コロナ禍と長梅雨の影響により、思うように山に行けず気づいたらもう8月半ば。
静かなところでテント泊したいなぁ。。。
ずっと気になっていた高谷池のテン場に強烈に惹きつけられ、ここで過ごしてみたいという気持ちが高まる。
公共交通機関だけで無理なく行けるのはとてもありがたい。
天気予報は芳しくないけれど、他の場所には食指が動かずやはり自分の素直な気持ちに従うことにする。
<山行目的>
●高谷池でテントを張る
●1日目に火打山に登頂しておく
●山のひつまぶしにトライ
●現地でランチと温泉を楽しむ
もくじ
往復のアクセス・トイレ情報
[往路]
23:35 バスタ新宿より夜行バス(4800円)
05:06 長野駅⑦番乗り場
06:23 長野よりしなの鉄道北しなの線(850円)
07:07 妙高高原
07:20 妙高高原駅BSより笹ヶ峰直行バス(1000円)
08:10 笹ヶ峰
※しなの鉄道北しなの線はPASMO/Suica使用不可
【バス比較ナビ・東京発長野行き夜行バス】
https://www.bushikaku.net/search/tokyo_nagano/time_division_type-night/
【頸南バス・笹ヶ峰直行バス】
http://keinanbus.com/detail.php?id=33
[復路]
11:30 笹ヶ峰よりバス
12:20 妙高高原駅BS
14:52 妙高高原よりしなの鉄道
15:36 長野
16:18 長野より新幹線
<トイレ>
●笹ヶ峰BS
●高谷池ヒュッテ(ウォシュレット、暖房便座)
※手洗い、歯磨きOK、使用済ペーパーはゴミ箱へ
自己CT
[1日目]
08:30 火打山登山口
08:47 笹ヶ峰歩道分岐
09:24 黒沢橋 09:34
09:50 十二曲り①
10:20 十二曲り⑫ 10:30
11:40 富士見平
12:32 高谷池ヒュッテ 12:36
12:40 高谷池テン場 13:25
13:31 高谷池ヒュッテ 13:33
13:58 天狗の庭
14:36 ライチョウ平
15:14 火打山山頂 15:23
16:11 天狗の庭
16:29 高谷池ヒュッテ
16:35 高谷池テン場
[2日目]
07:38 高谷池テン場
07:41 高谷池ヒュッテ 07:45
08:30 富士見平
09:20 十二曲り⑫ 09:22
09:46 黒沢橋 09:50
10:16 笹ヶ峰歩道分岐
10:28 火打山登山口 10:32
10:34 笹ヶ峰BS(笹ヶ峰キャンプ場)
激安モーニング店やってない!
夜行バスは平日なので乗客はたったの数名。
さらに、運転手さんのご厚意により人と離れた座席に誘導されフィジカルディスタンスを確保。
トイレ付のためSAでの休憩は1回のみ。
独立3列でリクライニングが深く倒れるタイプだったので、長野駅周辺までぐっすり眠ることができた。
SA休憩の度にトイレに行っていた私にはとても珍しいこと。
それほど快適な夜行バスであった。
充電用コンセントあり、コロナ対策でブランケットなし。
2年前、初訪問した24時間営業の店ちとせ。
早朝の長野駅周辺で過ごせる場所として穴場的存在。
今回も、ここの激安モーニングを楽しみにしていたのだけれど。
月~木は昼12時からだそうだ。
これもコロナ禍の影響か。。。
仕方がないので駅前のファミマに寄り、パンと飲むヨーグルトを購入。
誰もいない駅構内の広い窓際に座って簡素な朝食。
長野より列車の旅。
早朝なので車内はガラガラ。
そういえば、いつ行っても大混雑してるバスタ新宿もガラガラだったよ。
常に長蛇の列のトイレに一人しかいなかった。信じられない。
妙高高原の改札を出て右のビジターセンター前にバス停がある。
またしても、乗客は私ひとり。
笹ヶ峰バス停はキャンプ場の広い駐車場内に。
すぐそばの登山口まで歩く。
いつも可愛いゲンノショウコ。
快適な木道歩きのスタート
緩い坂を上がると火打山登山口。
登山届を書いてポストイン。
今回は、キツそうな妙高山は無理して登らない。
水曜は早番だから夜遅くのヘトヘト帰宅は避けたい。
もともと、百名山は目指していないのもある。
序盤より頑丈な木道が続く。
きちんと整備されとても歩き易い。
小さな橋を渡る。
初めて歩く山はとびきり嬉しい。
新緑を見ては頬がゆるむ。
黒沢の水はそのまま飲用可能らしい。
プラティパスに1.3Lほど汲む。
持参した2L+500ml+500mlと合わせると合計4L以上。
高谷池の水場は煮沸しないと使えないため、担ぐことにしたのだ。
美しいツルリンドウ。
山の宝石。
黄色い花はコナスビ。
青空が嬉しくて。
だって、月~火の予報はずっと雨マークだったんだもん。
山行を中止にしなくてよかった。
こちらでチャーハンおにぎりを頬張っていると。
朝、登山口でお見かけした怪しげなオジサマに追いつかれる。
ザックなし、半袖半パンツ、腰にペットボトルの水、両手にはストック代わりの枝。
こんな岩場も。
サンカヨウの実、今日は食べないでおこう。
あ、ギンリョウソウがいた。
不規則なゴロゴロ岩の道。
4Lの水を入れたザックが重い、重すぎる。。。
シュラフ置いてきたのにこんなに重いとは。
ただ、猛暑ではなく秋の気配をところどころに感じる。
水の消費量がそれほど多くなかったのはそのせいかも。
手前が火打山かな?
奥にあるのが焼山。
高谷池は左へ。
この辺り、特に景観はなし。
あれが高谷池ヒュッテか!
山小屋が見えるとテンションあがる。
もう少しだ。がんばれ。
樹林帯で木の根元に咲くコバノイチヤクソウ。
オオバミゾホオズキ、見かけたのはこの一輪だけ。
ヤマハハコ、控えめな花だけど綺麗だね。
憧れの高谷池ヒュッテ
目の前に三角屋根の建物が。
高谷池ヒュッテに到着。
【高谷池ヒュッテ】
玄関がわからずウロウロしていたら、テント装備のパーティが教えてくださった。
ありがとうございます。
この看板の少しだけ奥に扉があった。
テント1人 1000円。
冷たいジュースが飲みたくて、クーオレンジ(400円)を同時に購入。
小屋前にいい感じのベンチ。
んん?なにこの花?
ウメバチソウに似てるけどもっと小さくてシンプル。
テン場までの道にポツポツ咲いている。
初めて見たかも??
池の水を直接引いているそうで、そのままでは飲用不可。
高谷池ヒュッテの水場は要煮沸です!
もしくは濾過器で濾過
個人的にはどちらもイヤなので担ぐことを選択
一番奥のエリアにテント設営。
もっと少ないかと思ったら意外と人がいる。
土なのでペグは刺さり易く適度な岩もあり、混んでなければ快適そのもの。
土日は大混雑だったらしいので、やはり平日がオススメ。
テン場に咲くシロバナニガナ。
この倒木ベンチにてチュロスを食べて小腹を満たす。
雲ノ平みたいな天狗の庭
では、火打山へ出発。
薄手のシェルとペットボトル水、サコッシュのみ持参。
行ってきまーす。
お天気がよくて気持ちいい。
とても素敵なロケーション♫
木道が終わると岩ゴロの道。
お!さっきの花だ~。
こちらの湿原にはいっぱい咲いている。
ヒメウメバチソウ、可愛いね。
*ヒメウメバチソウ*
ユキノシタ科多年草
八幡平、鳥海山、朝日山地、飯豊連峰、北アルプスの一部、利根川源流部、至仏山、燧ヶ岳と分布が限られている珍しい植物だそうだ
目の前に火打山が見えてきた。
こっこれは、まるで雲ノ平じゃないか!
とても素敵な湿原のお花畑が続く。
輝くシロバナニガナ。
うわ~、ウメバチソウだ。
ウメバチソウは繊細な芸術品。
いや~、想像以上に素晴らしい。
数名のハイカーとすれ違う。
火打山まで結構遠いことに気づきショックを受ける(笑)
ん?ピンクに染まった花が…。
イワショウブかと思ったけどアップで見ると違う。
調べたところ、どうやらサラシナショウマのようだ。
サラシナショウマ、かわいい~~♡
本当にあそこまで登るの?と思いつつ。
ワタスゲふわふわ。。。
現実逃避をしながら進む。
ワタスゲと池塘のコラボ、背景は火打山。
ちょっと雲が増えてきたけど、とてもいい雰囲気の場所。
秋の花トリカブト。
花の付き方と葉の形から、ツリガネニンジンかな。
白いヤマホタルブクロ。
鮮やかなマルバダケブキ。
火打山にも雷鳥がいるんだね。
確かに、ギョエッギョエッという鳴き声が何度か聞こえたよ。
こちらの登山道脇でもコバノイチヤクソウを発見し嬉しくなる。
幸せの青い鳥と火打山
殆ど空身で出発したとはいえ、今朝担いできた重いザックの影響が腰にきている。
テン場から近いイメージがあったけどそうでもない。
遠い火打山を目指しながら、心理的にも失速しかけていた矢先。
バサバサと目の前に突然現れた鳥さん。
尾っぽが紺で頭が茶色。カッコイイ。
もっとズームしようとしたら、草むらに飛び込んでしまう。
後日調べたところ、オオルリの雄の幼鳥だそうだ。
改めて画像を見返すと顔つきが幼い気がする。
会えてよかったよ!ありがとね。
登山中にさえずりはよく聞こえるものの、姿を捉えるのは難しいため嬉しさはひとしお。
ウグイスの声が一番多かったかな。
キキョ、キキョ。
振り返ると天狗の庭が一望できる。
この階段の先が山頂だろうか。
火打山山頂直下でウサギギクが群生している。
今夏は北アじゃなくて火打山で見ることができた。
誰もいないと思っていたら、妙高山を無言で見つめるペアがいた。
お邪魔しては悪いのであえて言葉はかけず。
ぴょこんと頭だけ見える妙高山。
反対側には雲がかかっている山々。
火打山に登頂。
セルフで撮影し、即、下山開始。
終わりかけのヨツバシオガマ。
ピント合ってないけど、一枚しか撮らなかったので。
さきほど一瞬陰ってきたのに、また明るくなってきた。
7月はお花畑がもっとすごかったんじゃないかな。
新潟の雲ノ平だよ。
散策だけでも楽しそう。
素敵な高谷池ヒュッテとテン場。
秋の紅葉も見てみたい。
火打山を眺めテン場でひつまぶし
ただいま!
火打山に登っている間に、テントが増えて合計11張となった。
テーブル・ベンチがいくつかある中で、一番の特等席をゲットして夕食準備。
こんな景色を見ながらの夕食は美味しいに決まってる。
ひつまぶしもどきでも、全然イケる!旨し!!
色々とアレンジが利くのでお試しを。
まずお湯を沸かして鰻をパックのまま湯煎で温めておく
別のフライパンにお湯を沸かし、お吸い物の素1袋を入れて混ぜる
コンビニおにぎり2個の海苔を取って投入し、ごはんに鰻のたれをかけ鰻を載せる
トッピングはわさび、刻み海苔、白ごま(長ねぎ小口切を持参していたのに載せ忘れ)
あとからコンビニおにぎりの海苔もプラスし無駄なく食す
【山めし礼讃】
げんさんの“山のひつまぶし”を参考にさせて頂きました。
http://yamameshi.doorblog.jp/archives/1994565.html
●鰻の真空パックは大き目がよかったので生協コープで購入(1000円くらい)
●ひつまぶしのダシは永谷園の松茸の味お吸い物で代用
●コンビニおにぎりはこんぶが売切れで南高梅にする
●トッピングは刻み海苔と白ごま入りのふりかけで代用
●大葉も売切れで家にあった乾燥みつばで代用
夕食後、テントの中で読み終わっていない長編でも読んでやろうと思っていたのに。
よっぽど疲れていたのか、そのまま眠ってしまったようだ。
読み応えありすぎて、4月に買ったのになかなか読み終わらない(笑)
20時頃、テントに当たるバラバラという雨音で目が覚めた。
あ!いけない!
テント入口は閉めていたけど、フライのチャックを閉めていなかったことに気づき、慌てて飛び起きる。
巻き巻きしていた部分を外し急いでチャックを閉める。
登山靴は前室に覆われ濡れずに済んだ。
トイレは我慢してそのまま二度寝に突入。
さすがに、エスケープライトヴィヴィだけだと夜間はちょっと涼しくまた目が覚める。
夜中に雨具の上を下半身にかけてまた二度寝。
我ながら図太いと思う。(^^ゞ
<追記>
子供の頃は内気でおとなしいタイプだったので、今の自分が不思議でしょうがない。
とはいえ、元々持っていなければ表出もしないだろう。
親からの呪縛が解ければ性格はいくらでも変えられる。
山とは関係ないので、これについてはまた後ほど。
爽やかな早朝の下山
☆翌朝☆
予報に反して早朝からいい天気。
夜間の雨はすっかり上がっていた。
は~~、やっぱり来てよかったわ。
早朝からいい天気。
テントの中で簡単な朝食。
畑のカレー(アマノフーズのフリーズドライ)
レーズンとくるみのパン
おさかなソーセージ
ふわラテ深い味
真夏はシュラフ代わりに使用している。
根気よくキツめに畳めば、ちゃんと入るよ。
お隣のテントは撤収を始めている。
下山は3時間以内で収まると踏んで、音楽を聴きながらのんびり寛ぐことにした。
私にとってこういう時間はとても大切。
8時に出発しても11:30のバスには余裕で間に合うだろう。
昨夜の雨でフライとグランドシートがびっしょり濡れていた。
タオルで拭きとりながら撤収。
テン場を振り返って。
高谷池、いいテン場だったな~。
また来ますね。
トイレをお借りして、高谷池ヒュッテをあとにする。
昨日はこの3つの実に気づかなかった。
早朝の爽やかな空気と木漏れ日。
あまりに気持ちがよくて下山するのが惜しい感じ。
色んな鳥の声が聞こえてくる。
小鳥がいたはずなんだけど。
中央の茶色いのが鳥さん。
葉っぱに隠れちゃった。
昨日、長野駅で夜行バスを降りてザックを背負う直前、あまりの重さに尻餅をついてしまう。
ザックと自分の体重が左手小指にのしかかり、ずいぶん痛いと思っていたら翌日こんなことに。
病院は嫌いなので自然治癒で対処。もう大丈夫。
ここからは少しだけ急な下り。
もう秋だわ。
黒沢橋を渡り。
登りでは気づかなかったが、木道に設置されている枕木が黒いゴムと木の2種類あって。
水平移動の箇所は木で、傾斜がある箇所に黒いゴムが付いている。
登山者が滑らないように配慮してくださっていることを下山時に知った。
細かなところにまで整備が行き届いていて感激。
ありがとうございます。
下山届も一応記入し提出した。
私が笹ヶ峰BSに到着したと同時に、妙高高原行きのバスが駐車場に入ってきた。
まだ1時間くらいあるのにこんな早くから待っているんだね。
お疲れさまです。
この景色を見ながらバス待ち。
白樺の切り株ベンチに座り、日影になる場所で待機中。
自販機はあるけど170円と高かったし、担いだ水がだいぶ残っているのでそれでがまん。
1.8Ⅼほど残っているので沢の水は要らなかったな。
下界は猛暑でも、山はもう秋。
やおとく食堂ランチ&温泉
さきほどのバスに乗車して50分ほど走ると妙高高原駅。
笹ヶ峰からは私ひとり、みどり池から観光客がお一人乗ってきた。
まずは、妙高高原駅まえのやおとく食堂へ。
事前に調べておいた地元で人気の定食屋さん。
お昼時なので、ほぼ満席。
迷わずこれに決まり。
ごはんの量は選べるみたいで、私はもちろんどんぶりを指定。
オーダーして待っている時、地元のオジサマが「これから山に登るの?」と聞いてきた。
「いえ、もう登って下りてきたんです」
「そうか、俺は妙高だけ登ったことあるよ」
味、ボリューム共に満足!
「ご馳走さまでした。美味しかったです」
感じのいい女将さんにお礼を言って店を出る。
お次は温泉へ。
温泉を先にしなかったのは、営業時間が13:00~だから。
先ほどバスで下りてきた坂道を再度登り返す。
こちらも事前に調べておいた妙高高原駅から一番近い温泉(徒歩13分)。
共同浴場だけれど泉質がよく、親父さんがいい人という口コミを読んで決めた。
ところが。。。
7/24から地元民専用となっている様子。
こんなところにもコロナ禍の影響が。。。
出てきた親父さんは口コミ通り感じがいい人。
泉質がいいと聞いてわざわざ駅から歩いてきたと言うと「そうなんだよ、一番いいんだ」と笑ってみせる。
残念がって別の温泉を紹介してくださった。
しかも、通りまで一緒に出てくださり「ここをまっすぐ行って右にあるよ」と。
香風館も同じくらい駅チカ。
この時間帯は私だけ。
清潔で涼しい脱衣場。
オシャレな洗面台。
レトロモダンというのか、思ったより素敵な内装で気に入った。
格式ある旅館という雰囲気。
うわぁ、いいんじゃない?
山が見える露天。
なんか落ち着く。。。
この露天がまたいいロケーションなのだ。
お湯の温度といい、蝉の声が聞こえるシチュエーションといい、高原の風がそよそよと吹いてとても気持ちよかった。
【香風館】
日帰り温泉 700円
※HPに日帰り温泉の営業時間が明記されていないので入れないかと思い尋ねると、大丈夫ですよとフロントで言われホッとした
帰り際、フロントのご主人と会話をしたついでに「ここの内装がとっても素敵でした」とお伝えする。
お世辞ではなく、本当に感じたことは感謝とともに伝えたい。
可愛いピンクのユリに似た花。
駅に向かって坂道を下っていく。
えちごトキめき鉄道は現金のみ。
在来線と新幹線で帰路につく。
最後に
今回、直前まで天気予報がよくなく迷っていたが、大雨じゃなければいいやと開き直ったあげくの山行。
いつも思うのは、気象庁から出た予報なのにサイトによってばらつきが結構あるのが不思議。
下界が曇りでも山の上は晴れていたり、またその逆もあるけれど。
私の場合は特に、事前に調べているうちに頭の中がその山(テン場)モードになってしまうので代替が利かないことが多々ある。
天気予報に振り回されないで本当に行きたい場所に行こう!
以前も書いたかもしれないが、それが私の結論。
高谷池ヒュッテのテン場、かなりいい。
難点は水場だけ。
平日こっそりと訪れることをオススメする。