“涸沢の紅葉を見ずして穂高を語ることなかれ“
その名言どおり、一生に一度は見たい涸沢カールの紅葉。
ハイシーズンはテントが1000張、トイレが2時間待ち。
山小屋では1枚の布団に5人とか考えただけでも恐ろしい。
テントを張りたい気持ちは山々あれど、そんな状況におののき長年放置してきた。
でも、そんなことを言っていたら一生見ることができない。
今年は意を決して涸沢の紅葉に合わせ有休を取ることにする。
希望休は約1ヶ月前の申請なのでお天気次第となるが。。。
往復のアクセス
[往路]
22:25 バスタ新宿より夜行バス(WEB割7700円)
05:20 上高地バスターミナル
【さわやか信州号・新宿⇔上高地】
http://sawayaka.alpico.co.jp/route/kamikochi/shinjuku/
ハイウェイバスドットコムで予約、クレジットカード決済にした場合はWEB割が適用となります
[復路]
15:15 上高地バスターミナルより路線バス(2500円)
16:20 新島々(バスを降りて)
16:43 新島々(電車に乗り換え)
17:15 松本
18:40 松本よりあずさ(指定席)
【アルピコ交通・上高地⇒新島々/松本】
https://www.alpico.co.jp/traffic/local/kamikochi/shinshimashima/
予約制となっていますがネットで予約する必要はなく、上高地バスターミナルでギリギリに駆け込んでも空席があれば乗車できます
カード払いOK
※9/29は新島々より16:30発の松本行き臨時バスあり(電車で密を避けるため)。
道路状況によっては電車より早く着く可能性大、松本から電車に乗り換えでなければお勧めとのアナウンス。
持っているチケットでOKと言われ殆どの乗客は臨時バスに乗り換えていた。
私はあずさに乗るので臨時バスを利用しなかったが、夕方の上高地線は途中駅から激混みで松本到着が数分遅れてしまい、あずさを1本ずらすこととなった。
自己CT
[1日目]
05:46 上高地バスターミナル
05:51 河童橋
07:12 徳沢公衆トイレ 07:16
07:19 徳沢園
08:12 横尾 08:21
08:45 岩小屋跡
09:32 本谷橋 09:38
10:50 Sガレ
11:46 涸沢ヒュッテ
11:48 テン場
[2日目]
07:15 テン場(パノラマ入口がわからずウロウロ)
07:31 涸沢ヒュッテ
07:32 パノラマコース入口
08:30 尾根に上がった地点 08:32
08:47 屏風のコル
10:06 枯れた沢の河原 10:16
10:44 奥又白谷登山口
10:50 鉄の橋(猿天国)
11:11 新村橋
11:21 徳沢園 11:50
12:36 明神館
13:13 河童橋
13:29 ウェストン碑
13:32 上高地温泉ホテル 14:47
15:07 上高地バスターミナル
久しぶりの涸沢を目指して
上高地行きのバスはほぼ満席。
今回はクロックスを履いているのでSAの休憩も楽チン。
くれぐれも網棚の登山靴を忘れないように。
バスターミナルにて、持参したおにぎりを1.5個食べ出発。
<山行目的>
●涸沢カールでテント!(メイン)
●紅葉の進み具合を偵察
●涸沢ヒュッテでランチ
●お初のパノラマコースで下山
●徳沢カレー&ソフト
●上高地温泉ホテルの温泉
久しぶりに訪れる涸沢にワクワクしながら歩く。
しかも、お初の涸沢テント泊。
登山歴丸9年にしてやっとだよ~。
みちくさ食堂はスルー。
明日寄りますね。
手前のベンチで小休憩。
露で濡れていたのですぐ横の岩に移動。
おにぎりの残りと水分補給をする。
横尾大橋下のテン場。
橋の向こうを歩くのは本当に久しぶり。
大好きな花、センジュガンピが残っててくれた。
テン泊装備のハイカーにどんどん抜かされる。
「大丈夫!自分のペースで行こう」と言い聞かせゆっくり登る。
青空が大きく見えたと思ったら、そこが本谷橋だった。
本谷橋を渡ったところで水分補給をして前に進む。
ここまで来ればあともう少し。
って、2時間もあるけどね。
下山してくるハイカーが多く何度も立ち止まる。
登りのほうがキツイので、私はいつもさっさと道を譲ってしまう。
鬼軍曹に連れられて初めて涸沢を訪れた時、小屋泊まりなのにヘトヘトだったなー。
Sガレ途中の大岩でザックを放り投げ休憩したことを思い出したり。
あぁ懐かしい。。。
あの頃は、まさか自分が単独でテント泊するなんて想像すらしていなかった。
おぉー!色づいてきてるよ!
ここからの登りが意外に長い。
ザックが重くてヒィーヒィー。
涸沢で念願のテント
後からきたハイカーさんに道を譲り、やっとのことで涸沢ヒュッテに到着。
上高地バスターミナルからちょうど6時間。
蝶ヶ岳のほうが断然キツイと思っていたけど、こちらもなかなかだったわ(笑)。
【涸沢ヒュッテ】
https://www.karasawa-hyutte.com/
せっかくのイワツメクサも手が震えてブレちゃった。
うわぁ~、夢に見たテン場よ。
やっとここにテント張れると思うと嬉しくてしょうがない。
どこに張ろうかな?
あちらこちら見て回り、通路から近くてわかり易い場所にする。
前回の五色ヶ原で夜間のトイレ帰りに少しだけ迷ったので。
しかし、このコンパネが重いのなんの。
持ち上がらなくて引きずりながら運んできた。
長方形に岩を並べて整地してくださった跡があり、そこへコンパネを置く。
トキ色のお仲間を他に2張見つけて、ひとりニヤニヤ。
ペグが刺さらないので岩だけで設営。
劔岳以来履いていなかったスポルティバを連れてきた。
今回、ピークは踏まないんだけどね。
テントカードは返却箱から出して取り付けたが、あとでよかったみたい。
さてと、涸沢ヒュッテでランチ。
ラーメンラーメン!と思っていたのに、前の男性に釣られて牛丼を注文。
朝6時から営業ってすごい。
涸沢はテン泊者にも至れり尽くせり。
この景色を見ながら贅沢なランチタイム。
テラスで食べるランチはとびきり美味しい!
陽射しは暑いけど既に秋の空気が漂っている。
涸沢ヒュッテで購入したジュースやランチの空容器のみゴミ箱に捨てていいようだ。
全て持ち帰りの小屋が多い中で、とてもありがたい。
涸沢ヒュッテの水場は使いたい放題。
もちろんそのまま飲用でき、手洗いや歯磨きもここでOK。
他の山小屋では飲用水での歯磨きは禁止のところが多い。
涸沢には色々なハイカーが集まるためここで食器を洗う人もいる。
残飯は流さないでと記載があるにもかかわらず、白米や食材が排水溝に留まっているのを見てとても残念に感じた。
小屋のご厚意を踏みにじるような行為は慎むべきだ。
使ったフライパンや食器はティッシュで軽く拭いて家で洗えばいいじゃないか。
いい歳をして何故そんな簡単なことが我慢できないのだろう。
せめて、自分が流した残飯は網から外して自分のビニール袋に入れようよ。。。
トイレは扉ごとに男女共用、女性専用とわかれている。
女性にとっては嬉しい配慮。
平日なのでトイレ待ちの時間は全くなかった。
念のため持参した携帯トイレは使わなくて済んだ。
続々とハイカーが到着し、コンパネは売切れた様子。
コンパネ不要で設営できる場所も探せばありそうだ。
テントで横になり小一時間ほどウトウト。
荷揚げのヘリの音がすぐ側で聞こえたが眠くて起きられず。
『萩原編集長の危機一髪!』
山ごはんを作ってニコニコしているだけの人ではなかった(失礼!)。
子供の頃から山に親しみ、ほとばしる情熱を捧げてきたお方であり、様々な危機を乗り越えられてきた。
そんな実体験が実に面白く、夢中になってページをめくる。
15時くらいにお湯を沸かし紅茶オーレを飲む。
テントなので何をするのも自由。
日影になったら急に冷えてきたような。
そろそろテント受付を済ませておこうっと。
この日は15:15~17:00の間。
テント1人 1000円(予約不要)
コンパネ1枚 500円(先着順)
明日のパノラマコースについて伺うと、「事故が多発しているので自分の技量と相談で…」と言葉を濁している。
山小屋スタッフさんとしては事故を未然に防ぎたいのだろう。
行くかどうかは明日決めよう、素直に「わかりました」と答える。
テント設営と同時にカードは取り付け済みであることを伝えると、お兄さんに笑われてしまった。
最後に電子体温計で検温して終了。
*カマンベールチーズフォンデュ鍋*
カマンベールチーズ丸ごと、厚切りベーコン、ミニトマト5個、ブロッコリー5個(自然解凍)、カゴメトマトペースト1本、コンソメ1個、水300ml、あらびきコショウ
ベーコンに軽く焼き色がつくまで炒める
水を注ぎ沸騰したらコンソメ、トマトペーストを投入
ベーコンを端に寄せてカマンベールチーズを真ん中に置く
ミニトマト、ブロッコリーを入れグツグツしてきたらあらびきコショウを振る
カマンベールチーズをくり抜いてトロトロになった部分をつけて召し上がれ
簡単で栄養価満点の上、彩りもよくお気に入りのメニュー。
『げんさんよーこさんの山ごはん』
いつもありがとうございます。
それほど寒くなかったので外で夕食を作り、食べ始めた時。
「ずいぶん豪華なごはんですね~」と声をかけてくれたのは背が高い眼鏡の好青年。
お人柄のよさとフレンドリーな雰囲気が伝わってくる。
「簡単なのでぜひ試してみてください」と山めし礼讃のブログをお教えする。
テン場より涸沢小屋方面へ歩いて行かれた。
そして、食べ終わった頃に彼が現れまたお話をする。
明日は北穂に登られるそうだ。
登山を始めてまだ1年くらいと話していた。
なのにもうテント泊してるのがすごい。
山談義をしたついでに、私のブログもさりげなく宣伝しておく(笑)。
何だか久しぶりに好感度の高いハイカーさんにお会いできた気がする。
挨拶もしない単独男性は結構多いから。
短時間でしたがすごく楽しかったです!
ありがとうございました。(*^^*)
涸沢ヒュッテテラスから。
夜間うるさいかも?と懸念していた涸沢のテン場。
大声を出す人は皆無で、早朝出発だからか皆さん早く寝静まったようで意外に快適だった。
男性の小さなイビキが微かに聞こえる程度。
また、就寝時は冷えるだろうと思っていたがそれほど寒くなかった。
上にダウンを羽織りインナー手袋をしてシュラフにもぐったら、いつの間にか寝ていた。
例によって何度か目は覚めたけれどその都度二度寝して朝を迎える。
<備忘録・就寝時>
mon ウィックロン半袖
mon アームカバー
ber ソフトシェル
pat ダウンセーター
mam ソフテックトレッカーズパンツ
mon トレールタイツ(中厚手)
dar マイクロクルーソックス
mon クールライトグローブ
素晴らしい展望のパノラマコース
☆翌朝☆
残りのベーコンを焼き、パンケーキ(プレーン)、カフェオレを淹れて簡単な朝食。
パンケーキは通常2個入だけどこれは珍しく3個も入っている。
本体だけで結構甘くて美味しい。
サンダルを履いて高台に上がる。
また素敵な一日が始まる。
縦走する人、下山する人、のんびりする人。
昨日の彼は北穂に登頂できただろうか?
パノラマコースで下山しようとするも、入口がわからず涸沢ヒュッテ周辺をウロウロするはめに。(^^ゞ
パノラマコースが2つあるらしいのは聞いていたけど。
昨日ちゃんと確認しておくんだった。
オジサマ2人に聞いたところ、涸沢ヒュッテを少し下りた場所から登っていくことが判明。
ここで15分ほどのロスタイムが発生。
でも、今日は時間がたっぷりあるので大丈夫。
うわぁ~、本当にパノラマだ!
細い足場を見て笑ってしまった。
もちろん、左下は崖。
こんなのはまだ序の口といえる。
足幅1つぶんの道とか。
崖トラバースとか。
危ない箇所にはロープがある。
ついつい、可愛いねと話しかけてしまう。
大きな斜面にもロープ。
整備してくださっているスタッフさん達に感謝。
噂通りキツイコースだ。
それでも、時折現れる紅葉に癒され槍の先っぽに感激しながら進む。
足先が見え難く、慎重にクライムダウンした場所。
静かで美しい登山道。
バリエーションルートと言っても山を歩き慣れているハイカーさんなら問題ない。
テント装備で通過するのは確かにキツイかも。
歩き慣れていない人、不安に感じる人は歩かないこと。
こんなところで渋滞するのは勘弁願いたい。
今日は空いててよかった。
序盤で私を追い越したご年配単独男性の姿はもう見えない。
いきなり視界が開けたと思ったら、尾根に上がったようだ。
おぉ、ナナカマド~。
ぷくっとシラタマノキ~~。
…とか、ひとり喜んでいたら背後で男性の声が。
「ここ何回か歩いたことあるの?」
「いえ、初めてです」
「意外にキツイねぇ~~」
クライマー?沢屋?風のご年配単独男性はアッという間に消えた。
歩くの速いなぁ。
快適な尾根歩き♪
槍もバッチリ。
パノラマコースにしてよかった。
さきほどまでいた涸沢の全景。
すごい!
なにこの大展望!!
ちょっと大変な道だけれど、時間があるなら下山路の選択としてオススメしたい。
もちろん天気のいい日に。
あそこが屏風のコルかな。
デポというよりは、放り投げてある感じ(笑)。
屏風の頭に登っているのだろう。
ここから急坂を下っていく。
カンチコウゾリナに潜り込む虫さんも一緒に。
ガレガレの急坂続きなので汗をかいている。
大岩の上にザックを下ろし、残りのパンケーキ1枚をパクつく。
青空が気持ちいい。
枯れた沢の河原。
私もここで小休憩とする。
紙の地図とジオグラフィカを確認。
実は、機内モードにしていても電池の減りが早いため、最近ジオグラフィカの使い方を変えた。
事前に地図だけ読み込みしておいて、自分の軌跡は取らず現在地だけを表示させる。
それならモバイルバッテリーを全く使わず、帰りのあずさで充電するまで電池が持つ。
…と思っていたら、現在地の三角形が急に消えてどこにも見えなくなった。
「まぁいいか」道は合っているのでそのまま歩き出す。
長い下りから平坦な林道へ。
奥又白谷登山口に着いた。
猿軍団との遭遇
ここでまた失敗をやらかす。(=_=)
パノラマコースを無事に下りてこられた安心感と、あともう少しという油断から勘違いを起こした。
冷静に地図を確認すればわかることなのに。
舗装道路に突き当たり左右どちらだろう??と右に歩き始めたのだけれど。
「あ、ちがう左でしょ」と思い直し、車が停まっている先の砂利道へ。
ん?四つ足動物がいっぱい。。。
そこで猿軍団と遭遇。
猿天国といってもいいほどの数。
毛づくろいに夢中。
ここにいるだけで30匹くらい。
梓川の河原に下りているのも入れたら50匹以上かもしれない。
「おまえのことなんて構ってられん」
お取込み中ごめんなさいね~。
対岸の登山道を歩いているハイカーの姿が遠くに見える。
とにかくあちらに渡らなければ。。。
砂利の壁を四つん這いで登り、何とか登山道に復帰できた。
ふぅー、何をやっているんだか。
おっちょこちょいにも程があるわ。
本来は、新村橋の向こうからこちら側へ渡ってくるはずだった(汗)。
気を取り直して、速足で徳沢園へ向かう。
徳沢カレーと上高地温泉ホテル
違うメニューにしようかと思ったけど、やはり定番のカレーにした。
お肉が柔らかく煮込まれていて美味しい。
また、福神漬け代わりの野沢菜が妙にイケる。
カレーを食べ終えすぐにカウンターへ。
ソフトクリームを注文するつもりが、前のオジサマの「コーヒーソフト」という声が気になる。
ん?ナニソレ?と、またまた釣られて急きょ変更。
ベースになっているコーヒーが美味しいから、ソフトクリームの味が活きるというか。
コーヒーとソフトが絶妙にマッチしてダブルで美味しい!
褒めすぎ?(笑)
ごちそうさまでした~。
柔らかな木漏れ日に目を奪われる。
今日は、上高地温泉ホテルの温泉に入ろう。
河童橋を渡って梓川のほとりを歩く。
上高地温泉ホテルへの道中にあるので立ち寄った。
花弁がちぎれているけど、可愛くて思わずパチリ。
河童橋から徒歩20分で上高地温泉ホテルに到着。
【上高地温泉ホテル】
http://www.kamikouchi-onsen-spa.com/
日帰り温泉 大人800円
営業時間 12:30~15:00
温泉ホテルと謳っているだけあって、アメニティが充実している。
シャンプー、コンディショナー、ボディソープがオレンジオイル配合で柑橘系のいい香り。
くせ毛の私も髪の毛サラサラに。
よくある安っぽいリンスインシャンプーでないのが嬉しい。
露天が合計4つもあり、せっかくなので全部入ってみた。
樽風呂は狭くてひとりずつしか入れないけど、ぬるめのお湯で長く浸かれる。
「いいお湯でした!ここしかやってないので歩いてきた甲斐がありました」
売店レジにいらっしゃったご主人に伝えると、深々と頭を下げてニコニコされている。
とても感じがいい。また来よう。
温泉後は、瓶の牛乳とりんごジャムパンを持って外ベンチへ。
15:15にバスが発車するのを知り、慌てて牛乳を飲み干し食べかけのパンをしまって出発。
途中の池に鴨が泳いでた。
本日のゴール!
ふぅ、バスに間に合った。
新島々で乗り換える。
松本であずさへの接続が間に合わなかった。
そうだ、山賊焼きを食べにいこう。
松本駅構内にあるMIDORIの4Fへ。
「えっ?こんなにデカイんですかっ??」
運ばれてきた時に思わず聞いてしまった。
大食いの私でも食べきれず、半分お持ち帰り。(^^;
油もの対応の袋代として3円だけ加算される。
ハーフサイズがあるのは後から知った。
最後に
涸沢の紅葉は、この日の時点でまだ5~6割ほどであった。
なので10月上旬に再度訪れる計画を立てている。
ちなみに、プライベートでも県を跨ぐ移動については職場長に事前報告する必要がある。
前回と同じ場所にテントを張りに行く旨を伝えたところ、快く承諾してくださった。
当たり年じゃなくてもいい。
涸沢テント泊を思う存分楽しみたい。