乗鞍岳は、長野県松本市と岐阜県高山市の県境にあり剣ヶ峰(3026m)を主峰とする火山群。
アクセスは良好で標高2700mの畳平までバスが通じているため、初心者や子供でも比較的簡単に登れる。
日本百名山にさほど興味がなく登山者が多そうな山という理由で敬遠していて、実は今回が初登頂。
天候によって晴れダイヤ、雨ダイヤとシャトルバス時間が変則的なのも面倒な理由のひとつ。
予報が出てから決まるので、直前にならないとわからず運休になる可能性もあり。
今までも避難小屋泊の計画を立てる度に悪天候で中止、結果的に後回しになっていた。
それでは、お花が多い7月中に日帰りで登っておこうかという軽い気持ちで決行。
狙い目は今年まだ見ていないコマクサとクロユリ。
天気予報が微妙なので、あわよくば雷鳥さんに会えたらいいな~と。
【飛騨乗鞍観光協会】
https://norikuradake.jp/about/
もくじ
往復のアクセス
[往路]
22:25 バスタ新宿より夜行バス(9000円)
03:56 新島々BT
06:05 新島々BTよりバス(往復2700円)
06:52 乗鞍観光センター
07:00 乗鞍高原よりシャトルバス(往復3300円)
07:50 乗鞍山頂(畳平)
【さわやか信州号・新宿~上高地】
https://www.alpico.co.jp/traffic/rail/
【アルピコ交通・松本~新島々~上高地】
https://www.alpico.co.jp/traffic/local/kamikochi/shinshimashima/
【アルピコ交通・乗鞍高原~畳平】
https://www.alpico.co.jp/traffic/local/kamikochi/echoline/
[復路]
13:05 乗鞍山頂(畳平)よりシャトルバス
13:55 乗鞍高原
14:13 乗鞍観光センターよりバス
15:16 新島々BT
15:25 新島々より上高地線(710円)
15:55 松本
17:20 松本BTより高速バス(3600円)
21:33 バスタ新宿 ※渋滞で約1時間の遅延
【アルピコ交通・上高地線】
https://www.alpico.co.jp/traffic/rail/
【ハイウェイバスドットコム】
https://www.highwaybus.com/gp/index
乗鞍山頂(畳平)のバス停は、長野側と岐阜側があるので間違えないように
帰りの高速バスは、新島々駅BTから乗車するよりも松本BTからのほうが断然安かったため、電車で松本まで移動した
自己CT
08:05 乗鞍山頂(畳平)
08:31 不消ヶ池 08:32
08:57 肩の小屋 08:58
08:59 剣ヶ峰口
09:51 蚕玉岳
10:07 剣ヶ峰 10:15
10:21 頂上小屋上の岩場で休憩 10:29
10:30 乗鞍岳 頂上小屋 10:32
11:12 肩の小屋 11:30
11:48 富士見口
12:03 富士見岳 12:04
12:27 乗鞍山頂(畳平)
12:28 お花畑 12:49
12:50 乗鞍山頂(畳平)
新島々から畳平へ
天気JPでは雨なのに、てんくらでは晴れという微妙な天気予報に気持ちは揺れる。
晴れダイヤでシャトルバスが運行されるのを知り、出発当日の早朝に夜行バスを予約。

早朝4時前、新島々に到着。
夜行バスではウトウトしただけで殆ど眠れず。
大きな待合室と綺麗なトイレがあり、2時間待機も何とかなる。

窓から朝焼けが見えたので外に出てみた。
近くにセブンがあるようだ。

4:20頃アナウンスがあり窓口で往復券を購入。
山専ボトルでカフェオレを淹れて朝食を摂ったあと、読書していると眠くなり少しだけベンチに横になった。
長い待機時間を経てバスに乗り込む。
新島々から乗車したのは10名程度で座席に余裕あり。

乗鞍観光センターではトイレに行く暇もなく、急いで往復券を買う。

ここまで車で来るハイカーもいるので、長蛇の列ができていたがちゃんと座れた。
1台目は満席で座れなかったハイカーは2台目に誘導された模様。

初めての乗鞍山頂(畳平)。
晴れてくれてよかった。
<トイレ>
●畳平駐車場内公衆トイレ(無料)
●乗鞍BT内レストラン2F(有料)
●肩の小屋(未確認)
畳平からたくさんの花
畳平でトイレを済ませて出発。

ハイカーさんが歩く方向へ。

もうね~、序盤からお花に捕まりっぱなし。
清楚なコウメバチソウに目が釘付け。
他にもウサギギク、ヨツバシオガマ、イワギキョウ、コマクサなど。
でも、この辺に咲いてる花は少し傷みかけてるかな。

畳平の背後に恵比寿岳、魔王岳。

コマクサがいっぱい!
黒斑山で見忘れていたから今年初のコマクサ、嬉しい~♪
女王様はどうしてこんな過酷な場所に咲くんだろう。

青空が写り込む鶴ヶ池。

キレイ目のヨツバシオガマ。

不消ヶ池と不動岳。
左のピークはコロナ観測所がある摩利支天岳。

角度を変えて。
雪渓のペパーミントブルーが神秘的。

登山道の端っこを歩いていると、崖下にコウメバチソウの群生を見つけた。
素敵ね~。
手が届かないのでパワーショットでズーム。

岩の側に咲く黄色いヤマガラシ(山辛子)。

ネットでよく見る光景。
青空と陽射しとガスの三重奏でとても素敵に感じる。

高い位置に咲くウサギギク。

そのウサギギクに留まるクジャクチョウ(孔雀蝶)。
八幡平では100匹以上飛んでてビックリしたっけ。

う~~ん、この子は誰?
お腹がグレーで脇腹が茶色はカヤクグリかな。
高い位置から地面に降り、嘴に獲物を咥えて飛び立った。
へぇ、カヤクグリって日本特産種なんだって。

雪渓で夏スキーやスノーボードを楽しむ人の姿。

あ、小屋が見えてきた。

きゃーっ!
ヒメクワガタ(姫鍬形)じゃない?
夏に北アで見かける大好きな淡青紫色の小さい花。
青い葯の雄しべが2本、雌しべが1本。
この子は花冠が5枚。

ほらほら可愛いでしょ。

その隣にはヒメアカバナ(姫赤花)が。
こちらも同じように小さい。

アオノツガザクラがもりもり。

元気なウサギギク。

おっ!
レアなシロバナヨツバシオガマに会えた。
ここでしか見かけなかったのでかなり嬉しい。
涼しげな白花もいいね。

陽射しを浴びるイワギキョウ。

肩の小屋。
星と光が美しいんだろう。

小屋の陰にイワハタザオ。
楽々登山のはずが…
畳平から肩の小屋まではゆるゆるハイキングだった。

肩の小屋を越えたところにある剣ヶ峰口。
ここから本格的な登山が始まる。

畳平までバスで来ているので標高差は少なく、楽々登山のはずが。。。
寝不足のせいか足が上がらない。
明らかに私より年上と思われるご年配夫婦に追い抜かれる始末(笑)。

ミヤマゼンコに救いを求め。

咲き残りのミヤマダイコンソウに話しかけ。

イワツメクサで息を整える。
よく見ると、色んな種類の虫が潜り込んでるね。

そうこうするうちに、権現池が見える位置まで登ってきた。

まさに夏って感じ。
青も綺麗だけれど、こんなザレザレの斜面でコマクサが咲いてることに感激してしまう。

蚕玉岳の辺りから剣ヶ峰。

もくもくと湧き上がるガス。
午後は雨がパラつく予報になっていた。

大日岳、屏風岳、薬師岳。
初めての乗鞍岳剣ヶ峰
剣ヶ峰ロックオン。

頂上小屋上の分岐から右のルートで登ろうとしたら、下りてきたご年配男性に「こっちは下山道、登りは左側だよ~」と前を歩く女性が注意されていて。
そんなの知らなかったけど、一応、前の女性と同じく頂上小屋を経由する左側へ方向転換。
でも、私が下りる時も登ってくる人いっぱいいたけどなぁ。
知っている人が少ない謎のルール…?

乗鞍岳剣ヶ峰に到着。
山頂はそこそこ混んでいるが、写真の順番待ちは4~5分ほどで済んだ。
前にいた女性に「撮りましょうか」と声をかけて撮りっこ。
撮影ありがとうございました。

あれよあれよという間にガスに覆われる権現池。

黄土色の屋根が見える頂上小屋まで下りよう。

頂上小屋の裏手。

ベンチまで下りてきて振り返る。
剣ヶ峰を目指すハイカーの群れ。

ベンチはほぼ満席なので、密を避けるために岩場で休憩。
パイナップルバウム&ロイヤルミルクティー。
早朝に使った山専ボトルのお湯の残り、こんな時間でもまだ熱かった。

シンプルな外観が素敵な乗鞍岳 頂上小屋。
コーヒーが飲めるらしい。
トイレなし。
【乗鞍岳 頂上小屋】
https://norikuradake.net/about

では下りますか。

もう一度、剣ヶ峰を振り返る。
次回はぜひ泊まりで来よう。
肩の小屋でひといき
岩がゴロゴロの登山道、下るのに結構気を遣った。

肩の小屋では大勢のハイカーさんが休憩中。
【飛騨乗鞍観光協会・肩の小屋】
http://www.hida-norikura.com/stay_shop/katanokoya/

肩の小屋メニュー表。
チャーハンを注文しようとしたら、「小さいですよ」と言われたので。

窓際のテーブルには手作りマップ。

きつねうどん(1000円)に変更。
ガスって冷えてきたのでうどん汁の温かさが沁みる。
女将さんに「雷鳥さんはどこら辺に出ますか?」と尋ねた。
「色々なところにいるけど、昨日はそのトイレの下辺りにいましたよ」と教えてもらい探すも、どうやら今日はご不在の様子。
同日のヤマップを見たところ、雷鳥さんは大黒岳にいたみたい。

終盤のチングルマ、この辺はフレッシュなのが残ってた。
富士見岳のコマクサ
行きでスルーした富士見岳口から富士見岳へ。

ここからちょこっと登るだけ。

あっ、これは毛が生えてるからチシマギキョウだね。
撮影時に足が攣りかけて一瞬しゃがんでいると、「あの子転んだんじゃないの?」そんな声が上から聞こえる(笑)。
割と涼しかったので、殆ど水分を摂らずにここまで来ちゃったせいだ。

終わりかけとはいえ、コマクサの淡いピンクと優しい緑、薄茶色の岩がマッチしていい感じ。

見渡す限りザレた斜面に咲いているコマクサが素晴らしい。
素通りなんてできない。

ほんと可愛いね。。。

コケモモちゃんも。

ガスが迫って来てるー。
歩いてきた道を振り返って。
一番左のピークが剣ヶ峰。

お花を観賞しながら15分ほどで富士見岳。

そそくさと富士見岳を後にする。
ザレザレの道で滑りやすく、スピードが出せない。
眼下には畳平と鶴ヶ池。

畳平とコマクサ群生。
んもー、可愛すぎる!

咲いててくれてありがとう。
乗鞍岳ってこんなにお花の山だったんだね。
天空の花畑*クロユリ群生
最後に歩こうと思っていたお花畑へ。

階段を下りて行くと、ウサギギク群生と蜂。

うわぁ、岩の間に咲くイワギキョウがすごい。
あと、この白い小さい花なんだっけ?

白い花はとても小さくヒメウメバチソウに似ているが、葉が細くて華奢なのと咲く場所が違う。
わかり次第追記する。
<追記>ホソバツメクサ:高山帯の岩場や砂礫地などに生える

素敵すぎる自然の演出。

ミヤマキンポウゲがゆらゆら。

ハクサンイチゲもまだこんなに。

ハクサンイチゲをズーム。

一面に広がるモミジカラマツ。
夢中でお花を撮っていたら、女性に声をかけられ花の名前を聞かれたので教えて差し上げる。
「途中にリンドウがいっぱい咲いていた」と仰っていた画像は「イワギキョウ」に訂正。

そして。。。
会いたかったお花、クロユリがわさわさと。
こんな群生見たことないよ。


うつむき加減に咲くので上手く撮れないけれど。

派手さはなくても、シックでいい味出してる。


TG4で、なかなか見えないクロユリの雄しべを盗撮。

こちらの子は珍しくカメラ目線でバッチリ撮らせてくれた。
花ストーカーと化す私(笑)。

しなびかけてるクロユリも多い中、咲きたて新鮮な子に巡り合えた喜び。
すごいぞ乗鞍。

いや~もう感激♬
今日来てよかったわ。
次の休みじゃきっと間に合わなかった。

お花畑の様子。
とうとう雨がパラパラしてきたし、バスの出発時間なので戻らなきゃ。

そこへ飛んできた一羽の小鳥。
イワヒバリちゃんだっ!
慌ててカメラを構える。
しっかりと踏ん張った足が可愛い。

あら、こっち見てくれたの~。
きゃあ♥♥

下を覗き込む。

キリッとした横顔。
この直後どこかへ飛んで行っちゃった。
帰る直前にイワヒバリちゃんと会えて嬉しい。
元気でね。

トイレから戻るとこんなガスガスに。

また晴れ間が覗き、パラついた雨もたいしたことなくバスに乗車。
ところが、シャトルバス走行中にものすごい雨が降る。
山歩きを早めに切り上げといてよかったね。
下山後のヤギミルク&山芋ぶっかけそば
50分間バスに揺られ、乗鞍観光センターに着く。

雨はすっかりやんで夏空が覗いている。
バス待ち時間が18分あるのでソフトクリームを注文。

数種類の中からヤギミルク(500円)をチョイス。
こんな少量でカップは微妙に上げ底という、お高い乗鞍価格。
持ち帰り可のコーンだと+50円と更に高くなる。
しかし、ヤギミルクは旨~い。
とても小さなカップと木のスプーンは要返却なので急いで食す。

乗鞍観光センター前のBSに並んでいると、車道の向こう側にラベンダーが咲いているのに気がついた。
撮影直後に、「このザックどこで買ったんですか?」と綺麗なお姉さんより声をかけられる。
以前から欲しかったが売切れ状態で再入荷がなく、待っていても買えない羨ましいと言われた。
私と同じアッシュグレーのチビトートは愛用されているようだ。
以前、筑波山に行った時にバスの車中で前に立っていた男性が下げていたタビチビトートにひとめぼれした経緯を話し、ロウロウマウンテン話で意気投合。
まさかこんな所でザックをお褒め頂くとは予想外であった。
ありがとうございます。

新島々より上高地線で松本へ出たほうが、高速バスは安上がりになる。
予約済みだった19:00の高速バスを1本前の17:20にさきほど変更しておいた。

松本駅すぐの小木曽製粉所さんへ。
初めてなので食券の購入で手間取ったが、女性スタッフさんが教えてくれた。
松本駅前店は椅子はなく立ち食いセルフ型、食券は出さずに席で待つスタイル。
【そば処 小木曽製粉所】
https://www.ogiso-seifunjo.com/
【食べログ・小木曽製粉所 松本駅前店】
https://tabelog.com/nagano/A2002/A200201/20018212/

山芋ぶっかけそば(並660円)+ミニ山賊焼き(130円)をトッピング。
レビュー通り、お蕎麦はシコシコ歯ごたえあって普通に美味しい。
私が入店した時お客はひとりだけだったのに、その後ドヤドヤ入ってきて狭い店内は大混雑。
ちょうど食べ終わったのでスタッフさんにお礼を言って店を出る。
女性ひとりでも気軽に入れるお店。
松本に寄ったらまた来ようっと。
最後に
初めての乗鞍岳。
避難小屋泊まりにこだわらず、もっと早くに行っておくんだった。

夏はお花の宝庫となって目を楽しませてくれる。
小鳥もあちらこちらで見かけたし、運がよければ雷鳥にも会える山。
バスを乗り継いで行くのでアクセスにお金がかかるけれど、今度はゆっくりと泊まりで訪れたい。
