登山

錦秋の巻機山*素敵な一期一会と巻機山避難小屋(泊) 2019/10/20(日)~21(月)

各地に甚大な被害をもたらした台風19号に、涸沢テント泊の中止を余儀なくされた。

今年はまだ紅葉を見ていない!と焦るなか、巻機山の紅葉が綺麗との情報を得る。

いつか泊まりたいと思っていた巻機山避難小屋への訪問も併せて、紅葉のじゅうたん広がる巻機山へ急きょ向かうことにした。

 

往復のアクセス

 

[往路]

08:58 上野より新幹線 → 10:22 越後湯沢

10:30 越後湯沢より上越線 → 10:52 六日町

11:00 六日町駅前(東口)よりバス → 11:25 沢口バス停(370円)

 

始発のバス8:15は都心からの新幹線と上越線には接続しておらず間に合いません。しかも、次の11:00発は清水バス停へは行かず、沢口バス停までの運行。

あくまでも周辺住民のための路線バスなので当然なのですが、公共交通機関利用の登山者としては、かなり残念なローカル線あるある。。。(=_=)

 

【南越後観光バス・時刻表】

http://www.minamiechigo.co.jp/right-muikamachi.html

※時刻表は無断転載禁止なので、六日町~沢口~清水線をクリックしてご覧ください。

 

始発のバス8:15に乗るには、前泊として長岡行きまたは長岡北インター行きの夜行バスに乗る選択肢もあるらしい。今回はギリギリすぎてその夜行バスも満席だったため、とても遅い出発となるのを知りながら強行しました。((+_+))

 

【バス比較ナビ・東京、新宿発 → 長岡行き夜行バス】

https://www.bushikaku.net/search/tokyo_niigata/tokyo-shinjuku_nagaoka/time_division_type-night/

 

 

[復路]

12:20 桜坂駐車場の少し下よりお車 → 12:58 駒子の湯

14:03 駒子の湯より徒歩 → 14:15 越後とんかつ人参亭さん

14:50 越後とんかつ人参亭さんより徒歩 → 14:57 越後湯沢

15:08 越後湯沢より新幹線(発)

 

※巻機山日帰りの男性がご厚意で乗せてくださり駒子の湯まで行かれるとのことだったので、お言葉に甘え同じ温泉に浸かることにした。(当初の計画は越後湯沢駅構内のぽんしゅ館)

六日町行きバス8:55の次は14:20までバスがないので、最悪の場合は“得意の駅まで歩き”になる可能性大。運がよければヒッチハイク?(笑)

世田谷ナンバーの黒ハッチバック車の男性、おかげさまで大変助かりました。どうもありがとうございます!(^^♪

 

自己CT

 

[1日目]

11:25 沢口バス停

12:30 山の宿 雲天

12:40 巻機山登山道入口(トイレあり)

12:58 軽自動車に乗せて頂く

13:03 桜坂駐車場 13:04

13:05 井戸尾根コース分岐

13:33 ゲイター装着 13:36

13:56 四合目

14:42 五合目

16:07 六合七勺

16:24 七合目

17:03 八合目

17:20 九合目・ニセ巻機

17:27 巻機山避難小屋

 

[2日目]

05:48 巻機山避難小屋

06:12 御機屋

06:17 笑う池塘

06:22 巻機山山頂

06:39 牛ヶ岳

06:42 牛ヶ岳の少し先

06:45 牛ヶ岳

06:58 朝日岳分岐

07:02 巻機山山頂

07:11 御機屋

07:36 割引岳山頂 07:44

08:04 御機屋

08:20 巻機山避難小屋 09:08

09:20 九合目・ニセ巻機

09:33 八合目

10:07 七合目

10:39 六合目

11:14 五合目

11:36 四合目

12:03 桜坂駐車場 12:08

12:12 靴洗い場 12:13

12:20 黒いハッチバック車に乗せて頂く

 

道端のお花と心温まる出会い

 

六日町駅東口より路線バスに乗る

 

11:00発のバスは沢口まで。バスを降りて歩く選択肢しかない。運転手さんが気の毒に感じたのか、今回限り荷物料(金額未確認)はいいですよと言ってくださった。

 

霧雨が舞う中、美しいノコンギクに足が止まる

 

色とりどりの山の宝石に感激♪野葡萄??

 

可愛いママコノシリヌグイ。三角形の葉を持つ

 

なんと!スミレが咲いてるよ~

 

側溝の側にフランスギク

 

お?クサノオウにしてはキレイすぎるし5枚だし季節も違う。カボチャの花に似てる

 

あっ、センニンソウがまだ咲いてる

 

道端のお花を愛でていると、いつしか霧雨はやんでいた。

山の宿 雲天

 

実は、清水集落には深い思い出がある。

何年も前に谷川岳馬蹄形縦走をやる予定で白崩避難小屋に泊まった翌日。道を勘違いして疑問を感じながらもそのまま下ってしまい、気づいたら時すでに遅しの場所。

ここまで来たら清水集落へ下りるしかない。過酷な自然歩道を必死に下り冷たい沢を渡渉した。道をまっすぐ行けば清水バス停に出るだろう、もう大丈夫とのんびり歩いていたら。。。

人っこ一人いない田舎道にいきなり軽トラックが現れる。早朝にネマガリタケを採りに行った鉄筋会社の男性お2人で、途中ハイエースに乗り換えてなんと越後湯沢駅まで送ってくださった。おすそ分けのネマガリタケや茹でたトウモロコシ等も頂いたりして。帰宅後は会社名を検索してお礼の品をお送りした。

山中で私の身の上に困ることが起きると(それでも本人はわりと冷静)、不思議と天使が舞い降りてくるのだ。元々、他人への依存心が薄い私に山が何かを教えてくれているのではないか。また、常に大きな力に守られているのを実感する。

 

やっと清水バス停近くまでキター

 

入口に公衆トイレがあったけど時間が圧してるのでスルー。お腹が空いてセブンのチャーハンおにぎりを食べながら歩く。

ちょうど2個食べ終わったと同時に後方から登ってきた車の減速する音。「これから山登るんですか?駐車場までだけど乗ってくかい?」

 

地元のご年配ご夫婦が軽自動車に乗せてくださった

 

ご夫婦で山(駐車場まで)を見に来たという。奥様いわく娘さんも「山が好きで山男と結婚して、よく2人で登ってたけどもう孫もできて…」最近は山からは遠ざかっているらしい。

 

すぐに桜坂駐車場の登山口

 

しかもリンゴくれた。ありがとうございますっ (#^^#)

 

「もっと早くに乗せてあげられればよかったのにね」乗車時間はたった5分くらいだったけれど、そんな温かいお気持ちが嬉しい。

何度もお礼を言い、ほっこりとした気持ちでスタート。かつて若い頃に沢コースから巻機山に登ったというご主人が「気をつけて…」といつまでも見送ってくれていたのがまた嬉しかった。

 

燃ゆる紅葉⁂楽しい避難小屋の夜

 

井戸尾根コースで

 

なんだろう、小さいけど綺麗な白い花

 

ツルリンドウの実がピッカピカ

 

赤土ぬかるみ岩ゴロゴロの道

 

裾がドロドロになりそうだったので、途中でゲイターを装着する。それで正解。

 

大好きなムラサキシキブ

 

倒れている四合目

 

五合目で開ける展望

 

また陽が射してきた

 

わお、オレンジの紅葉が

 

黄葉と青空

 

割引岳方面も色づいてる

 

六合七勺、渋~い道標

 

それにしても、歩きにくいったらない。最初から赤土、粘土質、ぬかるみが続いている。黒い土があっても乾いた部分がほぼないので、滑らないようとても気を遣う。

また、下山してくる登山者は団体さんが結構多い。10人、20人、25人とかすれ違い待機を何度もしながらゆっくりと登る。

 

ガスが晴れて素敵な山肌が見えた瞬間

 

やっと七合目

 

うっわ!登ってきて振り返るとコレ

 

この後は完全にガスが立ち込め真っ白に。時間が遅いため前後に誰もおらずひとり黙々と登る。右足が攣りかけ気持ちは焦るが、一歩一歩踏み出すしか術はない。避難小屋に着いたのは予定の17時をとっくに過ぎていた。

2階の窓から微かな灯りが見え先客がいることを知る。日曜の夜だから人はいないと思っていたけど、さすが人気の避難小屋。

1階に若いカップル、2階に男性2人組と単独男性がいらっしゃった。2階に上がって「お邪魔しま~す」と、単独男性のお隣に寝床を確保。

 

夕食はナシゴレン(無印良品)&明太ポテトサラダ(セブン)といつものわかめスープ

 

因みに、無印良品のナシゴレンは賞味期限切れを持参したため(笑)現在は販売していない。卵1個で目玉焼きを作り別皿に移しておく。オリーブオイル少々でご飯を炒めそこにピーマン、パプリカ、ナシゴレンの素を入れて軽く混ぜるだけ。

タッパーに入れてきた茶碗3杯分くらいの15穀米が多すぎて食べきれず、残り半分は翌日の朝食に回すことに。

お隣にいらした関西弁の単独男性と話が弾む。なんと滋賀県からお車を運転して来られたとのこと。午前中に小屋に到着して山頂を往復し、昼頃は日帰りの登山者で混んでいたがその後はひとりの時間もありまさに理想的な避難小屋の過ごし方をされていた。

しかも、夜はなんちゃって酢豚、朝はトマトとピーマンでカレーを作成。簡単なカップラーメンにしてしまう男性が多いのに、山でもちゃんと料理をするチャレンジ精神に脱帽。萩原編集長の本を参考に私も作ってみよう。

ヤマレコに登録したばかりでアカウントはあるそうなので、以前のハンドルネームをお教えする。ブログも見てくださるとのこと。

色々と山談義をしていたらあっという間に時間が過ぎていた。とても楽しい夜をありがとうございました! (#^^#)

 

●水場は未確認、家から2.5L持参(プラティパス水2L、山専お湯500ml)

●就寝時はウール長袖T、厚手ソフトシェル、薄手ダウンジャケットでOK

 

黄金の草紅葉に染まる巻機山~割引岳

 

昨夜の残りで朝食を済ませ、単独男性にご挨拶をして巻機山へ向かう。お世話になりました。

ちょうど同じ時間帯に、2階にいた男性2名組も荷物をデポして牛ヶ岳と割引岳を往復するらしい。

 

避難小屋まえの坂を登り、振り返ると…

 

お~!あったあった、ヤマレコで見たことがある笑顔の池塘

 

もうね~、個人的には“笑ゥせぇるすまん”の喪黒福造にしか見えない。「ドーン!!!!」(^_^;) テレビ嫌いの私が過去に見ていた数少ない番組のひとつ。

 

小さな秋。落ち葉ではなくここで生きている

 

御機屋に到着。ここは厳密には巻機山山頂ではないので右の道を進む(帰りに撮影)

 

浪平チックな巻機山の山頂(帰りに撮影)

 

牛ヶ岳の最高点はここらしい

 

牛ヶ岳の少し先へ進んでみたけど何もないので引き返す。

 

群馬県境の朝日岳分岐

 

この先が朝日岳、そして谷川岳に続く例のバリルートかぁ。。。行けないけどロマンを感じるね~。

御機屋分岐まで戻ったら今度は割引岳へ。坂を下って登り返す感じ。

 

草紅葉が素晴らしい

 

おーっ!あの三角が割引岳ね

 

黄金のような草紅葉に感嘆

 

イワショウブの赤い実が可愛い

 

ガスが晴れて割引岳が目の前に

 

「ガスもまたよし」などと思っていたら、周辺のガスがパーッと引き目の前に割引岳が現れた。いやいや、晴れていたらよかったなんて文句は口が裂けても言わないよ。

この素晴らしい稜線を、今、歩けることに感謝する。

越後三山といえばグシガハナを思い出す

 

ええと、少し登って振り返ったところかな

 

草紅葉の橙色と深緑の対比がすごい。まさに紅葉のじゅうたん。質のいいギャッベのようだ。素晴らしすぎて言葉が出ない。

 

割引岳山頂

 

私が割引岳に到着すると、ガスの中から太陽が顔を覗かせて微かな陽射しを届けてくれたのには驚いた。期待はしていなかったのに晴れ女の威力か。

 

久しぶりの自撮り。出発時、ガスっていたので雨具を着用している

 

雲海

 

ぐるっと

 

見渡せる

 

割引沢コースは下山禁止

 

割引岳から下山し始めると、一気にガスが覆ってきて周辺は真っ白に。「さっきは精一杯晴れてくれたんだよね」と思うと嬉しくてたまらない。

私が訪れた瞬間にピンポイントで素敵な景色を見せてくれてありがとう。(^^)/

 

水もしたたるナナカマド

 

避難小屋の2階に戻ってきた

 

朝食にするはずだったフルーツとくるみのパン(タカキベーカリー)、ふわラテ、昨日頂いたリンゴで休憩

 

山と高原地図のCTは甘めに書いてあると思われる。例えば、1967m地点より牛ヶ岳まで40分もかからない(水と雨具等の軽いザックで17分)。当初の予定よりかなり早い時間に避難小屋に戻れて30分間も休憩できた。そのため、逆に14:20のバスに乗る予定が狂ってしまったのでご参考までに。

 

1階部分も超キレイ

 

快適なバイオトイレ

 

この扉を開けると更に扉が左右にあり、自転車をこぐタイプのバイオトイレ1基と男性用トイレが1基×2部屋ある。外トイレは未確認。

トイレットペーパー完備、使用した紙はビニールに入れて持ち帰ること。そのビニールまでちゃんと備わっていて至れり尽くせり。

 

名残惜しいけど、巻機山避難小屋とお別れ

 

日帰りの登山者が続々と登っていく

 

九合目のニセ巻機山

 

下山時も

 

立ち止まりながら

 

自然のアートを楽しむ

 

う~ん来てよかった

 

左手の山肌

 

割引岳方面を振り返る

 

早朝、駐車場からスタートしたのにもう下りてきた単独男性(数名)に下山時ちらほら抜かされる。その中に、巻機山~牛ヶ岳~割引岳と登ってきたという若者がいて「どんだけ速いんですか!?(;’∀’)」と笑ってしまった。

また、のちに出会う“天使”にはこの辺りで抜かれたと思われる。

美しいブナの森

 

アキノキリンソウ

 

桜坂駐車場

 

平日でもそこそこ混んでいる様子。紅葉時期は特に大人気なんだね。木の根元にザックを置いて脱いだ雨具上下をしまう。

靴洗い場

 

ドロドロの登山靴をここで軽く水洗いさせてもらう。

 

下山後にも天使が舞い降りてきた

 

そして、駐車場からトコトコ下っていると。。。またもや後ろで減速する音が聞こえ、世田谷ナンバーの日帰り男性が乗せてくださると言う。

バスの時間まで2時間近くあるし、待つのは嫌なのでそのまま六日町まで歩くつもりだった。渡りに船とはこのこと。天使が舞い降りてきた♪♪

餓鬼岳の白沢登山口から大町温泉郷まで3時間も歩いた経験があると話したら、大層驚かれてしまったけれど…(笑)

単身赴任していた時にあまりに暇すぎて独りで関西のお山に登ってみたのがきっかけで、登山にはまったそうだ。

 

駒子の湯まで乗せて頂く

 

ナビを見せてくださり越後湯沢駅が近いことを確認。六日町まで歩いていたらだいぶかかったと思うので、かなりの時短となり助かりました。本当にありがとうございました!

 

熱めのお湯。露天はなし

 

温泉後にいちごミルク

 

受付の女性に越後湯沢駅までの道順と時間を聞き、地元のお客さんと一緒に玄関を出る。20分くらいなら余裕で歩ける距離だ。

 

濃いピンクのコスモスに癒され

 

純白のシュウメイギク。美人だね

 

道端のイモカタバミもスルーできず

 

んっ?越後とんかつ?駅方面へ一度行きかけてやっぱり戻る (^^ゞ

 

越後湯沢駅まで歩いている途中にあった越後とんかつのお店。お昼まだなのでここでランチにしようかな。15:08の新幹線には何とか間に合うだろう。

 

14時すぎなのにそこそこ混んでいる

 

ロースかつ定食(1400円)

 

10分ほど待つと運ばれてきたロースかつ定食のボリュームにビックリ、そしてニンマリ。あぁしあわせ~。(≧▽≦)

ご飯は普通盛りでこの多さ。大食いの私でさえ終盤は苦しくなり食べきれないかも?と思いつつ、、、結局は完食。全部美味しかった!

会計の時に若女将さんに「どこの山に登ったんですか」と聞かれ「巻機山です」と答える。「この前、八海山に登りました(ロープウェイで)」と話されていてちょっと嬉しくなった。

 

最後に

 

そして本日の極めつけは。

新潟から連れてきちゃったカタツムリ (^^ゞ

 

東京行き新幹線と各駅停車で最寄り駅に到着する直前、隣席に座っていた女性がいきなり話しかけてきた。「あの、カタツムリが付いてます(笑)」

膝上のザックを見ると、マットを包んでいるビニールの上にちょこんと小さなカタツムリがくっついているではないか!

「えっ全然気づきませんでした、山から連れてきちゃったのかな(笑)」「次で降りるので取ってあげましょうか(笑)」「あ、家の近くの草むらに放しますので大丈夫です。教えてくれてありがとうございます」

車のトランク、温泉の脱衣場やランチ中、新幹線内でもずっと付いていたのが可笑しくて可笑しくて、笑いながら家路に着いた。(≧▽≦)

巻機山が想像以上にいい山だったことは言うまでもない。次回はお花の咲く時期に訪れてみたいと思う。

最初から最後まで人に恵まれ、楽しい一期一会と心がほっこりするような出来事ばかりの2日間。素敵な巡り合わせに感謝します。

 

しおん
2011年4月、初めての登山で人生が変わった。山のとりこになって早10年。 今一番行きたい場所に、いつもひとり気ままに出かけています。 無類の猫好き。(=^・^=) 東京在住。
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