珍しく体調を崩しお休みをいただいた。
最初は新人さんばかりの職場のことが心配だったけれど。。。
どんな仕事であっても(誰かの犠牲の上)それなりに回るもの。
「たまにはゆっくり休みなさい」と天から言われているような気がして、仕事のことは考えずに過ごす。
すると重石のようなストレスが日に日に晴れてくるのが自覚できた。
あぁ、このまま一生休みたい(笑)。
実はGW前後にどうしても登りたい山があり体調と相談しながら計画を立てていた。
病み上がりでは厳しいんじゃないかという懸念を持ちつつも、このままの状態で仕事に行きたくない。
一言でいうと自分の中でのけじめ。
ということで、クモイコザクラ見たさに十二ヶ岳への縦走を決行する。
もくじ
往復のアクセス
[往路]
08:53 富士急行にて河口湖
09:10 河口湖駅①より西湖周遊バス(450円)
09:40 毛無山登山口BS
[復路]
16:25 十二ヶ岳登山口BSより西湖周遊バス(530円)
17:04 河口湖駅①
17:49 河口湖より富士急行
自己CT
09:42 毛無山登山口
10:48 ミネ山 10:49
11:46 毛無山 12:05
14:13 十二ヶ岳・桑留尾分岐
14:14 十二ヶ岳 14:26
14:27 十二ヶ岳・桑留尾分岐
15:53 桑留尾登山口 15:56
16:00 十二ヶ岳登山口BS
※お花や野鳥を観察しながら歩いているので、CTは比較できません
アカネ*ゲンジ*ヒゴスミレとの出会い
GW時期なので敢えて電車で河口湖へ。
以前、河口湖駅から三ツ峠山に登った際、新宿からの高速バスが大渋滞に巻き込まれてハラハラしたことがある。
やはり一番確実で速いのは電車。
富士急行の車窓より望む富士山。
今日は期待できそう!
河口湖駅に到着したトーマス号。
厳密にはまだGW前なのに大勢の人でごった返している。
河口湖駅周辺のコンビニへ行く途中で富士山ドカーン。
セブンは車道を横断しなければならないのでそのままローソンへ。
西湖周遊バスは河口湖駅改札を出てすぐ目の前。
コンビニに寄っている間に長蛇の列ができていて座れず。
大勢の外国人さん含め観光客がメイン。
毛無山登山口BSで降車したのは私ひとり。
しめしめ。
バスの進行方向へ少しだけ歩き文化洞トンネル手前を左へ。
毛無山・十二ヶ岳登山口。
初めての山はいつもワクワクする。
種ができつつあるキブシ。
新緑と木漏れ日が気持ちいい登山道。
うはー、いい感じ。
ハルリンドウがそこかしこで開花中。
踏まないように注意しながら。
咲きたてのヒトリシズカ。
葉っぱがピッカピカ。
どこかでご夫婦に抜かれ一気に姿が見えなくなる。
何故そんなに速く登れるの?
ミネ山(1241m)に到着。
45分くらいで登れるところ私は1時間もかかった。
いいのいいの、マイペースでいこう。
見逃しそうな山頂標は下に三角点があって気づく。
楽々な平行道はここらへんだけ。
斜面にブルーの塊が見えたので駆け寄るとハルリンドウ。
紫がかった青が綺麗ね。
所々で気になった蝶々型の葉っぱ。
細かい毛が生えていて明らかに他のスミレとは違う質感の葉を持つ。
アカネスミレでよさそう。
九十九折れの急坂を登ると富士山の展望。
富士山と河口湖。
こちらは西湖。
草むらの中に白いスミレを発見。
根元の葉を確認すると…。
エイザンスミレの葉っぱよりもっと細くて華奢なのでヒゴスミレ。
例えると、海藻サラダの一番細いやつって感じ。
もしかしたらこれはゲンジスミレ?
初めて見たかも。
ヒトリシズカ群生。
アカネちゃんは茎も毛むくじゃらだね。
毛無山山頂直下でたくさんのアカネスミレに励まされる。
快晴の毛無山
不規則な九十九折れが終わると。
やった、毛無山だぁー。
ゆっくりだけど登って来られたよ。
汗びっしょり。
快晴の毛無山(1500m)。
過去に何度か計画したけれど、なかなか登ることができなかった山。
後から別のカップルが登頂されすぐに出発された。
*ひだまりランチ*
冷凍の味噌豚を焼いただけのカンタン味噌豚丼にゆで玉子を添えて。
豚肉の下には玉ねぎともやし炒めが敷き詰めてある。
温かい麦茶とともに。
手作り弁当持参は時期的にそろそろ終了かな。
でも、この景色を眺めながらの味噌豚丼はとても美味しかった~。
毛無山山頂のフジザクラは終盤。
ここで指なしグローブを装着しておく。
いくつものアップダウンを経て八ヶ岳
では、十二ヶ岳へ向けて出発。
毛無山からまもなく一ヶ岳。
ミツバツツジがキラキラ。
素晴らしい富士の展望。
センボンヤリがぽつりぽつり。
どんな小さい花でも見つけると嬉しい。
おっ、あれが十二ヶ岳か。
まだまだ遠いな。
こんな岩場は序の口。
山の斜面にエイザンスミレ。
色が濃いめのエイザンスミレ。
風に揺れて傾いちゃってる。
大好きなフモトスミレも。
ゆっくり登り花を見ては立ち止まる。
ツルキンバイかな~。
未だによくわからない。
アカフタチツボスミレに会えるとちょっと得した気分。
ここでもフジザクラが見られた。
地味な花だけど、目が慣れてくると次々見つかるようになる。
花弁裏側のワインレッドがおしゃれ。
出た、八ヶ岳。
クモイコザクラの大合唱♬
ん?あれは…。
九ヶ岳までくると、お目当てのお花がいよいよご登場。
ピンクの花が斜面にぽつりぽつり。
かっ、可愛い~~~♥♥♥
どうしてこんなに可愛いんだろう。
淡いピンク色の子。
咲き始めは色が濃い。
葉は小さいのに花の直径が3cmくらいの個体も。
中心部に5本の雄しべがあるので雄花。
斜面にうわーっと。
この子もデカイ!
山肌を埋め尽くすピンクの花。
なかなか足が前に進まない。
ここですれ違ったご夫婦が「あっちにもっと咲いてますよ」と教えてくれた。
十二ヶ岳へはこの急坂をよじ登る。
岩の隙間に咲くクモイコザクラ。
「ツピチツピチツピチ…」
短い冠羽(頭の毛が逆立ってる)、後頭部に白い部分があるからヒガラちゃん。
険しい岩場が続く。
病み上がりで登る山ではない(笑)。
目の前に現れたラスボス十二ヶ岳。
ずっと左側で富士が応援してくれる。
すごく小さいけどこれもハルリンドウかな。
もし渋滞していたら時間がかかりそうな激下り。
今日は誰もいなくてよかったわ。
ご褒美にクモイコザクラが待っててくれた。
すごいすごい!
こちらは中心部から1本の雌しべが飛び出しているので雌花。
湿った岩の間にも。
クモイコザクラがみっしりと。
よくこんな過酷な場所に咲くよね。
高い場所に咲いてる子をズーム。
“ひとりずつ渡れ”の橋をなかなか渡れないのは、こんな斜面にお花が満開だから。
橋を渡り岩場を登って振り返ったところ。
涼しい風に吹かれて一休み。
今度は可憐な白いスミレが群生してる。
このシンプルさが素敵。
登山道の途中でも単体で咲いているのは見かけた。
葉が展開しないでくるんと丸まっているのが特徴。
一日で色んなスミレを見ることができて感激。
黒いベレー帽を被って、嘴の下の黒い部分が小さいのでコガラちゃんかな。
ラスボス十二ヶ岳へ
険しい登山道がやっと平坦になった。
桑留尾分岐の看板が見えてホッとする。
十二ヶ岳はすぐそこ。
やっとのことで十二ヶ岳(1681m)に到着。
少し風はあるけれど、午後になってもお天気が持ってくれてありがたい。
ウィンドシェルを羽織っておやつタイム。
ローソンのバターどら焼き、パンケーキみたいで美味し。
食べ終わった時ちょうどご年配男性が登頂されたので、少しお話してから下山にかかる。
桑留尾までの激下り
十二ヶ岳からの下山中も狂喜乱舞。
木の幹の間から顔を出すクモイコザクラ。
この子も3cmくらいあるよ。
クモイコザクラありがとう。
無理かなと思ったけどやっぱり来てよかったわ。
こんな細尾根を下る。
岩の陰に咲く逞しい花。
スルーできない可愛い葉っぱ。
白い花がひっそりと。
またまたセンボンヤリ。
今日はたくさん会ったね。
オオカメノキ。
夕陽に輝くアセビ。
ヒガラちゃんにまた会えた。
元気でね。
おぉ、ヒゴスミレ。
視力悪いのによく見つけるなー。
アカネちゃんもいる。
ふと見ると、新品同様だった指なしグローブがボロボロに。
風に揺れるクロモジ。
美しい新緑に見とれてしまう。
下山路が予想以上に激下り続きで神経を遣った。
無事に十二ヶ岳登山口へ。
十二ヶ岳登山口(桑留尾BS前)のすぐそばにあるいずみの湯。
もう少し早く下山できたら寄ろうと思っていたが、16時台バスの時間が迫っているため中止。
【HAMAYOUリゾート・いずみの湯】
山梨県南都留郡富士河口湖町西湖987
https://www.hamayouresort.com/spa_top/
●基本的に土日祝のみの営業(営業日カレンダー参照)
●クーポン提示で100円割引
●レストラン休業中
河口湖行きの西湖周遊バスに乗るため十二ヶ岳登山口BSへ。
隣の桑留尾BSから歩いて2分くらい。
毎時18分発車の予定が数分遅れてやってきた。
帰りのバスも既にぎゅう詰め状態。
目の前にキャンプ場があるので日にちに余裕があったらテント泊もいいかも。
西湖周遊バスは桑留尾BSには停まりません
すぐ隣に十二ヶ岳登山口BSがあるのでそちらへ
渋滞のためかなり遅れて河口湖駅に到着。
1本前の電車に間に合えば、30分以上待ち時間が発生する大月駅でほうとうを食べて帰る予定だった。
(次の電車だと接続がよすぎて大月でトイレに行く時間もなし)
何しろ外国人観光客でごった返しているので、店舗での夕食は早々に諦め再度コンビニへ向かう。
英語、フランス語、韓国語、中国語、インドネシア語などが飛び交う観光地。
待合スペースにて山梨限定おにぎりとななチキを食べて時間をつぶす。
胃が小さくなったのか以前のようにたくさん食べられなくなり、目が欲しくて買った苺サンドは持ち帰り。
河口湖ホームからの富士山。
新宿まで高速バスを利用するほうが安いけれど、GWで大渋滞は避けられないと判断し素直に電車で帰宅することに。
もしかしてユウシュンラン?
この白い子は花名が判断できない上、ギンランではない可能性があるため別個に掲載します。
蕾の状態。
草丈はとても小さく5cmにも満たない。
普通に歩いていたら気づかないほど小さい花。
最初、チビッ子のギンランかと思ったけどあまりに小さすぎて。
めちゃくちゃ可愛い。。。
ユウシュンランを見つけることができるとはラッキーだ。
最後に
体調不良で休みをとっていた直後の登山なので、足取りが重く厳しい場面があったのは当然のこと。
正直、病み上がりで毛無山から十二ヶ岳への縦走はオススメしない(笑)。
それでも満開のクモイコザクラが笑顔で迎えてくれた時には、我を忘れてお花を撮りまくる。
クモイコザクラの開花タイミングはバッチリ!
初めて見る花もいくつかあったので、日にちをずらさず4月下旬に十二ヶ岳まで縦走できてよかったと思う。
心身ともにデトックスできる環境を知っていることはかなりの強みになるはず。
何が起きようとも私には山があるから大丈夫!
そんな山の愉しみをつくづく感じられる一日となった。
*クモイコザクラ*
サクラソウ科サクラソウ属
コイワザクラの変種とされているが個体差があり判断が難しい
本州の秩父山地、八ヶ岳、南アルプス、富士山に分布するとされている
個人的にはそのエリアに咲く花をクモイコザクラと記載する
<次回予告>今年初のテント泊山行