梅雨入りしてからぐずついた天気の日が続き、前回の八ヶ岳テント泊から1ヶ月半も経過してしまった。
私事ですが、10年間働いた会社を辞める際、沢山残っている有休と公休を合わせて6月下旬から7月末までたっぷり休みを頂いた。こんな長期の休みはそうそう取れないので、山に行きまくるぞー!なんて思っていたのに。。。“取らぬ狸の皮算用”とはこのこと?
去年は悪天候にて諦めた風吹大池。でもワタスゲの小径を歩くなら今しかない!そこで、テント泊はやめ梅雨でも楽しめるプランに変更し、温泉とご馳走を満喫してきました。
- テントはやめて小屋泊にする
- 温泉と食事に重点を置く
- 梅雨時期に咲くお花を愛でる
- 無理にピークは目指さない
- 2日目も雨なので初日に標高を下げておく
アクセスについて
栂池高原に下山した記憶はあるけどいつだっけ?と過去レコを遡ってみたら、2014年8月の白馬岳の時だった。なので実に5年ぶり。
今回は栂池高原から風吹大池を巡り、蓮華温泉に下りて寛ぐプラン。ピークは踏まない山歩き。晴れなら風吹山荘にテントを張る予定だった。
バスタ新宿23:05発の夜行バスにて翌朝5:55栂池高原バス停。栂池パノラマウェイ始発がB期間の土日祝は6:30なのでこの日に決行。
[ハイウェイバス ドットコム]
便の予約・変更・取消・カード決済・ケータイ乗車券、スマホひとつで完結できるので便利

持参したパンと山専ボトルでカフェオレを淹れ、ここで簡単な朝食を。
[栂池パノラマウェイ]
https://www.nsd-hakuba.jp/green/tsugaike/panoramaway.html
A~E期間と曜日によってロープウェイ、ゴンドラの運行時間が異なります
栂池ゴンドラリフト「イヴ」6:35発(乗車時間20分)~徒歩3分~栂池ロープウェイ7:20発(乗車時間5分)で片道1920円。
モンベル・JAF会員は、往復割引あり
栂池パノラマウェイ+栂池自然園入園券(約10%割引)
大人(中学生以上) 3,600円→3,220円
自己CT
[1日目]
07:27 自然園駅
07:33 栂池ヒュッテ
07:34 登山道入口
08:30 水場道標
08:58 天狗原ベンチ 09:09
09:15 千国揚尾根分岐
09:22 千国揚尾根・風吹大池3時間看板
10:45 倒木で小休止 10:48
10:50 風吹大池あと3㎞道標
11:58 笹目尾根分岐
12:08 風吹大池周遊路分岐
12:32 神ノ田圃分岐
13:02 風吹山荘・北小谷・北野分岐
13:04 風吹山荘 13:05
13:20 風吹大池周遊路分岐 13:30
13:37 笹目尾根分岐
15:41 風吹大池入口バス停
16:08 公衆トイレ
16:12 蓮華温泉
[2日目]
07:48 蓮華温泉
07:53 蓮華温泉バス停
たくさんのお花たち
自然園駅からスタート。



















大勢のハイカーがここで一休み。
あまりに強風で白馬岳の登頂を断念し戻ってきたというパーティにお会いした。




湿原の中を歩いて風吹大池へ



木道があるうちは快適。途中からなくなって、湿原の中を歩く形になる。


ちょこっと晴れ間も出たりして、「テント持ってくればよかったかな?」なんて思ったのもつかの間。







下から登ってきた数名とのすれ違い待機中。




ここまでに3パーティほどとすれ違った。









蓮華温泉方面はここから。とりあえず、風吹大池方面へ。



どこまでも、こんな木道が続くものと思っていた。。。尾瀬みたいに。
山道アップダウンの周回ルート
周回ルート分岐から右回りに木道を進むと。タテヤマリンドウ。


木道は消え、いつしか山道になってくる。しかも、濡れているので滑りやすい。

神ノ田圃分岐の辺りは岩ゴロゴロで羽虫が多い。





晴れの日に、ここにテントを張りたいなぁ。
宿泊者と思われる数名と風吹山荘近くですれ違う。私がこれからどこへ行くのか不思議に思われただろうな。
[風吹山荘]
https://kazabukisansou.jimdo.com/

ワタスゲロードを歩いて
山荘から山道を登り返して、やっと先ほどの周回ルート分岐地点へ戻る。

幸いなことに霧雨のような雨が降ったりやんだりで助かった。大雨だったらもっと大変だっただろう。




この後の笹目尾根については、気持ちに余裕がなくなって一切写真なし。(=_=)

千国揚尾根と同じく滑りやすい土でぬかるんだ箇所が多い。緩いアップダウンを何度か繰り返す。
転倒しないように常に気を張って歩くので、精神的な疲弊と足のダメージがじわじわと。靴がぬかるみに何度も埋まって泥だらけ。
風吹大池(千国揚尾根・笹目尾根)はぬかるみが多いので雨天に限らずゲイター必携

笹目尾根分岐から2時間。この風吹大池入口バス停が見えた時は心底ホッとした。
雨脚がすこし強まったような。「あと30分」「あともう少しで温泉に入れる」それだけを考えて淡々と足を進める。


やっと辿り着いた蓮華温泉



受付にいらっしゃった若旦那さん。事情を話すと「それは大変でしたね!」と労ってくださった。ザックと雨具を拭いてからお入りくださいと全員にタオルを渡される。





登山道から割と近いことに怖気づいて、ズボン裾をめくって足湯だけ。湯温は適温。

こちらも適温。迷ったけれど思い切って肩まで浸かる。気持ちいい~。結局は誰も来なかった。(;^_^A


一番高い場所にあるので女性でも心配無用。湯温はちょうどよく、一番リラックスできゆっくり入っていられた。解放感がたまらない。

湯温はとても低いので、足湯だけにしておく。
宿に戻ると「この雨で野天に行かれる人はなかなか居ない」と若旦那に笑われてしまった。(^^ゞ
[今回の失敗]
- ゲイター、着替えのズボンを忘れた→乾燥室で乾かす間、若女将よりジャージをお借りでき助かりました。ありがとうございます!
- ハッカ油も忘れた→ブヨ以外の羽虫なので刺されることはなかった
- 風吹山荘は見学のみでよかった→周回は1時間以上かかるので時間に余裕がある時だけに

トンカツ(ふきのとう味噌)、大ヨモギの天ぷら、シュウマイ、トマトとキャベツの千切り、煮物、刺身こんにゃく、胡瓜の松前和え、具沢山の味噌汁、美味しいお米、デザートは笹団子。葉っぱの箸置きが可愛い。
本当に美味しかったわー!ごちそうさまでした。
秋田県からはるばるやってきた単独女性と同室になり、東北のお山のお話をして楽しいひとときを過ごした。ありがとう!

夜間は熱すぎて水を足しながら入る。翌朝6時すぎは、快適な湯温でちょうどよかった。内湯は広々してやはり気兼ねなくリラックスできる。
私は足の筋肉痛が既に出始めて疲れ切っていたし、彼女は早立ちなので、2人とも消灯前に寝入ってしまった。

朝日小屋に向かうため早朝5時に出発された。いいなぁ、朝日小屋。無事に着いたかな。



乾燥室のウェアは翌朝カラカラに乾いていた。ただし、靴の持ち込みは禁止。

シンプルだからこそお米の美味しさが引き立つ。朝はたたき梅を添えてもう一膳、味噌汁もおかわりした。
朝食後、野天風呂に次々と向かう宿泊者さんを部屋の窓からお見かけする。昨日入っておいてよかったわ。

[白馬岳蓮華温泉ロッジ]
夕食・朝食付き一泊 10000円(税込)
http://rengeonsen.main.jp/index.html
若旦那さん若女将さんのお人柄がとてもよく心身ともに癒される。
もちろん温泉もいいし、夕食は想像以上にボリュームがあり美味しかった。さすが米どころ、何しろお米が旨い。大満足!
- 野天風呂は脱衣所がないので女性はちょっとした覚悟が必要かも?
- 内風呂はシャンプーとボディソープあり、ドライヤーなし、タオルは持参してね
- 部屋のコンセントは使用不可


[糸魚川バス・白馬岳登山バス蓮華線]
http://www.marukei-g.com/files/libs/1772/201806011106478674.pdf
蓮華線は7/13(土)~10/14(祝)までの期間限定運行
蓮華温泉バス停までは目と鼻の先。たった4~5分。

日祝の8:10発のバスは大混雑するので早めに来て正解。どんなに混んでもバスの増便はないそうだ。カーブの多い道を1時間以上も立ち続けることになる。


因みに、平岩駅から糸魚川までは電車(410円)のほうが安いけど、この時間帯はそもそも電車が来ない。8:01発の次は10:26発。公共交通機関利用者は糸魚川まで乗るのがベスト。


『闇冥 山岳ミステリ・アンソロジー』選:馳星周(ヤマケイ文庫)
“人間が心の奥に抱える深い闇”を描いた大人のための山岳小説。最近読んだ中では久々の大ヒットな一冊。やはり一番怖いのは人間なのだ。
最後に
どんなに大変な思いをしても山行が終わる頃にはすっかり忘れて、嬉しかったことや楽しかったことだけが刻み込まれているのは何故だろう?
味わった苦しみが別の形に昇華されていくような。

山行の前日にたまたま寄った場所で見かけたポット苗。斑入りのポーチュラカは初めて見た。もうね、一目惚れ状態。
「今日、入荷したばかりなんですよ。私も(仕事)帰りに買って帰ろうと思って(笑)」と花屋のスタッフさん。商売上手だな。
新潟から帰宅してベランダに出てみたら2輪だけ開花していた♪
ほんの小さなしあわせの積み重ねに気づいて感謝する。それが自分を変えていくきっかけになる。
本当にやりたいことは何なのか?誰と一緒にいたいのか?自分の気持ちは騙すことができない。

