かねてより登ってみたかった一切経山。
碧色に輝く“魔女の瞳”をこの目で見てみたい。
浄土平からならそれほど時間がかからず登頂できるはず。
過去には福島駅から浄土平までバスがあったようだが、週末限定ということで訪れる機会がなく諦めかけていた。
やっとチャンスが巡ってきたらそのバス自体が既になくなっていて。
バスがあるうちに休みを取っておくんだった…と後悔しても後の祭り。
最後の手段としてレンタカーを利用するしかないが、会員になっているニコレンは福島駅周辺のどの店舗でも週末の予約が入っており断念。
1軒だけナビがない車は空いていたけれど。
それなら一切経山は平日に行くしかないと仕切り直し。
中央アルプスでテント泊の予定を組んでいた平日2連休は、両日とも雨マークがついていて予約ができないまま日にちが経過。
このテン場は週末は早々に埋まってしまうため平日がいいけれど、今年初のテント泊で雨は避けたいところ。
そして、東北の予報が少しだけよかったので急きょ一切経山に出かけることに。
アクセス運賃が多少安くなる夜行バスのプランも考えたが、ニコレンの開店時間まで持て余してしまうのと他の事情により往復とも新幹線利用とした。
往復のアクセス
[往路]
06:10 上野よりやまびこ51
07:37 福島
**福島駅東口よりニコレン店舗まで徒歩約10分**
08:05 ニコレン福島天神町店を出発
09:13 浄土平
【ニコニコレンタカー】
[復路]
13:25 浄土平を出発
13:55 高湯温泉 あったか湯 14:45
15:20 ニコレン福島天神町店
**徒歩約10分**
15:51 福島よりやまびこ60
自己CT
09:26 浄土平
09:38 分岐
10:10 鎌ヶ池分岐
10:13 酸ヶ平避難小屋 10:15
10:26 一切経山まで0.6㎞道標
10:50 一切経山 11:00
11:06 一切経山まで0.6㎞分岐
11:24 酸ヶ平避難小屋 11:26
11:43 分岐
11:52 姥ヶ原 11:53
12:20 分岐
12:30 浄土平 13:25
レンタカーでるんるん♪
「あっ!カメラ持ってきてない!!」と気づいたのは電車の中。
でも今さら家に引き返す訳にはいかず…。
ショックで思わず家族にLINEを打ったほど。
先月やっと諸々の設定を自力で完了させたiPhoneしかない。
長年android利用者だったので人生初のiPhone(SIMフリー)。
あまりの面倒くささに放置していた期間を含め苦節2ヶ月(笑)。
私のような情弱でもなんとかなった。
そして8月頭からは念願のアハモにプラン変更。
福島駅に降り立ったのは初めてだったっけ?
駅前には大きなビルやマンションが林立し道路も広く、想像以上に栄えた街でビックリ。
ニコレンさんには各地でいつもお世話になってます。
ここから福島天神町店まで徒歩10分くらい。
【福島市観光ノート・磐梯吾妻スカイライン&浄土平完全ガイド】
https://www.f-kankou.jp/pickup/14683
細いくねくね道を過ぎて浄土平が近づくと、このようなダイナミックな景観に。
後続車がいないので車を停めてパチリ。
ただし、停車禁止区間があるのでご注意を。
今日の相棒はN-BOXくん。
山だとなぜか運転が楽しいことに気づいた。
昔に比べてハンドルは軽いし運転しやすいからかな。
浄土平に到着した9時すぎはまだ車が少なくガラガラ。
乗用車は1日1回500円。
酸ヶ平避難小屋を目指して
一切経山は福島県福島市と猪苗代町との境にある吾妻連峰の一座。
その昔“空海和尚”が一切経という経典を山中に埋めたことが名前の由来。
今でも噴気を上げ続ける活火山ではあるが、噴火警戒レベルが1まで下がったため現在は浄土平から登山可能となっている。
陽射しと青空が申し分ない登山日和とこの時点では思っていた。
【浄土平ビジターセンター・浄土平散策コース】
https://www.npfj.or.jp/joudo/vc/
スタッフさんに確認すると、ビジターセンターの裏手に登山道があるという。
歩き始めると湿地帯にたくさんのウメバチソウ。
でも、iPhoneカメラだと上手く撮れない…。
オトギリソウもボケボケで掲載できず。
最初に出てくる酸ヶ平・鎌沼分岐を右へ。
下山後は鎌沼を経て左の道からここへ戻ってくる。
こんな坂道をゆっくりと。
陽射しが結構あるから暑い。
シラタマノキがそこかしこに。
ふっくらとした白い実が可愛い。
ヤマハハコもそこらじゅうに咲いてる。
クロマメノキを2~3個摘みながら。
すると急に空が暗くなってきて小雨がパラパラ。
さっきまでの青空はどこへ?
雨具を着るほどではなくそのまま歩いているとすぐにやむ。
前方に避難小屋らしき建物が見えテンション上がる。
酸ヶ平避難小屋。
団体さんが登山道で休憩中だったので道を空けてもらう。
室内は帰りに拝見すればいいや。
ガスガスの一切経山*魔女の瞳
団体さんは遥か後方にいて、私の前後には誰もいないという一番好きなパターン。
暫くはこんなザレザレの急坂。
左手の藪に野鳥の気配を感じるが姿は見えず。
一切経山まで0.6㎞地点。
前方に見える禿げ禿げの山がそうかな?
さっきのザレザレ急坂に比べると、斜度も緩やかになり歩きやすい道に変わった。
あともう少し。
一切経山(1948m)に到着。
風がビュービューと強く、また雨がパラパラ降ってきた。
風に飛ばされないよう気をつけてパタゴニアフーディニを羽織る。
山頂標の側にハイカー数名がいたので後ほど改めて。
五色沼ビュースポットへ向かうがあたり一面ガッスガス。
立ち尽くしていると、ほんの一時だけ陽が射してくれた。
おぉぉ!
これが魔女の瞳かぁ。
ちょっと陽が射しただけでもこんなに綺麗なら、晴れの日はさぞかしお美しいでしょうね。
いやいや、一瞬でも魔女の瞳にお目にかかれてよかったよ。
時間があったら湖畔に下りてみるのもいいかも。
五色沼の左手に見える山のガスが晴れてきた。
さて、ザレザレ道を登り返して山頂へ戻ろう。
再び一切経山(1948m)へ。
誰もいない山頂で愛用のザックと一緒にパチリ。
いつしか小雨はやみ陽が射している。
山頂標の下にどなたか山グッズをお忘れの様子。
何しろ風が強くてガスガスなので長居無用。
浄土平ランチ&高湯温泉という次の目的があるし。
下山開始すると吾妻小富士が左手に。
名前の通り富士山みたいだ。
お鉢周りができるようでぐるりと登山道がついている。
う~ん、どことなく宇宙っぽい。
鎌沼トレッキング
下山中にまたパラパラと小雨。
パタゴニアフーディニで凌げる程度ですぐにやんだ。
ザレザレ急傾斜のあたりは、酸ヶ平湿原の見晴らしがよく開放的な気分に。
黒い屋根の酸ヶ平避難小屋も見える。
帰りは避難小屋の先にある分岐を右折して鎌沼方面へ。
酸ヶ平避難小屋の室内はこんな感じ。
板の間は狭いが土間は広々。
隣にトイレあり(中は未確認)。
この木道、なんかワクワクするなー。
あれっ?
さっきより晴れてない?
一切経山と酸ヶ平避難小屋を振り返る。
鎌沼を半周するトレッキングコース、こちらもなかなか素敵。
姥ヶ原経由で浄土平へ戻れる。
さきほどの雨で潤ったオヤマノリンドウ。
うはー!
鎌沼越しの一切経山が素敵。
今頃きっと魔女の瞳もすっきり見えてるんじゃないかな。
あちらこちらに咲いていた白い花。
同定が難しいけどハクサンボウフウ?
おぉ、たった一輪だけ咲き残ったミヤマリンドウ。
一切経山頂のガスっぷりが嘘のように夏空が戻る。
東北らしい雄大な山容は東吾妻山。
どんどん歩いていくと姥ヶ原。
チングルマのお花畑が広がる6月にも来てみたいな~。
細い木道をテンポよく。
樹林帯に入るとマイヅルソウの実。
このあたりは日陰になってて涼しい。
ボケちゃったけどゴゼンタチバナ実。
アキノキリンソウも。
吾妻小富士が目の前に。
大穴火口から噴煙がもくもく。
一切経山が活火山ということを改めて思い知らされる。
ゆらゆら揺れるハナニガナ。
ところどころピンクなのはオンタデ(雌株)らしい。
もうすぐ浄土平。
川底がオレンジ色。
8月下旬になると山はもう秋の雰囲気が漂い始める。
「おかえりなさい」
風に揺れながらシロヨメナが挨拶をしてくれた。
浄土平レストハウス*浄土平らぁめん
次の目的は浄土平レストハウスでのランチ。
美味しくいただくために道中のスイーツは一切禁止にしていた。
【浄土平レストハウス】
お昼すぎの時間帯は観光客で激混み。
ハイカーは殆どいない。
食券を購入し呼ばれるまで席で10分ほど待機。
浄土平らぁめん(1000円)はあっさり塩味。
観光地価格なのはさておき、汗かいたあとのらぁめんは最高。
青いスープの商品は視覚的に無理でトライせず。
ごちそうさまでした!
食後はもちろん残雪バニラソフト(400円)。
甘さ控えめの濃厚なバニラ、黒いコーンがサクサクで美味しかった。
食べ終わって外に出ると、ものすごい車の数とこのドピーカン。
「なんだよ~~今頃こんなに晴れちゃって」とは私の心の声。
午後から晴れる予報ではなかったはず。
よくも悪くも山の天気は来てみないとわからない。
左の建物は浄土平ビジターセンター。
日本のアリゾナに感嘆しながら高湯温泉へ
ではお次の目的地、高湯温泉へGo。
なにこれっ!
岩肌がむき出しになったこの山容は。。。
“日本のアリゾナ”と称されるのも頷ける。
行きでは見えなかった景色に息をのむ。
後方に車がいないので一時停止してパチリ。
いや~、やっぱり来てよかったわ。
【高湯温泉 あったか湯】
http://www.takayuonsen.jp/attakayu/
高湯温泉 あったか湯で日帰り温泉(大人250円)。
磐梯吾妻スカイライン沿いにあるので入りやすい。
ちなみに、福島駅から高湯温泉までは路線バスがある。
気に入ったのはお湯のよさと露天風呂の解放感。
うっすら白濁していて40度前後の湯温もちょうどいい。
シャンプー・ボディソープは置いていないが持ち込みはOKらしい。
ドライヤーもなし。
だけど一回でファンになった。
次回も絶対ここに来ようと決めている。
無料の貴重品ボックスだけ使い、100円ロッカーは使わなかった。
カゴがあるだけの脱衣場へザックは持ち込み。
最後に
初めての一切経山は想像以上に素晴らしかった。
荒涼とした景観はまさに日本のアリゾナ。。。
また、東北らしいなだらかな山容と湿原が広がる癒しの山。
短時間で登頂できるので初心者にもオススメできる。
公共交通機関がないのはとても残念だけれど。
季節を変えてぜひまた訪れたい山となった。
高山植物が豊富な6月に来てみたい。
できることなら車の運転を避けたい私が、レンタカーしか選択肢がない時。
いざ山へ行くとなると運転が楽しくてしょうがない。
それがとても不思議に思える。