探鳥の名所といわれる渡良瀬遊水地。
その名称は度々目にしていたが、きっと不便な場所だろうと勘違いしていて。
公共交通機関+徒歩で行けるとわかり今回初めての訪問となった。
もくじ
往復のアクセス
[往路]
10:49 東武日光線にて板倉東洋大前
10:54 板倉東洋大前駅東口より徒歩(約20分)
11:03 わたらせ自然館 11:04
11:16 想い出橋
[復路]
15:45 下宮橋より徒歩(約25分)
15:55 道の駅きたかわべ 15:59
16:12 柳生駅
16:35 柳生より東武日光線
東武日光線は通勤時間帯はそこそこ本数があるものの、それ以外のダイヤは1時間に2本くらいに減ってしまう
渡良瀬遊水地について
渡良瀬遊水地は、栃木・群馬・茨城・埼玉の4県にまたがる広大な面積を持つ湿地帯
ハート型をした人造湖は谷中湖と呼ばれる
絶滅危惧種を含むたくさんの動植物が生息する自然の宝庫
平成24年7月にラムサール条約湿地に登録された
【渡良瀬遊水地】
【栃木市渡良瀬遊水地Web】
https://www.city.tochigi.lg.jp/site/watarase-heartland/
<開園時間>
- 3月1日~10月31日 9時30分~17時まで
- 11月1日~11月30日 9時30分~16時30分まで
- 12月1日~2月末日 9時30分~16時まで
<休日>
- 年末年始(12月29日~1月3日)及び毎週月曜日は利用できません
- 月曜日が休日の場合は翌日、また、月・火曜日いずれも休日の場合はその翌日
- 洪水の前後は利用できない日があります
初訪問するにあたって色々と調べるうち、明治時代の足尾銅山鉱毒事件に関連する悲しい過去を知った。
なんと、谷中湖の下には旧谷中村が沈んでいる。。。
当時の栃木県が渡良瀬川の堤防を破壊、計画的に強制廃村、その他諸々やることがえげつない。
政府も一緒になり村民の身ぐるみはがして追放、あなた達ヤ○ザか??
今も昔も日本政府の隠蔽体質は何一つ変わっちゃいない。
キーワードは田中正造氏。
鉱毒問題の解決を目指し命がけで政府と戦った人。
ここでは詳しく書かないので、ご興味がある方は調べてみてください。
板倉東洋大前駅の東口~わたらせ自然館
今日のお供、電車の中で読んでいたらすぐ着いてしまった。
『自然散策が楽しくなる!見わけ・聞きわけ 野鳥図鑑』著:叶内拓哉
閑散とした板倉東洋大前駅の東口からスタート。
左に出て、坂を上がったら右ね。
途中の川にハクセキレイとツグミさんがいた。
おぉ!坂を上がると目の前に雪山が。
どうやら日光白根山のようだ。
そういえば、2022年山始めまだ行けてない。
民家の庭にビッコをひいた猫さん。
わたらせ自然館に寄り、渡良瀬遊水地ガイドマップ(広域、狭域)とパンフレットをもらう。
初訪問の人は特にガイドマップはあった方がいい。
面積が広大すぎてどこに何があるか見当がつかないので。
いきなりのベニマシコ
想い出橋より渡良瀬遊水地の敷地内へ入る。
ドカンと大きい男体山。
右は大真名子山。
こちらは女峰山らしい。
天気はあまりよくないけど、初めての渡良瀬遊水地にワックワク♫
谷田川沿いをゆっくり歩くと「フィッホ、フィッホ」という鳴き声。
えぇぇ~~ベニちゃん!?
動かずにじっとしていたら、葦の茂みから飛び出て高い枝に止まってくれた。
かなり遠いのでボケボケだけど。
早速ベニマシコの登場って嬉しすぎる。
あちらこちらの茂みから「フィッホ、フィッホ」が聞こえ、その度に立ち止まって観察。
枯れた植物をムシャムシャやってるベニ雌がいっぱい。
雌の方が人前に出やすいと聞いたことがある。
長時間の待機ができず歩き出してしまったので、ベニ雄は見つからず。
それにしても、すいぶんベニマシコ生息率が高いなぁ。
犬の諺じゃないけど“歩けばベニに当たる”って感じ。
地面をガサガサ歩いていたツグミさん。
ちょっと暗めだけどホオジロ雄。
鳥たちの秘密基地オオジュリン*ホオジロ
ヨシ原浄化ゾーンにて。
こちらはオオジュリン雌かな?
嘴でペリペリッと葦の皮をはぎ取って虫を探している様子。
またまたホオジロ雄。
ホオジロ生息率もかなり高い。
ホオジロ雌ちゃん。
ヨシ原浄化ゾーンにはたくさんの小鳥が生息中で、そこかしこに気配を感じる。
鳥たちの秘密基地にお邪魔する感じが超楽しい。
エナガ軍団やメジロもいたが、速すぎて撮影はできなかった。
展望台近くにシメ
展望台の近くまで歩いてきた。
あ、高い木の上にシメさん。
こっち見てる。
飛ばすに撮らせてくれてありがとう。
目つき悪いって言われてるけど、模様でそんな風に見えるだけだよね。
展望台にカラス2羽。
左から男体山、大真名子山、小真名子山、女峰山。
もうね~、こんな葦原の中を歩くのが楽しくてしょうがない。
可愛いさえずりが断続的に聞こえていたが姿は見えず。
東屋で鳥の声を聞きながら軽めのランチタイム。
散策やジョギングをする人がちらほら。
遠くに鳥のシルエット。
ズームするとモズ雄くん。
地面の獲物を狙っている顔。
西谷中橋方面ジョビ男*ホオジロ
西谷中橋方面へ行ってみる。
数羽の水鳥が頭上を飛んでいるのが見えた。
今度はジョビ男。
割と近くにいた。
わ~、ホオジロ雌。
なんだかやっと鳥にピントが合った気がする(笑)。
じっとしててくれるホオジロ雌は割と撮影しやすい野鳥。
北水門の近くにて何かの骨を発見。
鳥さんだろうか?
弱肉強食の一端を垣間見た。
谷中村役場跡ジョビ男*ベニ子
谷中村史跡保全ゾーンの近くに辿り着いた。
寄り道しながら歩いてるけど、想い出橋からは結構距離があるよ。
体験活動センターわたらせ(月曜定休)がすぐ側にある。
谷中村役場跡。
バズーカのオジサン達が立っているので、きっと何かいるんだろう。
彼らが立ち去るまで周辺を散策することに。
雷電神社近くの地面で仲よく採餌していたのはホオジロ雄雌の群れ。
さきほどの場所に戻ってみると、バズーカ軍団はもういなかった。
そこで人の気配を消してしゃがみ込んで…と言ってもほんの数分間。
飛んできたのはイケメンのジョビ男。
昔、好きだった人に似てる(笑)。
首を傾げてこちらを窺う表情がたまらなく可愛い~。
尾っぽを時々震わせる仕草もね。
うん、やっぱりカッコイイ!!♡♡♡
シルバーヘアとオレンジの羽色が素敵ね。
ジョビ男的には「あいつ何見てんだ?」と思ってそうな顔。
後姿もいいね!
どこから見ても美しいジョウビタキ。
おーーっと!!
さっきから聞こえていた「フィッホ」の声の主。
藪から出てきてくれたベニマシコ雌。
これまた美しい横顔。
お口に何かついてるのは、食事中だったのかな?
可愛い♡
何となく胸の辺りが赤っぽい気がするけど。。。
もしかして、ベニマシコの若雄??
バズーカ軍団のおかげでベニマシコに会えた。
おそらく雌だと思うけど、まぁ性別はどちらでもいいや。
頭の上の抜けてる毛さえもが愛しい。
ベニちゃん、出てきてくれてありがとう!
冬の夕暮れ
北橋に差し掛かる手前で、カワラヒワ軍団とシジュウカラとジョビ男単独に出会った。
突然飛び立ったので撮影はできなかったが、この3種の混群なんて初めて見たよ。
北橋の上から遠くに見えるカワウの群れ。
<追記>首が白いのはウミウらしい
『自然散策が楽しくなる!見わけ・聞きわけ 野鳥図鑑』 著・叶内拓哉
ポツンとアオサギ。
冬の夕暮れ。
中の島を過ぎて西橋を渡る。
日光白根山が輝いていた。
南ブロックにいたダイサギ。
線路脇に咲いていたホトケノザ。
本日のゴール柳生駅。
間違って道の駅かぞわたらせ経由で歩いてしまったが、もっと近道があるようだ。
ちなみに、話題になった三県境(栃木・群馬・埼玉)は道の駅かぞわたらせのすぐ側にあるらしく、柳生駅から歩いて行く。
【埼玉県加須市・三県境】
https://www.city.kazo.lg.jp/soshiki/kitakawabenishi_shinkou/sankenkyou/6372.html
最後に
実は、前日に職場でとても嫌なことがあった。
まるで鉛が詰まったように胸が重苦しく頭も痛い。
普段は体調不良になること自体が殆どなく、早く寝てしまえば翌朝はスッキリするのに。
考えないようにしたいけどやはり考えてしまう。
きちんとやっているのに報われないのなら、もう辞めてしまおうか。
突然辞めるなどと非常識なことは性格的にできない。
ただ、翌々日の仕事は休みたいと思っていた。
家を出る時間はとっくに過ぎてしまい、開園の9:30にも間に合わなくなり。
それでも、楽しみにしていた渡良瀬遊水地だから、とにかく行ってこようと重い腰を上げる。
鳥を見ながら北ブロック周辺を歩いているうちに、胸のモヤモヤが軽くなり頭痛もいつしか消えていた。
これには心底驚いた。
自然の力ってすごい!
鳥さん達のおかげだわ。
家で寝てないで、渡良瀬遊水地に来てみてよかった。
そして、翌日は休まずいつものように出勤。
鳥好きの同僚に渡良瀬遊水地でのできごとを話していたら更に心が晴れた。
根本的な問題が解決した訳ではないけれど。
自分の心が悲鳴を上げた時。
ストレスに耐えられなくなった時。
どうやってそのストレスを解消するか。
嫌な気持ちを抱えた時間をいかに短く抑えるか。
過去10年間の登山を通じて自然の力は知っていたし、そのお陰で今までやってこられた。
ただそこにある自然に身を任せるだけで、どんよりした気持ちがこんなに晴れるとは。
改めて自然の偉大さを思い知らされる。
登山とバードウォッチング、私にはどちらも必要不可欠なのだと実感。
渡良瀬遊水地はお気に入りのエリアとなった。
奥多摩や秩父よりも断然近いし、大混雑したターミナル駅を通らなくて済むのもいい。
今後、足繁く通いたいと思う。