通常はGWなど長期連休を取れない仕事だが、4月に昇格となった直属上司が勝手につけてくれた4連休。
異動前にお気遣いいただきありがとうございます。
大変お世話になりました。
某所でキャンプをしようと計画したものの、GW中は既に予約でいっぱいと言われる。
そこで、なかなかチャンスがなかった孤高のブナに会いに行くことに。
電車だけで片道4時間越えとなるため、日帰り可能の山でありながら手が出せなかったのだ。
当初の予報では4/30だけが好天、あとは雨と雪マークが。。。
ならば初日に行っておかなくちゃ!
ヤマレコで間藤駅から歩いているかたのログを、ジオグラフィカにダウンロードさせて頂き準備万端。
心が疼く別プランも検討したが、今回はおとなしく普通の日帰りで決行。
ただし乗り遅れは許されず起床は3:30厳守とする。
往復のアクセス・トイレ
[往路]
09:13 わたらせ渓谷鐵道にて間藤
09:16 間藤駅前BSより路線バス(250円)
09:19 赤倉BS
※特急を使えば時間は1/2になるが現地着が1時間も遅くなるため、始発で行くしか選択肢はない
わたらせ渓谷鐵道『お得な一日フリー切符』(1880円)を購入
往復2260円のところ380円お得になります
クレジットカードは使えず現金のみ
駅で購入する場合は発売当日のみ有効
【足尾JR日光駅線・赤倉線路線図&時刻表&運賃表】
※バスの出発時刻は9:14のところ2分遅れて逆に助かった
https://www.city.nikko.lg.jp/seikatsuanzen/guide/seikatsu/bus/documents/asiohyou.pdf
この時期は銅親水公園入口までのバスはありません
公共交通機関利用者は、赤倉BSから銅親水公園まで徒歩で約25分
バスに間に合わない場合は間藤駅から銅親水公園まで徒歩で約40分(帰りは35分)
[復路]
16:31 間藤よりわたらせ渓谷鐵道
<トイレ>
赤倉BS
銅親水公園(簡易)
工事現場(簡易トイレはあるが使用可能かは不明)
自己CT
09:22 赤倉バス停
09:47 銅親水公園駐車場
09:50 銅橋
09:53 銅親水公園 09:55
09:56 展望階段登り口
10:02 河原 10:25
10:27 銅親水公園駐車場
10:31 ゲート
10:38 仁田元・松木渓谷分岐
11:12 中倉山登山口 11:14
12:15 軍手の道標
12:41 巻道分岐(オレンジテープ)
13:09 中倉山
13:14 孤高のブナ 13:47
14:04 巻道分岐(オレンジテープ)
14:15 軍手の道標
14:49 中倉山登山口
15:28 ゲート
15:46 赤倉バス停
16:03 間藤駅
わたらせ渓谷鐵道の長旅
わたらせ渓谷鐵道に乗った記憶はあるが、全く覚えていなくて過去レコを調べてみると。
2016年4月、鳴神山を訪れた際の帰りに相老からたった2駅乗車していた。
実に5年ぶり。
桐生にて、わたらせ渓谷鐵道に乗り換え。
ホームはJR線と同じだけれど、JR乗車運賃を清算するため一度改札を出なければならない。
そして③番の券売機で『お得な一日フリー切符』を購入すると380円割引となる。
今日は終点まで乗るのでワクワクする♪
こちらは上神梅駅。
わたらせ渓谷鐵道には味のある駅舎が多い。
無人駅なのに、誰がお花を管理しているのだろう?
乗客はたったの数名。
木漏れ日が射しこむ車内。
車窓から見える花や緑が長旅を癒してくれる。
原向駅はとても気になる駅。
そして、都内から4時間強を経て。。。
9:13、終点の間藤駅に到着。
カモシカの見られる駅だそうだ。
降りたのは3名のみ。
トイレあり、自販機あり、ゴミ箱なし。
ゴミはお持ち帰りください。
トイレはどこ?
この時点ではわからず。
さてと、9:14発のバスはまだだよね。
2分遅れで到着したバスが目の前を通り過ぎて行く。
慌てて駆け出したら、ちゃんと止まってくれた。
乗客は私ひとり。
赤倉バス停~銅親水公園
今の時期は赤倉がバスの終点。
公衆トイレがある。
銅親水公園まで歩いて25分くらい。
足尾ダムを目指して出発。
煙突が物悲しい。
かつては製錬所として栄えた町。
足尾銅山の煙害と山火事によって、自然も人もダメージを受け廃村となった。
現在の人口はかなり減っているようだ。
東京ではとっくに終わった桜が、足尾の町ではまだ咲いている。
あっ、小鳥が飛んできた!
ホオジロ(雌)さんだね。
姿を見せてくれてありがとう。
砂防ダムが見えてきた。
草木が枯れたはげ山は、だんだんと緑を取り戻しつつあるようだ。
シロヤマブキが輝いている。
ズミの花も綺麗だよ。
振り返ると、人っ子一人いない。
車も殆ど通らない。
緑の屋根が見えてきた。
あそこが銅親水公園か。
22台ほど停まっている。
ハナミズキが青空に映えて。
銅橋を渡る。
ダムと壁画を見るために。
【栃木ナビ・銅親水公園】
以前は食事もできたようだが現在は不明。
右の建物裏に簡易トイレあり。
http://www.tochigi-navi.net/09206008.html
あわよくば、渡渉できるかな?と展望階段を登る。
鳥のさえずりが聞こえ立ち止まる。
あ!ここにもいたのね、ホオジロちゃん。
「一筆啓上~一筆啓上~」
ほんとに一筆啓上と鳴いているよね。
予想していた通り、渡渉は無理っぽい。
昨日の雨で水量が多いだろうとは思っていた。
それでもどこか渡渉ポイントはないかと探し回っているところ。
靴を脱いで渡ってしまおうか?と中州に移動するも。
見た目以上に水深があり、渡渉するには厳しいと判断しやめておく。
甲まで水に浸かったのに全然平気だったのは、スカルパZGトレックのおかげ。
銅親水公園~中倉山登山口
気を取り直して再出発。
最初からこちらのゲートを通るべきであった。
せっかくバスに乗れて時間短縮できたのに。
“急がば回れ”ということわざが、今日ほど身に沁みたことはない。
渡渉しようとしたせいで30分ほどロスタイム発生。
ホオジロさんに会えたからよしとしよう。
ダンプが渡っている鉄製の橋を渡る。
対岸に見えるのは工事現場の簡易トイレ。
仁田元のほうへ進む。
遥か遠くで工事中。
さきほど、川の向こう側から見えていた導水管。
この橋は現在は通行禁止のはず。
この林道を歩いて行く。
登山口付近にデポされたチャリが3台。
急登はスミレに癒され
銅親水公園ゲートから43分で登山口。
暑くなってシェルを脱ぐ。
既に汗びっしょり。
序盤より急登の連続。
新緑が眩しい。
小鳥の声が飛び交っている。
「がんばれ」って言ってくれてるみたい。
大好きなフモトスミレがいた~。
可愛くてスルーできない。
落ち葉が積もっているけど、ちゃんと踏み跡があるので間違うことはなかった。
やっと尾根に出た!
ヤマレコで見ていた軍手の道標(笑)を右折。
下山時は指の方向(左)へ下りればいいので、とてもありがたい。
いきなり風が強くなりここでシェルを羽織る。
尾根に出てからも急登。
数名の下山者とすれ違う。
オレンジテープを直進すると中倉山。
左に巻くと孤高のブナに出る。
さきほどいた銅親水公園の辺りも見える。
男体山の黒っぽいシルエット。
手前は社山。
ガレキを登って。
ミツバツチグリとそっくりなので、実はよくわからない。
素晴らしい眺め。
また陽が射してきた。
山頂手前に咲いていたアカヤシオ。
あともう少しだ!
手前の山は沢入山のニセピーク。
左奥は庚申山オロ山。
頭だけぴょこんと出てるのが皇海山であってるかな。
中倉山から孤高のブナに会いに
中倉山山頂標は、強風のせいか倒れていた。
女手で直すのは不可能と思いそのままに。
ごめんね。
山頂には長居せず本日の目的地へ。
おおっ、あれか!?
鞍部に立っている1本の木。
左下に2名のハイカーが見える。
孤高のブナの向こう側を登っていくハイカーさんも。
【追記】オロ山の左奥に見える平べったいのが庚申山。
会いたかったよー!!
孤高のブナ。
奇跡的に、銅山の煙害を生き延びた木。
おにぎりを食べたら、芝生に寝転がって。
孤高のブナと一緒におひるね。
ふわぁ~気持ちいい~~。
小鳥の声がするほうへ歩いてみると、鹿のフンとフデリンドウを発見。
下山する前に、もう一度稜線に上がって。
男体山バックに孤高のブナ。
孤高のブナが側にいてくれてホッとできる場所。
ここにずっといたい気分。
とても立ち去りがたく感じるのは何故なんだろう。
午後から曇りの予報通り、少し肌寒くなってきた。
中倉山へ登らずに巻道のルートから下山。
孤高のブナよ、またいつか。。。
あの鳴き声はオオルリかな?
姿は見えないけれど、可愛いさえずりと地鳴きを聞きながら。
滑りやすいので慎重に下山。
あれっ、予定より1時間早く着いちゃった。
…てことは1本前の電車に乗れそう。
ホオジロと足尾猫さん
また陽が射してきた。
今日、思い切って来てよかった!
山の上のほうは雲が広がって。
「一筆啓上」のホオジロさんが目の前に。
可愛い♡♡
今度は雄かな。
ありがとね~~、今日は3回も会うことができた。
このくらいの渡渉なら全然OKなんだけど。
銅親水公園方面は晴れてる。
お天気もってくれてよかった。
蛙の集団がゲコゲコ。
おちょぼ口を下から。
廃線跡と残った警報器を間近に見ることができる。
もちろん立ち入り禁止。
足尾ブルー。
ふと見ると、道路の反対側を猫がトコトコ。
以前一緒に暮らした猫と同じ柄。
「猫ちゃん!」と呼びかけると返事した。
「ニャーーーッ!」
私の足元へ横断してきて、歩くと付いてきてしまう。
きっとお腹が空いているのだろう。
「ごめんね…付いてきちゃだめだよ…」
その言葉がわかったのか、ぴたっと付いてくるのをやめた。
何もしてあげられなくてごめんよ。。。
16:03に間藤駅に到着。
ロスタイムがあった割に、予定よりだいぶ早く下山できた。
パラパラッと雨が降ってきたけどすぐに止む。
枝垂れ桜の向こうにある茶色い建物がなんと間藤駅のトイレだった。
素敵すぎて朝は気づかなかったよ。
ちょうど見頃の枝垂れ桜。
間藤駅からもタクシーを呼べるようだ。
自販機で冷たいカフェオレを購入。
ここで購入した缶やペットボトル以外のゴミは持ち帰ってね。
朝は時間がなかったので駅周辺を散策。
駅に併設されている建物は観光センターでこの日は閉まっていた。
いやいや、本当に素敵な駅だわー。
孤高のブナ同様、名残惜しい。
そうこうしているうちに、わ鐵が到着。
16:31のあとは18:21なので間に合ってよかった。
間藤駅から乗ったのは私だけ。
水沼駅に温泉がくっついててビックリ。
時間に余裕があればこちらで入浴も可能。
【水沼駅温泉センター】
最後に
会いたかった孤高のブナにやっと会ってきた。
アクセス面の厳しさから、なかなか来れる場所ではないけれど。
人もおらず静かな山歩きができたタイミングに感謝して。
秋の紅葉時もきっと素敵だろう。
初めての足尾エリア、気に入ってしまった。
わたらせ渓谷鐵道が廃線にならないよう願うばかり。
できることなら、庚申山と皇海山も繋げて歩いてみたい。
夢のまた夢。