大好きなシラネアオイを無性に見たくなった。
谷川山系の三国山で5~6月に見られるらしいが、公共交通機関のアクセスが悪く簡単には登れない。
平標山から縦走したとしても下山口にバス停がないと気づいてガックリ。
要はマイカーオンリーの山。
長野県の斑尾高原にシラネアオイが咲いていると知り、お花目当ての遠征を計画する。
“シラネアオイの小径”というネーミングが素敵。
直近の開花状況は3割程度、それでも例年に比べると10日から2週間ほど早いそうだ。
往復のアクセス
[往路]
06:53 大宮よりはくたか551号
08:16 飯山
08:50 飯山駅千曲川口①よりバス(500円)
09:14 山の家BS
【飯山市コミュニティバス斑尾線・時刻表】
[復路]
16:07 飯山よりはくたか568号
自己CT
09:20 山の家
09:35 八坊塚トレイル入口
12:54 せせらぎトレイル出口 12:56
13:19 山の家 13:22
**バスを逃して徒歩**
15:35 飯山駅
※お花や野鳥を観察しながら歩いているので、CTは比較できません
八坊塚トレイル*シラネアオイ
北陸新幹線で1時間20分ほど。
初めての飯山駅。
新幹線の停車駅だけあって立派で綺麗。
信越自然郷アクテビティセンター。
その右隣に駅コンビニ(ニューデイズ)がある。
品揃えは……東京と比べてはいけない。
観光案内所。
季節によってイベントが開催されている模様。
千曲川口①より斑尾高原行きバスが発車。
乗客は私ひとりだけ。
飯山駅コンビニで見つけた“長野のもっちりリンゴもち”。
5個しか入ってないけど柔らかくて美味しい。
山の家BSで降車すると背丈の低い花が出迎えてくれた。
バス停からすぐに山の家。
綺麗なトイレあり。
女性スタッフさんは感じがいい。
【斑尾高原観光協会・山の家】
【信州の旅com・シラネアオイの小径】
http://www.shinshu-tabi.com/m-siraneaoi.html
あっ、こんなところにフデリンドウ。
車道脇の地面にポツポツと咲いてる。
思わず声が出てしまうほどの可愛さ。
葉がヘラ状で濃紫色のスミレ。
側弁の付け根に毛、葉柄に翼があるのでマンジュリカでいいかな?
広範囲に咲いているのでそのたびにしゃがんではカメラを向ける。
車で通りかかった人は「一体何してるの?」と思ったことだろう。
葉がずいぶん萎れているカエデの花の蕾。
山の家から徒歩10分ほどで八坊塚トレイル入口。
シラネアオイの小径の管理人さんがたまたま同時刻に到着し、少しの間案内してくださった。
「どこでシラネアオイの小径を知りましたか?」と尋ねられる。
「いらっしゃいませ」
早速シラネアオイ群生が歓迎してくれた。
カメラ目線の子や。
横向きの子など。
黄色の雄しべがフレッシュなので、まさにこれから開こうとする個体。
ゆるゆると坂を下っていくと。
あーっ、この葉っぱはまさかの!
時期的には最後のユキワリソウ(ミスミソウ)。
移植されたものだろうけどいたく感激してしまった。
東京からシラネアオイを見にきたと告げると管理人さんに驚かれてしまう。
サンカヨウもいる!
「ゆっくり見て行ってくださいね~」と管理人さんとここでお別れ。
毎日シラネアオイの様子を見にきているとのこと。
お疲れさまです。
八坊塚トレイルには、目の前をうるさく飛び回る黒い羽虫がいるのでご注意を
おそらく吸血はしないと思われる
なだらかな丘の斜面に咲くシラネアオイ。
可愛いなぁー。
これから開花する株は色が濃いめ。
エンレイソウもちらほらと。
関東圏ではとっくに実になっているキブシ。
シラネアオイを保護育成してくださる人のおかげで鑑賞できる。
ありがとうございます。
スタンバイしている株もたくさんあり、これからどんどん開花していくのだろう。
遠くのエリアに終わりかけのショウジョウバカマ。
あっちこっち向いて自由気ままに咲くシラネアオイ。
向かい合っているような2人も。
本当に素敵な花だわ。
もちろん、山で見られたらもっと嬉しいけど。
大好きなシラネアオイを思う存分楽しめる。
こんなに咲いているのはシラネアオイの小径だけじゃないかな。
葯がまだ紫のショウジョウバカマにも出会えた。
わわっ、キクザキイチゲがまだ残ってる。
沢の近くにコチャルメルソウ。
足元にムラサキカタバミが出現。
ムラサキカタバミがいっぱい。
これまたすごいシラネアオイ群生。
素晴らしいの一言。
まだ早いかと思ったけど今日訪れてよかった。
いやいや、終盤とはいえカタクリまで見られるとは。
こんな丸太橋を渡って、トレッキングコースをゆっくり歩く。
やけに美しい白スミレがとても気になった。
葉は結構大き目で縁がギザギザ。
白い桜?
まだまだ続くよ、シラネアオイの小径。
左右どちらもシラネアオイだらけ。
近くで見るとドキドキしちゃう。
蕾もあるからこれからもっと増えるのだろう。
どんどん山っぽくなってきたよ。
キレイ目な水芭蕉をパチリ。
ナガハシスミレ*オオルリのさえずり
分岐らしきところに差し掛かる。
ここから沼の原湿原へ。
コブシかな。
ミソサザイのさえずりが大音量で聞こえる。
「オミソちゃーん!」と呼んでも姿は全く見えない。
高尾の日影沢で撮れた時は奇跡だったんだなぁ。。。
またまた可愛らしいムラサキカタバミ。
あれぇー、新潟の山で見たナガハシスミレがこちらにも。
距がくちばし状に細長く伸びてる。
機嫌がいい時の猫の尻尾みたい。
近くに寄って。
飯山市は長野だけど隣接の妙高市は新潟だからか。
ツボスミレがわんさか咲いててひとりで大騒ぎ。
お首かしげて可愛いったらなんの。
さっきから可愛い鳴き声がするなぁ。
語尾に「ジジッ」がつくからあの子かな。
至近距離で鳴いていたので居場所を突き止めたく、立ち止まって暫しの観察。
予想通りオオルリちゃん。
心の中で狂喜乱舞したのは言うまでもない。
キビタキ、ミソサザイ、ヒガラ、センダイムシクイなど声はすれども姿を捉えることはできなかったから。
鳴いてる鳴いてる。
最後の「ジジッ」に笑ってしまう。
ニヤニヤしながらの手持ち撮影なので、手が震えてしまってこれが限界。
枝かぶりでもメチャ嬉しかったわ。
オオルリさんありがと。
ひっそりと一輪のシラネアオイ。
淡いブルーはヤマエンゴサクかな。
あ、センボンヤリじゃない?
近くで見ると結構可愛いんだよね。
この辺にいっぱい咲いてて嬉しくなる。
沼の原湿原
駐車場らしき場所に車が何台も停まっている。
八坊塚トレイルに殆ど人はいなかったのに、ここでいきなり団体さんが現れた。
沼の原湿原公衆トイレに寄っておこう。
沼の原湿原は木道があってミニ尾瀬みたいなところ。
ロングコースとショートコースを選んで歩ける。
バス発車まで4時間もあるから余裕と思っていたのに、お花や野鳥を愛でていたら時間が足りなくなりそう。
もしバスに間に合わなかったら大変…という懸念が脳裏をよぎったのは事実。
それが現実になるとは。。。
リュウキンカがそこかしこで開花。
縁が白くなっている花は、かなり時間が経ったものと思われる。
湿原の奥のほうに咲くリュウキンカ。
ネコノメソウ。
峰桜もまだ咲いている。
湿原の中にベンチがあっていい感じ。
そうそう、野鳥もいっぱいいる。
逃げられてばっかりだけど。
この辺でそろそろ一休み。
飯山駅のニューデイズは品揃えが少なくご当地おにぎりはなし。
から揚げや白身フライ、ちくわ磯辺揚げなどが入ったジャンボおにぎり(梅のり弁にぎりました)を購入。
この商品を企画した人すごいな(笑)。
白黒シマシマで下側がちょこっとオレンジはギフチョウか。
じっと動かずに休んでいる様子。
ショートコースで分岐に戻ろう。
自分の苞を飛び出して別の花に寄りそう水芭蕉。
最初、双子ちゃんかと思った。
モフモフの猫柳。
どこかの山のピーク。
湿原中央トレイルからせせらぎトレイルへ
さきほども通った分岐。
湿原中央トレイルから湿原東トレイルに入り、山の家へ戻ればよかった。
ところが何故か違う道を歩いてしまうという痛恨のミスを犯す。
ユキツバキ。
今思えば沢の道が気になって、ここを直進してしまったのだった。
だめだよ、そっちはせせらぎトレイル方面。。。
オオカメノキ。
木道のずっと奥へ。
左から視線を感じて立ち止まるとタチツボスミレ3姉妹。
ここだけ残雪あり。
「ツーピピ、ツーピピ」
可愛いシジュウカラのシルエット。
少し焦って登っていると、チゴユリに励まされる。
この辺は八坊塚トレイルよりも少し高い位置のようだ。
斑尾ペンション街と書いてあるほうへどんどん下りていく。
今思い返すと、途中に湿原東トレイルへの分岐もあったのに。。。
沢の畔にミヤマカタバミ。
写真撮ってる場合じゃないんだけど(笑)。
おぉぉ、シラネアオイの蕾ちゃん。
シラネアオイの花数は八坊塚トレイルより断然少ない。
わお、せせらぎトレイルで一番の美人さん。
時間がなくてもスルーすることなどできなかった。
車のエンジン音が聞こえるから車道が近そう。
斑尾リゾート。。。
出口の道標にはせせらぎトレイルと書いてある。
ここはどこ?状態の私。
手に持っている紙のガイドマップと、大きな看板の現在地を見比べてやっと判明したのは。
山の家からはほど遠い場所に出てきてしまったということ。
**********
気温がぐんぐん上昇して夏日のような暑さの中、山の家を目指して一心不乱に歩き通すしかない。
当初の予定では、恐らく時間が余るだろうから斑尾高原ホテルのカフェでスイーツでも…なんて考えていたが。
とんでもないことになったわ。
13時台のバスに間に合うのか?
**********
微妙に登り返しのある舗装道路を早歩きするのは地獄のような時間だった。
バスに間に合えばそれでいい。
でも、よほど気が動転していたのだろう。
斑尾高原ホテルの前を歩いたにもかかわらず、そこでバスに乗るという選択肢をすっかり失念していて。
斑尾高原ホテルからは下り坂なので最後の力を振り絞って駆け出す。
山の家周辺まで辿り着いたのは13:19でギリギリ間に合った!
ところが人っ子一人おらずバスの気配もないため、念のため山の家のスタッフさんに「13時台のバスってまだですかね?」と尋ねる。
まさかこうやってる間にバス行っちゃったりしないよね?とチラッと思ったことが現実になるなんて。
「あ、バスきましたよ」と言われ振り向くと坂道を下りてくるバスの姿。
「すいませーん!」とダッシュして何度も手を振ってみたが、運転手さんは全く気づくことなく目の前を通過していった。
バスを逃して飯山駅まで歩く
仕事中は完全無欠を目指してミスなくきっちり丁寧にこなしているつもり。
自己分析するとおそらくその反動なのかもしれない。
プライベートな時間(特に山)に於いては、ケアレスミスを始め色々なポカを散々やらかしてきた。
夜行バスに乗り遅れたり、道を間違えたりなど数えたらキリがないほど。
そして今日もまた…(笑)。
あ~あ、景色が綺麗だな。
大得意の駅まで歩きであの麓まで下りてやるわ。
幸いなことにずっと下り坂なので楽なはずだよー。
黄色い花が眩しいねー。
「ホーーホケキョ、ケキョケキョ」
どこにいるかな?と目を凝らすと鳥のシルエットが見えたので慌ててズーム。
おぉっ、初ウグイスだ。
さえずりは何度も聞いてるけど姿をちゃんと見たことがなかった。
強風に煽られて乱れた羽がまた可愛い。
初ウグイスやったね!
誰もいない道で「初ウグイス♡初ウグイス」と大興奮。
バスを逃したからこその出会い。
モクレンの花が色っぽい。
純白のオドリコソウ。
ものすごい大木が目に入る、何の木だろう?
ちゃんとズームすればよかった。
今度はホオジロちゃん。
「一筆啓上たてまつり候」にも色んなバージョンがあって面白い。
ホオノキの美しい蕾。
下界はまだまだ遠いな。
ウワミズザクラ。
これからトンネルを潜るよ~。
この小さい花はオククルマムグラ?
風に揺れるアケビの花。
ハルジオンに留まるベニシジミ。
他の木を駆逐してしまう藤の花。
とある木の前で複数の野鳥が大騒ぎ。
撮れたのは一羽のメジロちゃん。
満開のタニウツギ。
行きのバス車窓からもチラリと。
標高が下がるとホウノキ咲いてた。
あとひと踏ん張り。
今日はKEENを履いてきた。
どの登山靴を履こうが、舗装道路歩きはどうしても足の裏が痛くなる。
カタバミにしてはずいぶんと綺麗ね。
やっと町まで。
バスなら30分で着くところ、2時間強かけて歩いてきたよ。
なんだかんだ楽しかった。
民家のシャクナゲがもりもり。
そういえばシャクナゲもツツジ科だったっけ。
今年は大当たりみたいね。
高架線を潜る手前にウツギの花。
レモンイエローが目を引く。
サンローラン*バナナボート
飯山駅から数分歩いて。
帰りに寄ろうと思っていた洋菓子とパンのお店、サンローランさん。
バナナボート(340円)牛乳パン(280円)おへりょパイ(170円)を購入。
バスを逃して斑尾高原から歩くはめになったけれど、こちらのバナナボートを楽しみにしていた旨を話すと大層驚かれ労ってくださる。
とても感じのいいスタッフさんに癒された。
【facebook・サンローラン】
https://ja-jp.facebook.com/sanlorann/
【食べログ・サンローラン】
https://tabelog.com/nagano/A2001/A200105/20011807/
飯山市大字飯山146
ドイツスズランが「また来てね」と。
新幹線車内でバナナボート。
プラスチックスプーンを持参していたのでどこも汚さずに完食。
飯山にまだ洋菓子店がない昭和50年頃に作り始めたそうで、まるごとバナナの元祖に当たるのかな。
ごちそうさまでした。
最後に
シラネアオイの小径は想像以上に素晴らしい。
次々と現れるシラネアオイに心躍る。
沼の原湿原まで足を延ばせば、お花好きの人なら一日楽しめそう。
<次回予告>山の麓の温泉宿でテント泊♫