“飯豊の星”イイデリンドウと出会って、いよいよ憧れの稜線へと向かう。大好きな避難小屋巡りも楽しみ。
この長い縦走路にはたくさんの可憐なお花たちと、数々の試練が待ち受けていた。。。
DAY3*予定外の大日岳、危険な雪渓と雷雨に遭遇
昨夜の雨はやみ、素敵な朝焼け。
外で歯を磨いていると、テン泊の男性がちょうどご出発されるところだった。
早朝はこんなにいい天気だったのよ。
同宿者2名と奥様にご挨拶して私も出発。
お世話になりました!
この景観に心震える。
お天気持ってくれるかな。
朝陽が当たって一気に輝きだす大日岳。
チングルマ果穂もキラキラ。
素晴らしいお天気に。
姫ちゃんの群生がお出迎え。
イイデリンドウはまだ蕾のまま。
やっと飯豊山に登れたことが嬉しくてしょうがない。
ゼブラ模様の山肌。
なんて素敵な稜線。
ここでまた大泣き。。。
自分がここを歩いているのが信じられない。
しかも朝からこんなに晴れて。
来てよかったよ。
葉っぱが丸く、馬の蹄(駒の爪)に似ている。
うわぁ、綿毛もっふもふ!
今まで見たウスユキソウの中で一番かわいい。
ハクサンシャクナゲが瑞々しい。
淡いピンクのグラデーション。
あーっ!
ピンクのチングルマは、太郎平小屋近くで見たことがあるよ。
茶色のW字でわかるオノエラン。
きゃーっ!アオノツガザクラ祭りだ。
御西岳の山頂は平たくて「えっ、ここが山頂?」という感じ。
素敵な道ね。
到着した時、若者パーティ7名が休憩中。
後に梅花皮小屋でお会いすることとなる。
管理人「わざわざ東京から来たのに大日に登らないの!?」
私「門内小屋まで行くのに時間がかかっちゃうので…」
管理人「行きは1時間半、帰りは1時間だよ?体力、気力、あんた次第」(^-^;
管理人さんに背中を押され、行くことにした。
ザックの置き方をご教示くださる。
「行ってきまーす!」「行ってらっしゃい」
御西小屋から下って行くと、ハクサンイチゲが!
今までのルートでは全く見かけなかった。
そして、ハクサンコザクラ♡♡♡
身もだえしちゃうほどの可愛さ。
大日岳の途中にもイイデリンドウ。
飯豊山のは蕾だったので、、、はじめまして!
閉じている花が多い中で、ぽつりぽつりと開花している。
逢えて嬉しい!
あれ、またガスってきた。
陽が射したりガスったりの繰り返し。
中心部が薄桃色のミヤマダイモンジソウ。
そうそう来られないんだもん、登ってよかったよ。
御西小屋管理人さんが仰る通り、登山地図のCTほどかからない。
大日岳からの下山時、滑って右手を岩にぶつけ焼いたお餅のようにぷくーっと膨れ上がる。
その程度の怪我でよかった。
そしていきなり雨が降ってくる。
ペットボトルの水500mlと貴重品しか持ってない。
御西小屋に着くと急に晴れて暑くなり、天気の変化が目まぐるしい。
<追記訂正>コシジオウレン
派手めな美人さん。
雪渓の左側に登山道があるので見逃さないように。
この辺りまではお花畑が続き、嬉しさいっぱい♪
こんなハクサンコザクラ大群生に出会って狂喜乱舞。
雨に打たれるシラネアオイ。
雪渓を渡り疲れ気味なのに、お花があると撮らずにいられない。
御手洗ノ池で雨脚が強まってきた。
仕方なく雨具の上だけ着てザックカバーをかけ、カレーパンをかじる。
後戻りできないので前に進むのみ。
危ない雪渓をいくつも越えて地獄のような行進が続く。
雷が鳴っている。。。これは、門内までは無理だな。
大雨に打たれながら、シナノキンバイを辛うじて撮影。
右から左へと横断した野ネズミさんと慌てて駆け下りてきた野兎さんに出会う。
「ウサちゃん!」と呼ぶと私を見て脱兎のごとく駆け上がって行った。
びしょ濡れの兎さん、可愛かったな。
頭上で雷が鳴り、何度もしゃがんで待機。
さすがに怖かった…(◎_◎;)
「何とか無事に小屋まで行かせてください」と祈る。
豪雨のさなか、烏帽子岳に突入。
何故か「行くなら今だ」と第六感でわかったのが不思議。
その直後にぴたっと雷はやみ、雨も上がるという急展開。
梅花皮岳に着く頃には晴れてきて。
何が起こったのか理解ができない。
「あ!虹だ!」と声が出たところで、また大泣き。。。
まさかまさか、あの地獄のような雷雨が急に晴れるとは予想できなかった。
そして梅花皮小屋が見えると、ホッとしてまた泣けてきた。。。(ノД`)・゜・。
この山行中に一体何回泣いてんの?
素晴らしいロケーション!
今日はもうここに泊まろうね。
大日岳に行かなければ門内小屋まで進むつもりだった。
あなたもさっきの豪雨に耐えたんだね。
梅花皮岳から下りてきて振り返ると青空。
何だったんだあの荒天は…。
キツネにつままれたような気分。
まず、右側の管理人室に向かう。
「濡れたもの干してからでいいですよ」と言われ、着替えてから再度お邪魔する。
管理人さんは雨の行程を労ってくださった。
水はドバドバ出てるので汲み放題。
ありがたい。
玄関先に濡れたものを干して、さらにここで着替える。
愛用中の雨具はファイントラック エバーブレスフォトンジャケット レディース。
生地が柔らかくなめらかなストレッチ素材なので着心地がいい。
私のは型落ちなので胸ポケットがあるけど、新しいのにはついてないみたいね。
2Fには先ほどお会いした7名パーティ。
大学生かと思ったら高校生だそうだ。
「お疲れさまです、明日はどちらまで行かれますか?」
男性1名がわざわざ下りてきてくださり「夜はうるさくしないよう注意しますので」と。
後からわかったがこの方は先生だった。30代前半の好青年。
4泊5日で明日は朳差小屋に泊まるそうだ。
なんてうらやましい。
優しい管理人さんからの差し入れ。
ゼンマイ、大根、筍の煮物が美味しかった。
ごちそうさまです。(#^^#)
ペペロンチーノの素(トップバリュ)と持参した卵1個でガーリックチャーハン。
ポテトポタージュスープ。
パッケージの裏に書いてあった簡単便利な使い方、これ山に最適。
ここは水が豊富なので安心してお茶も飲める。
北股岳の向こうに夕焼け。
いい小屋だ。
結果的にはここに宿泊でよかったと思う。
DAY4*梅花皮小屋~門内小屋~梶川尾根で飯豊山荘
☆4日目朝☆
食事中の7名パーティにご挨拶し、梅花皮小屋を出る。
開花したばかりのウメバチソウ。
何とも可愛らしい。
40分で北股岳。
早朝はガスガス、その後陽射しは出たのにまたガスってきた。
谷川岳馬蹄形を思い起こさせるような稜線。
ギルダ原の辺り?
歩いていてとても気持ちがいい。
黄緑色の花はタカネアオヤギソウ?
おぉ、山頂の赤い祠と小屋が見えてきた。
赤い祠がある門内岳。
門内岳のすぐ下に小屋がある。
門内岳避難小屋に到着。
門内岳避難小屋は狭いけど、ここもいいね。
管理人さんにご挨拶して昨日からの顛末をお話していると、7名パーティに追いつかれる。
速っ!
ご挨拶をして先に出発。
オコジョがいるんだね。
いつか会えるかな。
扇ノ地紙分岐で雨具の上を脱いでいると、7名パーティが通りかかり「お気をつけて」と先生より。
地神山方面へ颯爽と下って行った。
丸森尾根と迷ったが最短でお風呂に入るために梶川尾根を選択する。
地神山方面の景色。
暑くなってきたので雨具パンツも脱ぐ。
展望が開け解放感が素晴らしい!
んん~これはイイデじゃないね。
ミヤマリンドウ。
わっ、トキソウさんがいた。
だいぶ前、谷川連峰縦走中に見たことがある。
とても嬉しい。
ええと、これは岩手山で見たのと同じかな?
キンコウカ。
宇宙人ぽいラン系の花は、オオヤマサギソウ?
梶川峰の辺りまではずっと展望が利く。
ピンクがかってスルーできなかった。
五郎清水。
ここで男性の声が聞こえたのは空耳だったかも?
タニウツギがキレイ。
登り返しがキツイ湯沢峰。
下山なのに登りは勘弁して…。
だいぶ歩き易くなり、眼下に飯豊山荘の屋根が見えた。
「あともう少し」怪我しないようにゆっくり下りる。
昨日、滑って手を怪我したからね。
細尾根で結構な急傾斜だった。
お昼前に着けると予想できたので慌てず慎重に。
飯豊山荘の手前で釣り人2名に声をかけられる。
「飯豊山?お疲れさまでした」
やっとお風呂に入れる~~。
シャワーのお湯が水しか出ないと恐縮されるが「もう、お風呂に入れるなら全然構いません!(笑)」
ここのご主人もお優しいかたでほんと助かりました。
いいお湯をひとり占め。
ふぅ。。。しあわせ。。。
冷たいジュースを一気飲み。
湯沢峰周辺でパンを食べたので食事は頼まなかった。
お風呂から出ると天気雨が降っている。
http://www.siroimori.co.jp/iidesansou/index.html
13:10のバスが待機していた。
この時間は私ひとりだけ。
小国駅に到着。
米沢で途中下車できると聞いたので、チケットは通しでカード購入。
1両だけのちっこい電車に乗る。
事前に調べておいた東部食堂へ。
米沢駅から徒歩8分。
新幹線の待ち時間に。
煮干し系スープがめちゃ旨かった。
もちろんチャーシューも。
ご主人が「山行ってきたの?」そこから暫し山談義。(^^ゞ
ご主人そっくりな息子さんと、奥様もとても感じがいい。
最後に心温まる「おしょーしなー」(山形県置賜地方の米沢市で使われる方言でありがとうの意)と声をかけられ店を出る。
ごちそうさまでした!
最後に
試練の飯豊山。
そのぶんご褒美も計り知れない。
地図を辿りながら喜びにひたる。
そして、これが言いたかった。
「飯豊はイイデ~!」(^^ゞ
本当に思い切って行ってよかった。
各所で出会った方々には大変お世話になりました。
皆さんのお陰で縦走できました。ありがとうございます!!