ひょんなことから知った“丹沢馬蹄形”ルート。
健脚でもない私がこういうキツイ行程を歩きたくなる理由は自分でもわからない。
好奇心が強いからという一点に尽きる。
もくじ
往復のアクセス・トイレ情報
[往路]
07:18 小田急小田原線にて新松田(着)
07:30 新松田よりバス
07:58 寄BS(520円)
[復路]
16:55 寄BSよりバス
17:16 新松田
17:34 新松田より小田急小田原線(発)
※バスのチケット販売所は平日は7:45~
この日は時間前で往復割引券は購入できず
【富士急湘南バス】
http://www.syonan-bus.co.jp/rosen/
PASMO、Suica利用可
<トイレ>
●寄BS(運動公園グラウンド)
●各山荘
●水源林管理棟
コース状況/危険箇所等
●寄~くぬぎ山
林業の作業道にもピンクテープあり
判りにくい箇所あり要注意
荒れた下り坂は間違い
(去年は舗装道路を歩いたがそこなら問題なし、今回は茶畑の横を通り別の道を歩いたようだ)
●蛭ヶ岳~檜洞丸
足場の悪い急傾斜が続く
コイワザクラがいっぱい♪
●同角ノ頭~大石山
白ザレの急傾斜が続く
●大石山~ユーシンロッジ
溜まり落ち葉の急傾斜が続く
最後まで気を抜けない感じ
●雨山峠~水源林管理棟
靴が濡れない程度の渡渉あり
増水時は要注意!!
“対岸へ渡る”を数回繰り返すが
渡った先には必ず黄色い道標や梯子があるのでそれに従う
自己CT
[1日目]
08:07 寄バス停
08:59 “登山道不明瞭”貼り紙
09:26 鉄塔
09:30 分岐 09:31
10:20 櫟山(くぬぎやま)
10:41 栗ノ木洞
11:03 後沢分岐
12:39 鍋割山 13:03
13:36 小丸
13:48 小丸尾根分岐
14:02 大丸
14:17 金冷シ
14:42 塔ノ岳 14:43
15:15 日高
15:31 竜ヶ馬場
15:55 丹沢山 15:57
16:46 不動ノ峰
16:56 棚沢ノ頭
17:17 鬼ヶ岩 17:19
17:51 蛭ヶ岳山荘
17:52 蛭ヶ岳 17:56
17:56 蛭ヶ岳山荘
[2日目]
05:03 蛭ヶ岳山荘
05:03 蛭ヶ岳 05:08
06:25 臼ヶ岳 06:26
06:48 神ノ川乗越
07:16 金属梯子 07:19
07:20 金山谷乗越
08:07 青ヶ岳山荘
08:11 檜洞丸 08:16
08:32 ツツジ新道・石棚山稜分岐
08:41 ユーシン分岐
09:40 同角ノ頭 09:43
11:03 大石山 11:06
11:24 大石 11:26
12:06 ユーシンロッジ 12:30
12:34 分岐
12:45 雨山橋手前分岐
13:33 雨山峠 13:39
14:19 釜場平
15:05 登山口
15:15 水源林管理棟
15:40 寄バス停
1年越しの計画書
あれはちょうど1年前、beeline さんとのコメントの中で“丹沢馬蹄形”なるものを知る。
馬蹄形と呼ばれるルートはどこも厳しいのはわかっていながら興味津々。
<beeline さんアドバイス>
●真夏を除いた日の長い時期であること(梅雨入り前の初夏がベスト)
●迷いそうな水源林管理棟から雨山峠をあらかじめ歩いておくこと
この記事の一番最後にbeeline さん作成のジオグラフィカのトラックログ(歩いた軌跡)を掲載しています
丹沢にお詳しいbeeline さんがアドバイスをくださり、更に、私の歩く速度や都合を充分に考慮した計画書まで作成してくださった。m(__)m
すぐに雨山峠経由のルートを歩いてみたのは言うまでもない。
天候と休みがなかなか合わず日にちが過ぎていく。
昨年の秋(2連休)に打診するも、日没が早い季節はやはり避けるべきとのアドバイスを頂いた。
無理に強行すればbeeline さんにご迷惑をおかけしてしまうので、諦めるしか選択肢はない。
後ろ髪を引かれる思いで断念した経緯があり1年越しの実施となる。
結果的にはこの時期で大正解だった。
スタートでの躓き
寄バス停をワクワクで出発する。
この花大好き。
アカバナユウゲショウ。
ハルジョオンも外せない。
わー、セリバヒエンソウ。
路肩にいっぱい。
私の中では花の宇宙人。
道端に咲いているお花に早くも捕まり、なかなか前に進めない。
高いところに咲いてる藤。
手を伸ばして。
妙に色っぽいツツジが。
この先から間違えて作業道に入ってしまった。
しかも、くぬぎ山までのルートで判りにくい場所があり林業の作業道を下ってしまう。
ピンクテープはあるけれどこれはさすがに違うでしょ!と気付き途中で登り返し。
うぅ、4Lの水が重くのしかかる。
この頃はまだジオグラフィカを使いこなせていなかったんだなぁ…と記録を書きながら不思議に思う自分がいる
トラックログ通りに歩いていれば、道をそれた場合は色が変わるのでちゃんとわかるようになっています!!
何やってたんだか…(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
ふぅ…この時点で既に9:30。
せっかくバスが早く到着する平日に設定したのも無駄になるような結構なロスタイム。
あらら、またやっちゃったよ。(-_-)
おっちょこちょいな自分に落胆しながらも気持ちのいい初夏の風と青空、たくさんのお花に元気づけられ前に進む。
ピンクでも微妙な色ちがいのヤマルリソウ。
くぬぎ山~栗ノ木洞~鍋割山
明るい尾根に出た。
10:20 やっと、くぬぎ山。
昨年、くぬぎ山から寄への下山路で踏み跡が途切れた別の箇所についても、だいたいどの辺で間違えたのか納得できてすっきりした。
栗ノ木洞 10:41、時間がおしている~~。
この時点で50分の遅れ。 (;´д`)
可愛いピンクと青のコンビ。
11:03 後沢乗越。
数名に抜かされる。
一瞬、シロヤシオかと…。
エイザンスミレは美しい。
鍋割山荘に到着。
水はあるけれどジュースが飲みたくて珍しく購入。
馬蹄形なんて私には無理じゃないの!?どこかでエスケープ!?
とりあえず、ランチにしよう。
焼豚炒飯おにぎり
豚汁(アマノフーズ)
バニラヨーグルト・マスカット
普段は飲まない炭酸飲料
鍋割山頂(1272m)にはランチ中の登山者が大勢。
塩分と水分を摂るとかなり回復したので、塔ノ岳まで行ってみることに。
塔くんのいない塔ノ岳
鍋割山から少し歩いたところ。
あっちまで行くんだよね。
この辺りがスミレロードになっていて、あちらこちらから語りかけてくる。
いつも同じ場所にいるね。
ツルシロカネソウ。
花茎と葉が緑色でなく紫を帯びた褐色なので、ツルシロカネソウのようだ。
こんなんで蛭まで行けるのか…。
フデリンドウも咲いてる。
美人だよねエイザンさん。
時間がないのに誘惑を断りきれない。
淡い青のキクザキイチゲ。
金冷シの辺りから、胸が熱くなり涙が止めどなく溢れてくる。
塔くんがいない塔ノ岳を想像しただけでもう堪らなくなってしまう。
「塔くん。。。」
金冷シから涙が止まらない。
・゜・(つД`)・゜・
塔くんとのふれあいを思い出し、歩きながら号泣。
幸いなことに登山者は殆どいない。
誰かとすれ違う時は汗を拭くふりをする。
猫ベンチに直行するがやはりいない。
「塔くん…」一言、呼ばずにはいられない。
頭では解っているのに心は正直。
塔くんロスがこんなに深いとは自分でも予想外だった。
塔くんも見ていた表尾根方面。
塔くん元気かな。幸せかな。
ある程度泣いたらすっきりして、予定していた尊仏山荘にも寄らずそのまま丹沢山へ向かうことに。
14:42 塔ノ岳山頂(1491m)。
オーナーさんにご挨拶するつもりだったが、こんな時間に「馬蹄形」だなんて口が割けても言えないもん。
ご心配かけてしまうから。
塔ノ岳で1時間半の遅れ。
じたばたしてもしょうがない。
コイワザクラと蛭ヶ岳山荘の親父さん
塔ノ岳より下り始めてすぐに白いお花を発見。
純白キクザキイチゲ。
あー!
道中、ひっそりと咲く可憐なコイワザクラに出逢い狂喜乱舞。
そうそう、今日はこのお花を楽しみに登ってきたんだ。
ただ黙々と進む。
桜に癒され。
15:56 みやま山荘。
そうだ、ここは圏外だったっけ。進むしかない。
ちょっとぼってり目、コイワザクラ界の塔くん。(^o^;
そうかと思えばこんなスリムな子も。
あと約2時間がんばろう。
抹茶羊羮チャージ。
丹沢山を振り返り。
また振り返る。
遅れは1時間に縮まる。
ここにもいた!
可愛いね!
コイワザクラ3姉妹♪
棚沢ノ頭付近のみ、何故か電波が繋がった。
山荘に電話するも通話できず切れてしまう。
その後また圏外となり不通に。
蛭ヶ岳とねじれの木。
別名〇〇〇の木。
鬼ヶ岩の辺りにもコイワザクラ群生。
彼女らをスルーして山荘へ急ぐなんてできない。
ヤマレコのプロフ画像。
蛭ヶ岳山荘の管理人さんに依頼されコイワザクラの画像を何枚か差し上げた。
“登山者へのお知らせ”の後に流れる景色特集モニター画面で見られます。(*^-^*)
蛭ヶ岳山荘より管理人さんの声が聞こえる。
私の姿が見えていたらしい。(^-^ゞ
もう少しだよ。
コイワザクラに励まされ。
蛭ヶ岳山荘の真下で振り返る。
ひー、遠かったなぁ。
17:51 蛭ヶ岳山荘。
蛭ヶ岳山荘に到着したのはもう18時近かったが、何と管理人さんは温かい拍手で迎えてくださって感激。
(寄からスタートするため遅くなるのは事前に伝えておいた)
いずれにしても、だいぶ遅くなりました。
申し訳ありません。 m(__)m
…なのに「先に山頂行ってきて」って。
なんて優しい管理人さん。 (*ToT)
蛭ヶ岳(1672m)登頂。
寝床のある部屋の窓から見えた夕陽。
春夏の夕食はレトルトカレー。
ご飯はお代わり可。
今日が初登山だという23歳のお兄さんともすぐに打ち解けた。
焼山から蛭ヶ岳しかも泊まりとはずいぶん渋いチョイス。
気さくな管理人さんと一緒に消灯直前まで楽しい語らい。
GW中は1日100名近くものハイカーが押し寄せたそうだ。
本日は単独者4名の静かな夜。
夜景がとても綺麗。
山小屋(避難小屋含む)の宿泊で朝まで一度も目を覚まさなかったのは、恐らくこれが初めてだと思う。
[蛭ヶ岳山荘]
今の管理人さん(東城さん)はすごい!
パワーポイントで山小屋案内を作ったりBGMを導入したり
トイレが匂わないよう工夫したそうだ
今までの山小屋にはないセンスを持つ
バイタリティー溢れる親父さん (*^^*)
水場はなし
ペット水500ml 500円
1泊夕食のみ 6000円
山小屋でEnya が聴けるとは…管理人さんのセンスに脱帽。
Enya – Only time
この道がどこへ続いていくのか
今日という日はどこへ流れていくのか
答えを知ってるのは時間だけ
蛭ヶ岳~臼ヶ岳~檜洞丸
☆翌朝☆
夜明けまえ。
自炊室にて簡単な朝食。
唐揚げおにぎり(先に食す)
レーズンミルクパン
ブロッコリースプラウト
オレンジトマト
うずらの卵
カフェオレ
前日は加入道避難小屋に宿泊したという男性と自炊室でお話したが、山中湖まで歩いたことがあるらしい。
似たような人がいるんだなと思ったら可笑しくなってしまった。
自炊室の窓から見る朝焼け。
朝焼けと宮ヶ瀬湖があまりに美しく見入ってしまう。
管理人さんがストーブをつけてくださる。
ありがとうございます。
管理人さんお勧めの構図、みんなで真似っこ(笑)
早朝の蛭ヶ岳山頂。
紅富士にはならなかったけど。
山頂のアセビにもさよなら。
お世話になりました。
蛭~臼~檜の区間は初めて歩く。
けっこうな下りが待っている。
蛭ヶ岳~臼ヶ岳の間にも、コイワザクラがいっぱい咲いてる。
ピンクが濃いね。
ハート♡型の花びら。
臼ヶ岳の手前にこんな群生あり。
こんな岩場に咲く健気なコイワザクラたち。
ほんともう、すごすぎる。。。
あそこから下りてきた。
6:25 臼ヶ岳。
丹沢のベンチは大きいから好き。
お、なんかキュートなエイザンスミレ。
美人さん。
マルバスミレより小さくて花弁が尖ってる。
【追記】フモトスミレ、もしくはヒメヤマスミレ
私の気配を察知して逃げて行った日本鹿さんや茶色い四つ足動物まで愛おしい。
驚かせてしまったね。
私もビックリしたけど。Σ(゚Д゚)
こんな所を下りる。
7:20 ここが金山谷乗越らしい。
登って登って…。
苦手な青ヶ岳山荘はスルー(笑)
【追記】以前、「こんにちは~」と入店しただけなのに「なんですか」とひどい塩対応。
バッヂも何も買わず即退出。
女将は男性ハイカーには優しいらしいけど、そんな山小屋いらん。
だーれもいない檜洞丸。
8:11 予定より少しだけ早く着いた。
トレイルMIXオリジナル。
無塩ナッツ類にサルタナレーズンをプラス。
檜洞丸~同角ノ頭~大石山
檜洞丸よりガーッと下って。
どちらを通ろうかな。
生き残りのハナネコちゃん。
アップダウンを繰り返して。
早朝は閉じていたのが、だんだん開いてきた。
美しいタチツボスミレ。
ヤマレコで見た橋。
ここに下りてくるまでの白ザレの急傾斜にかなり神経つかう。
この橋は全く問題ない。
数は少ないけど、斜面に咲いていたコイワザクラ。
やっとお目覚めのコミヤマカタバミ。
長い鎖場を経て。
11:03 大石山。
誰もいなくて隠れ家的な雰囲気。
コンロンソウ、モミジイチゴが咲いている。
これが大石か。
ここからも、滑りやすい激下りが続くので慎重に。
ミツバツツジに癒され。
やがて、鉄製の橋が見えたらそこは。。。
ユーシンロッジの橋を渡ってから振り返ったところ。
やった~☆
ユーシンロッジの玄関前に、ムラサキサギゴケが群生している。
12:08 ユーシンロッジ。
誰もいないからど真ん中でランチ。
さて、もうひと頑張り。
新緑が気持ちいい桟道を歩いて。
ここから雨山峠までは緩やかな登りとなる。
久しぶりの雨山峠。
桟道経由の赤線が繋がったことが嬉しい。
おっと!ここで電池切れ…今回は写真撮りすぎた。
モバイルバッテリーで充電しながら下山する。
イワニガナ、別名 ジシバリ。
“沢をわたって対岸へ”
やった!無事に登山口。
時間が微妙だけど1本前のバスに間に合うかも?
「雨山峠まで、道迷い事故多発!」
「経験者向きの沢沿いコースです」
看板の通り、渡渉地点に橋はないため増水時は渡渉困難
目印がない箇所もあるので道迷いしやすい
しっかりした計画なしに安易に踏み込むことは危険です
八重のボタン桜が綺麗でついつい撮ってしまう。
あれーっ!?かろうじて15:40に着いたのに。
バスは何と既に発車していて、ローギアで坂道を登って行く後ろ姿が…。
じゃあいいよー!
秘密兵器出しちゃうもんね♪
栗どら焼き、温かい緑茶でのんびりと次のバス待ち。
お疲れさまでした!
番外編・ありし日の塔くん
☆☆ ありし日の塔くん ☆☆ 未公開画像
自分から私の膝に乗ってきてくれたよね! (#^.^#)
まさかこの日が最後になるなんて…(2016年12月19日)
塔くんありがとう!
幸せに。。。
最後に
beeline さんには緻密な計画書と的確なアドバイスを頂き、大変お世話になりました。
お陰さまで念願の丹沢馬蹄形を歩き通すことができました。
ありがとうございました!
改めましてお礼を申し上げます。
また、一泊でもキツイこのルートを日帰りで完歩されたbeeline さんご夫妻を敬服いたします。
一体どんなスピードであのような長距離と足場の悪いザレザレを歩いたんでしょうか。
超人としか思えません。
私を取り巻く全ての巡り合わせに感謝☆
この世はセレンディピティで溢れてる。
素敵な一期一会
偉大なる天のちから
お山の神様
いつもありがとうございます。
※2017年5月の情報ですのでご了承ください