気づいた。
「もし昨日この花を見ていたら、疲れていても絶対撮ってたはずだからこの道ではない」と正規の登山道に戻る。

なんて素晴らしい朝だろう。

07:32登山口5.5㎞の表示あり。

朝のフルーツをいただく。
甘酸っぱいクロマメノキ。

咲きたてのキンコウカに出会う。
昨日は探す余裕がなかった。

07:59杓子平分岐。
タイムトライアルの相談をしているトレラン男性2人組が休憩中。
人は人、私は私のペースで歩けばいい。

昨日の午後とは打って変わって素晴らしい眺め。

笠ヶ岳山頂は早くもガスがかかっているけど、いーのいーの。

昨日の朝食の残り、窯出しブレッド(チョコレート)を食らう。

ミヤマコゴメグサがいっぱい。

咲きたてハクサンフウロに心ときめく。

ここにも朝のフルーツ。
熟したやつはトロトロで美味い。

槍穂高の稜線。

焼岳もバッチリ。
しっかし暑い!
上のほうは遮るものがほぼないので熱中症になりそう。

たまに出てくる木陰で小休止して、残り少ない水分を調整しながら下りる。
遠くの幹でガァガァ鳴いているのはホシガラス。
雷鳥さんには会えなかったな。

10:40笠新道登山口に無事着いたー!!
何はともあれ水!水!
ほぼ空のペットボトルに水を汲んで一気飲み。
冷たくて美味しい水で心底生き返った。
そして2本のペットボトルに水を補充、これで安心。

新穂高RW駐車場への近道分岐手前にて、可愛いゲンノショウコ見っけ。
中崎山荘*日帰り温泉と飛騨牛丼
絶対に外せない目的というのはこちら。

何年も前からずっと気になっていた、中崎山荘さんへ念願の初訪問。
【奥飛騨温泉郷観光協会・中崎山荘】
https://okuhida.or.jp/p/hot-spring/中崎山荘奥飛騨の湯/
日帰り温泉1000円

ふわぁ~~極楽極楽。。。
露天風呂は竹の小枝を利用した衝立が風情ある。
お客さんが女湯から誰もいなくなるタイミングに撮影。
ぬるめの内湯は湯の花が半端なくすごい量。
この後、15名以上が一気にやってきて大混雑したのは言うまでもない。
早めに下山して正解だったわ。

朴葉味噌定食にしようと思っていたが、メニューを見て急きょ飛騨牛丼(1800円)に変更。
〇ぬほど頑張ったんだから、もうこれしかないでしょ!
他の人は高山ラーメンとか蕎麦とかを注文してたような。
お湯はいいしランチは美味しいし、もう大満足♬
退店する際、左腕に付けていた下駄箱の鍵を失くしたと勘違いして大変失礼しました。
冷静な奥様がシェルの下に鍵があるのを見つけてくださり事なきを得る。
も~、相変わらずおっちょこちょい。

昨日の笠新道は地獄、今日は天国。

梓川SAにて野沢菜おやきパン、きのこと山ごぼうパン、諏訪湖ホイップあんパンを買って夕食とする。
中央道の工事渋滞で2時間ほど遅延して新宿に到着。
最後に
よくも悪くも強烈な思い出が残った笠ヶ岳テント泊。
あの過酷な笠新道をテン泊装備で登ることは二度とないだろう。
運動が苦手なのでスタミナはなくても、持久力だけは意外にあるんだなと再認識できた山旅。
翌日の木曜は仕事だったが、いつもの筋肉痛とは別の違和感を右膝に感じる。
左足は何ともないが右は曲げると痛い。
右膝の上が硬く腫れていて自転車を漕ぐのも難しく、次の日は更に痛みが増す。
3年前に軽い半月板損傷(歩行は問題ない)と診断された整形外科へ。
どうやら右膝の筋肉が炎症を起こしているらしい。
右膝に水が溜まっていてそれを抜いた後、注射を打ってもらったら少し痛みが引いた。
先生曰く「大谷と同じだね」と。
「大谷も投げるのをやめたように、登山は控えるように」と言ったところで、看護師さん2名と私が爆笑。
安静第一とのことなので、仕事は休めないが登山は暫くお預けとなりそうな気配。
年齢的にやっぱり無理だったかな?と思いつつも後悔はしていない。
あの素晴らしい稜線歩きを反芻しながら、徐々に回復を待とうと思う。

