岩場に咲くクモイコザクラが忘れられない。
あの花を見たいという強い想いは一体どこから出てくるのだろう?
三ツ峠山だけでは飽き足らず、今度は八ヶ岳山麓へ。
限定的な場所に咲く春の花を訪ねるピークは目指さない花旅。
とはいえ、公園のような場所ではないためカテゴリーは登山とする。
朝だけ特急あずさ、帰りは中央道小淵沢から高速バスを利用した。
往復のアクセス
[往路]
08:00 新宿よりあずさ5号
09:53 小淵沢
10:07 小淵沢よりJR小海線
10:32 清里
※特急あずさの指定券は小淵沢の改札に提出してから小海線に乗車
[復路]
15:42 清里よりJR小海線(330円)
16:05 小淵沢
16:07 小淵沢駅より徒歩(約20分)
16:25 中央道小淵沢BS
16:34 中央道小淵沢BSより高速バス(2500円)
20:00 バスタ新宿
※清里駅はPASMO/Suica利用可
※19:05着予定が中央道八王子IC~高井戸ICの集中工事により約55分遅延
(通勤時間帯のピークを過ぎており、新宿から乗車するには好都合ではある)
【ハイウェイバスドットコム】
https://www.highwaybus.com/gp/index
バス乗車時間ギリギリでも空席さえあれば予約・変更・決済が可能で便利!
新宿~諏訪・岡谷・茅野線はトイレあり、SA休憩あり、充電用コンセントはUSB車両が殆ど
特急あずさより安価で快適、時間に余裕があるなら利用価値大
【公益社団法人やまなし観光推進機構・美し森】
https://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/spot/p1_4996.html
【八ヶ岳観光圏・清里ピクニックバス】
https://yatsugatake-ga.com/news/picnic-bus2022/
5/1~10/30までの指定日に運行(6月はなし)
自己CT
10:45 清里観光案内所
11:31 美しの森売店
11:31 出合小屋・牛首分岐
12:21 三叉路
12:55 天狗尾根・地獄谷入口看板
***花鑑賞***
13:30 天狗尾根・地獄谷入口看板
13:53 三叉路
14:20 出合小屋・牛首分岐
15:00 清里駅
新緑眩しい小海線で清里へ
あずさ5号の車中で単行本一冊(会話形式のミステリー小説)を読み終えたところ。
余韻はあるものの、あまりピンとこなかったので本の紹介はしない。
小淵沢にて小海線ホームへ移動。
久しぶりの小海線。
ディーゼルエンジン音が響き渡り、車窓からは眩いばかりの新緑が飛び込んでくる。
あぁぁ、山梨とか長野とかこういう場所に住みたいなぁ。。。
たまに来るからそう思うのかもしれないけど。
清里駅で降車したのは数名。
大きな待合室があり、時間つぶしも苦にならなそう。
まずは清里観光案内所に寄っておく。
とても感じのいい男性スタッフさんが「こんにちは」
徒歩で美し森の先まで花を探しに行くと言うと大層驚かれてしまった。
レンタサイクル、レンタカーなどの手続きもここで。
登山をしなくても自然と触れ合うことができる街。
清里駅周辺は大変キレイで大きな公衆トイレあり。
ただ、お店は火曜定休のようでシャッターが閉まり閑散とした雰囲気。
お城みたいな外観の建物はまさに昭和バブルの遺物か。
ファミマ清里駅前店に寄り、念のため追加のおにぎりを1個だけ購入。
コンビニスタッフさんもとても感じがいい。
街路樹のズミの花。
新葉が3裂してるから間違いない。
そこかしこから野鳥の声が聞こえる。
路肩に咲き乱れるセイヨウカラシナ。
一本道の舗装道路を上がって行くが、時々車が通る以外は人っ子一人いない。
オオルリやキビタキ、カッコウのさえずりが響き渡って。
フレンドリーなルリビタキ
清里高原ホテルの看板を過ぎると、左手に茶色い建物が見えてきた。
美しの森売店。
暑かったら帰りにソフトクリームを食べるつもりだったお店。
清里駅より1時間みていたが、花や鳥を観賞しながら徒歩45分くらい。
【美しの森売店】
https://kiyosato.gr.jp/utsujkushimori-shop/
この林道入口から出合小屋の手前まで歩く予定。
階段は工事中のためロープが張られて通行止め。
八ヶ岳美し森ロッジ「たかね荘」は2022年3月末で閉鎖になったようで実に残念。
一度でいいからキャンプしてみたかったな~。
枯草の中に咲くのはサクラスミレかな?
さっきから小鳥がいっぱい。
ウグイスカグラ。
すっくと立つツボスミレ。
小さな沢の側で小鳥の気配を感じて立ち止まる。
どうやらルリビタキ雌タイプのようだ。
観察している間、一切鳴き声なし。
後姿も可愛いぃぃ~。
尾っぽをピコピコしながら枝から枝へ飛び移る。
時たま地面に下りては枯葉を突いたりし、またすぐ枝へ戻る。
同じヒタキ系のジョビ子に仕草がそっくりなことに気づく。
私の存在を認識しながらも逃げることなく、色んなポーズをとってくれた。
ルリビタキ、ほんと可愛いねっ。
ルリちゃん、暫く遊んでくれてありがとね!
彼女はまだそこにいたけど、お礼を言ってその場を離れた。
あまりに嬉しくて誰もいない小径でひとりニヤニヤしてしまう。
トウゴクミツバツツジに目を奪われる。
おっ!
あのグレーの小鳥は。
やっぱりゴジュウカラだ。
木の周りをすばしっこく動き回る。
天気がよければ展望が素晴らしかったでしょうね。
ワクワクの出合小屋方面
ネットで見ていた三叉路。
この分岐は迷わず真ん中を進むことに。
左は天女山、右は羽衣池方面。
左に下りる道にもクモイコザクラ情報はあったけど。
途中の岸壁には何も咲いておらず、ちょっとだけ不安になる。
クモイコザクラは咲いててくれるだろうか?
ほぼ平行道で歩きやすい道が続く。
ネコノメソウ群生。
赤っぽい葯が少し残っているのでニッコウネコノメか。
日本鹿と思われる骨に遭遇。
まだ生々しい部分もあるので一応塗りつぶしておこう。
出合小屋の看板あり。
いつか出合小屋にも行きたいな~と思いつつ、もう10年近く経つ。
シロバナノヘビイチゴが可愛い花を咲かせて。
あれっ、下側の花弁のふちが微かにピンク色。
おぉ!
ヤマップで見ていた地獄谷入口の看板と鹿の頭蓋骨。
裏側は“山なめんなよ”とカモシーの絵。
遠くに堰堤が見える。
全てネットで収集していた情報と一致。
…ということは。。。
岩場に咲くクモイコザクラ
踏み跡とペイントに従い岩場に近づくと。
あー--っ!あったー--!!
八ヶ岳のクモイコザクラ。
<クモイコザクラ>
サクラソウ科サクラソウ属の多年草で日本固有種
コイワザクラの変種とされる
分布エリアは秩父山地、八ヶ岳、南アルプス、富士山
高山帯から亜高山帯の湿った岩壁に生育する
水が滴る岸壁に咲いている。
可愛すぎる♥♥♥
満開のピークは過ぎているけれど充分美しい。
ただ、興奮しながら手持ちで撮影したためか、ブレブレの画像ばかりになってしまい。
もっと落ち着いて撮影すればよかった。
花弁の切れ込みがずいぶんと深い。
岩場を探すとあちらこちらに見えるピンクの花。
外見の可愛さとは裏腹に、こんな岩場に咲く逞しさに驚かされる。
ゴロゴロの岩場を移動していると、キバナノコマノツメが2輪。
こっち向いてる子を這いつくばって撮影。
大きな岩に腰かけて、オムライスおにぎり1個の簡素なランチタイム。
花に夢中であまりお腹が空いてない。
熱いほうじ茶で喉を潤す。
今日は涼しいのでソフトシェルを着てきて正解。
ここでもミソサザイのさえずりが聞こえる。
姿は見えずともミソダンスを想像してほっこり。
さきほどの場所へ戻ってもう一度撮影するも、やはりブレブレ。。。
このふたつの群生、お気に入りだったんだけどなぁ~。
かろうじてブレが少ない1枚(笑)。
いや、それでも八ヶ岳のクモイコザクラに逢えたことが嬉しい。
ネットの開花情報だけを頼りに訪れて無事に逢えたんだもの。
下山時の花と鳥
羽衣池方面へ周回するのはやめて、おとなしくピストンで戻ることに。
時間さえあればもっと先まで探索してみたかった。
アオナシ?ヤマナシ?エゾノコリンゴ?
雄しべが赤いからアオナシ?
どちらにしても美しい白い花。
歩きやすい道なので快適。
だーれもいない。
苔の森が素敵。
こんなところで暮らせる鳥さんが羨ましい。
こちらもサクラスミレ?
パタパタ飛んできた2羽の小鳥。
身体は茶色がかったグレー、お腹は白っぽい。
戦場ヶ原で見たコサメビタキに似てる。
つぶらな瞳が可愛い。
コサメビタキちゃんなの?
シジュウカラもズミの木を行ったり来たり。
ちょっとだけ陽が射してきた。
赤い蕾が特徴のズミの木。
車道沿いのゴジュウカラさん。
ウワミズザクラ(上溝桜)がたわわ。
クリーム色のふわふわした花はニワトコ(庭常)。
接骨木とも呼ばれる。
行きとは反対側の路肩を歩いたら、足元に濃い紫のスミレ発見。
正式名がスミレという名の菫。
もう少しでゴールの清里駅。
わお、上品なオダマキも見つけた。
こちら側歩いてみてよかったわ。
清里駅に到着。
再度、清里観光案内所に寄りお目当ての花を見られたことをご報告。
先ほどの男性スタッフさんに撮ったばかりの画像を見せて差し上げると。
クモイコザクラは初めて見た、綺麗な花だと感激されていた。
そして「やっぱり歩いて行ってきたの?」と再確認されまた驚かれるという。
清里駅近辺のカフェは殆ど閉まっている。
それでも熱いコーヒーが飲みたくて、もう一度ファミマに行きおやつタイム。
シフォンケーキを指差して「それ美味しいですよぉ~ペロッと食べられますよ」と笑顔の女性スタッフさん。
ご親切にコーヒーマシンの側にて濃いめがあるさ~と教えてくださった。
どこのコンビニもこんな温かい接客を目指したらいいのに。
お店の2Fにも休憩場所があるらしいが、外のテーブルをお借りした。
楽しいひとときをありがとうございます。
蒸気機関車「C56 149」の展示。
クラウドファンディングでリニューアルされ、運転席に座れるそうだ。
ん?
何か赤いのがぶら下がってるなぁ…と、しゃがんでみたら。
清里駅手前にてまさかのベニドウダン。
きっと誰も気づかないよこんなの。
最後までラッキーな花旅となった。
いいところね、清里。
また来よう。
この界隈はもっと時間をかけて散策したいと思う。
次回は出合小屋まで足を延ばして、美し森の山頂へも登ってみたい。
日本一美味しいというソフトクリームを目指して。(^^ゞ
最後に
今回の山旅で出会った人達は皆いい人ばかりで、一日中快適な気分で過ごすことができた。
観光案内所のオジサマ、コンビニのスタッフさん、小淵沢の駅員さん、高速バスの運転手さんetc。
単なる偶然とは思えない。
今回は特にそれを実感できてとても嬉しい。
そういえば、最近になって他部署から異動されてきたり新入職されたスタッフも、働き者で明るく楽しい人ばかり。
職場でイライラすることがなくなり爆笑回数が増えた。
仕事は今までと全く同じなのに、人が替わるとこうも違うものかと。。。
3年近く我慢してやっと報われた感じ。
今の巡り合わせには感謝しかない。
ありがとうございます。。。