とある避難小屋の存在を知り、久しぶりに避難小屋泊をしたくなった10月中旬。
今まで全く食指が動かなかった有名な山だ。
その日の予報は全国的に雨、マウンテン・フォーカストでは雪マーク。
北アで降雪となればアクセスが厳しいので次の2連休に望みを託す。
ところが路面凍結でバス運休の日々が続き、結果的に断念せざるを得なくなった。
今の時期にテントを張れるのはどこかな?
時期的にバスが終わってしまったエリアもある。
アクセスが便利で過去に行ったことのない小屋がいい。
できれば短時間で到着できるところ。
ランチ提供があればなおよし。
そんな都合のいい小屋ないでしょ!?
2日前に方向転換を決断し、前日ギリギリに予約を入れたテン場とは。。。
往復のアクセス
[往路]
09:51 あずさ3号にて茅野
10:20 茅野駅西口②番よりバス(往復2200円)
11:18 北八ヶ岳ロープウェイ
11:40 北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅(往復2100円)
11:47 北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅
【アルピコ交通・北八ヶ岳ロープウェイ線】
https://www.alpico.co.jp/traffic/local/suwa/kitayatsugatake/
茅野駅前案内所 0266-72-2151
【北八ヶ岳ロープウェイ】
※モンベル割引(200円)あり ← 料金を支払ってから気づく(-_-)
[復路]
11:20 北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅
11:27 北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅
11:40 北八ヶ岳ロープウェイよりバス
12:34 茅野駅
12:39 茅野よりあずさ
自己CT
[1日目]
11:49 坪庭
12:02 縞枯山荘
12:07 雨池峠
12:35 双子池・大河原峠・迂回登山道の看板
12:40 雨池
13:20 雨池・うそのくち集落・双子池分岐
13:55 双子池ヒュッテ 14:29
14:35 双子池テン場
[2日目]
06:30 双子池テン場
06:35 双子池ヒュッテ 06:36
06:38 双子池(雄池) 06:40
06:47 双子池テン場 07:35
08:12 亀甲池
08:48 小休憩 08:53
08:59 “すべるぞ注意”看板
09:46 北横岳
― 大岳方面へ下ってしまい途中で気づいて戻る(タイムロス30分) ―
10:12 ミニ鎖場・ミニ梯子
10:16 北横岳
10:19 北横岳南峰
10:26 北横岳ヒュッテ
10:54 北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅
坪庭から雨池へ
登山初心者の頃、雪山ツアーで訪れた北横岳。
名称がピラタスロープウェイだった頃の話。
新調した冬靴を履いての雪山散策は、寒かったけれどとても楽しかったのを覚えている。
【北八ヶ岳ロープウェイ】
https://www.kitayatu.jp/ropeway/
観光客に交じって一気に標高を上げる。
山頂駅まで7分。
無雪期に坪庭へ来たのは初めて。
お茶しているハイカーがいたので営業中のようだ。
数年前は縞枯山荘前で写真を撮ったっけ~。
今日は縞枯山荘より先へ。
岩ゴロゴロの地面に氷が張っているので慎重に。
手作り丸太の木道。
なんだかワクワクする!
土と苔でふかふかの下り。
看板に従って赤線の新道を下りてきたところ。
看板の現在地から双子池方面は現在通行止めです
雨池経由で双子池を目指しましょう
重機が作業中。
双子池・大河原峠への迂回路。
雨池の河原で寛ぐカップルさん。
雨池に沿って歩き、また樹林帯へ。
苔むす樹林帯はキリリとした空気。
小さなアップダウンはあるが、まぁまぁ歩き易い。
笹薮をかきわけて林道に出た。
ふぅ~。
ここが雨池・うそのくち集落・双子池分岐。
道路沿いの水場。
飲めるかどうかは未確認。
左は行き止まり。
右へ少しだけ歩いてすぐに左折。
平和な道に小屋の気配を感じてホッとする。
双子池ヒュッテの豪華ランチ
あ、小屋の屋根が見えてきた。
綺麗に使われているようでありがたい。
やたらデカイ話し声の女性が約1名…(笑)
【双子池ヒュッテ】
http://www7a.biglobe.ne.jp/~g-factory/futago/
テント1人 1000円(要予約)
水場あり(要煮沸)
トイレあり(ペーパー付) 小屋泊、テント泊以外は有料
※家から担いだ水1.5Ⅼ+熱湯500mlの合計2Ⅼだけで充分足りた
テント受付を済ませ、ランチを頂くことにする。
テン場はたぶん空いているので慌てなくても大丈夫。
私は飲まないけど、ホットワインもあるよ。
ランチを注文しようとしたら掲示してくださったメニュー表。
「えっ、こんなにあるんですか!?」と喜んだのは言うまでもない。
豚汁とちまきも捨てがたいなぁ~。
これは全部食べてみたくなる充実度。
来年のお楽しみが増えたね。
受付を済ませた直後に3名の単独男性が次々と到着。
バスが一緒だった巨大ザックのオジサマが通りかかったのでご挨拶。
濡れた紙おしぼりとプラスチックスプーン、竹の割り箸がつく。
ちなみに、宿泊者とテン泊者以外のテーブル&ベンチ休憩は有料(300円)と表示されている。
盛り付けのセンスもいい。
美味しかったわー!
ごちそうさまでした。
静かな湖畔のテン場でくつろぐ
お腹が満たされたところで雌池のテン場へ向かう。
柔らかな陽射しが嬉しい。
綺麗なエメラルドグリーンの雌池。
静かな湖畔の素敵なテン場はこちらに。
もう、ワクワクが止まらない~。
どこにテントを張ろうかなぁ。
ぽっかぽかの日なたにテント設営。
奥の樹林帯にも一応行ってみると、それぞれ単独のオジサマ3名がテントを設営中。
ここでひとりのオジサマと会話。
もっと奥のサイトには例のワイルドなトイレ(現在は使用禁止)があるらしい。
私は日なたが好きなので、小屋のトイレに一番近いエリアに決めた。
紅葉が終わった今の時期はどこに張っても静かなテント泊が楽しめる。
双子池ヒュッテから見て対岸の砂浜はテント禁止の場所です!
山雑誌で紹介された影響もあり、設営してしまうハイカーがいるらしい
テント受付の時にイラストで説明されるのでよく見ておきましょう
この日もどなたかが張り直しさせられた様子
さっきカレーを食べたばかりなのに、小腹が空いておやつタイム(笑)。
私は他の人より消化が早いのかしら?
往路のあずさで半分ほど読んでしまい、続きをテントの中で。
何だか目からウロコ。。。
新しいシュラフが欲しいと思っていたけど、まだ充分使えるこのシュラフはどうするの?
もっと寒くなっても、エスケープライトヴィヴィやダウンセーターで凌げるんだから要らなくない??
元来、物持ちはいいほうで気に入ったモノを大事に使うタイプの私。
山道具もある程度は揃っている現在、いちいち目移りしてたらキリがない。
- これは今の私に必要?と問いかけてみる
- 「もったいない」「まだ使える」は禁句
- 不足するという不安があるから溜め込む
- 自分らしくない、好みに合わないモノを処分する
- 何もかも捨てろということでは決してない
- 回り道、道草など不必要の必要性の意味を知る
30分ほどシュラフでウトウト。
ハッと目が覚めたらもう暗くなっていた。
陽が落ちると急激に寒くなる。
そろそろ夕食にしようか。
キティと花型の早ゆで(4分)マカロニを使用。
【ヤマップストア・かんたん、おいしい!山ごはんのレシピと道具】
参考にさせて頂いたのは、トマトジュースでつくるパスタ入りミネストローネ
https://store.yamap.com/blogs/articles/yamagohan-recipes-and-items
パスタをマカロニにして、とろけるチーズで代替したり自分流にアレンジ。
簡単なのに、野菜も摂れる上あったかくて美味しい!
これからの季節にオススメ。
夜のトイレはちと怖い。
テン場から外トイレまでの登山道は、サンダルではなく登山靴をオススメ。
そんな事前情報から今回サンダルは持参せず。
昼間も静かだったけど夜は尚更。
たまに鹿の鳴き声が聞こえるくらいで本当に静か。
夕方と早朝、双子山方面から響いてきた男性の雄叫びみたいな声も鹿なのか?? (゚Д゚;)
思ったよりも寒くなく、着ていたダウンを脱いで就寝。
寒い時の予備で持参したファイントラックの長袖インナーも不要だった。
ibexのメリノウール長袖Tは色、デザイン、着心地がよくて大のお気に入り。
日本から撤退してしまいもう買えなくなったのが本当に残念。。。
<備忘録・就寝時>
ibex メリノウール長袖T(杢パープル)
ber ソフトシェル
mam ソフテックトレッカーズパンツ
mon トレールタイツ(中厚手)
dar マイクロクルーソックス
mon クールライトグローブ
※前回同様、エスケープライトヴィヴィは使用せず
亀甲池経由で北横岳へ
数回は目が覚めたけれど、いつものように二度寝の繰り返し。
明け方3時頃に気温が低くなり冷えてきて、下半身にダウンをかけた。
5:30に起床して簡素な朝食。
スカイレストランこまくさ亭でランチする予定だったので、朝は軽めにしておく。
早朝は曇っていたが朝陽が射してきた。
素敵な場所ね。
雄池の周りでは飲食禁止、カメラと貴重品以外は持ち込み禁止の看板があった。
双子池ヒュッテを見上げると、単独男性が小屋玄関にて出発前のご挨拶をしている。
私に気づくと「じゃ~ね~~」とお声がけくださり、大河原峠方面への坂を上がって行かれた。
さて、テン場に戻ろう。
ふふ、私のトキ色テントが見える。
ひとりニヤニヤしてしまう。(#^^#)
奥にはオレンジのテントも。
7:30 テント撤収。
多少の結露はあったがササッと拭いて、ほぼ時間通りに撤収できた。
ウール100%のバラクラバを首に巻いて出発。
シェルを着るほどではないけれど、肌寒い時はバラクラバ、手袋、ニット帽が有効
同じ装備に小物をプラスするだけで温かくなり快適に行動できる
バラクラバがなければタオルで代用
ザックの後に購入したタビチビトート(サコッシュ)。
中に仕切りは一切ないけど絶妙な容量が私にぴったり。
ザックとお揃いのアッシュグレーにした。
雌池の対岸まで歩き、そこから苔の森を緩やかに登って行く。
黄色いパプリカみたいなキノコ。
<追記>ナギナタタケ(長刀茸)
毒はないけれど美味しくないそうだ。
五色ヶ原に向かう直前、扇沢売店で急きょ購入したモンベルの防風手袋。
とても使い勝手がよく重宝している。
霜が降りて寒そうだけどキレイ。
と思ったら、まさにこんな看板が。
あの山が大岳?
チェンスパは使わなくても大丈夫な程度の雪。
蓼科山と蓼科山荘。
北横岳の山頂が近づくと、そこだけ強風が吹いている。
風を避けるため、そそくさと退散したのがいけなかった。
疑うこともせず堂々と道間違い(笑)をやらかす。
八ヶ岳の主峰が遠くに。
道間違いと2度の再会
大岳の道と知らずに黙々と下りていると、同じテン場にいた単独男性と出くわす。
早朝、アタックザックでどこかに向かうお姿を見て「おはようございます」と挨拶を交わした人。
「あれっ」と声に出してしまったが、双子池ヒュッテから大岳を登ってきたと伺って納得。
「下りるほうがキツイかも」「お気をつけて」と言われお別れをする。
「ん~~私は大岳に登らないのになぁ…」とのんきなことを考えながら更に下って、ハタと気づいた。
ジオグラフィカを確認すると、まさに大岳への道を下っている私。
そこから慌てて登り返す。
ミニ鎖場、ミニ梯子を登り返す。
この鎖場があるのは大岳への道なのでご注意。
って、私以外に誰も間違えないよね。
あれは北横岳ヒュッテの屋根かな。
強風を避けたい一心で直進してしまったが、ここで曲がるのが正解。
「もう!ちゃんと分岐で確認しなさいっ」
自分にツッコミを入れながら、平和な道に進む。
タイムロスはきっかり30分。
11:40のバスには何とか間に合うでしょう、大丈夫。
無雪期は初登頂の北横岳南峰。
この写真を撮った直後、さきほどのオジサマとまさかの再会。
鳩が豆鉄砲を食らったような顔をされていた。
そりゃ、大岳へ向かっているはずの私がまた現れたのだから。(^^ゞ
オジサマのあの一言がなければ、気づかないまま大岳へ向かっていたかも…(恐)
ありがとうございます。
「ツツピー」と鳥の鳴き声がする。
シジュウカラが枝から枝へ飛び移ったところ。
あら?暖地へ移動しないでまだこんな山の中にいるのね。
北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅に戻ってきた。
この辺りで大勢の観光客とすれ違う。
11:00発のロープウェイには乗車せず、気になっていた山のカフェに寄ってみる。
豪華なランチの時間はなかったけど、美味しいカレーパンにありつけた。
ホットココアで温まって。
切り株スツールとテーブルが可愛い。
山のカフェ限定 こけももソフト。
もう少し気温が高ければ食べていただろう。
こけももクリームチーズ大福は昨日も売り切れていたよ。
帰りのあずさ用にこちらをゲット。
甘酸っぱいクリームが美味しい。
赤いゼラニウムが素敵。
外国の建物みたい。
観光客でほぼ満席だったので、一番前の席へ。
バスの車窓から見える麓の紅葉がすごい。
目を楽しませてくれる。
麓の紅葉にはなんとか間に合う。
今日、来てよかった。
茅野駅ホームのコリウス寄せ植え。
最後に
予備知識が全くないまま、急きょ決めた双子池ヒュッテのテント泊。
思いのほか素敵なテン場だったのは嬉しい誤算。
静まり返った晩秋の湖畔に響くのは、鹿と鳥の鳴き声だけ。
「あぁ、やっぱり私はこういう静かな場所が好きなんだな」とつくづく実感した。
お見かけした単独者は3名とも感じがよく、気さくだけれどマナーのちゃんとした大人の男性。
静かな湖畔を共有できてよかったです。
ありがとうございます。
双子池ヒュッテさん、お世話になりました。
「来年もまた来よう」と心に誓った。