2019年4月の過去レコです
諸般の事情により登山から遠ざかりつつある自分へのエールとして。。。
隠れ家的な雰囲気がたまらない犬越路避難小屋での楽しい出会い。
初登頂の大室山から避難小屋巡りを楽しみ、最後にハナネコノメが待っていてくれるというラッキーな春の縦走ができました!
山行目的
●久しぶりに丹沢を歩きたい
●犬越路避難小屋で宿泊(メイン)
●大室山に初登頂
●避難小屋巡り
●ハナネコノメに会えるかな?
●中川温泉
数年前に初めて訪れとても気に入った犬越路。上手く言葉にできないけれど、避難小屋好きの私の血が騒ぐような…(笑)
いつかここに泊まってみたいと思いつつ、下界から近すぎるためになかなか計画が立てられなかった。
前夜にパッキングもせず寝落ちしてしまい4:30に目が覚める。
始発電車に乗れないとなると選択肢はここしかない。むしろ好都合。
おかげさまで、憧れの犬越路避難小屋にやっと泊まれる~!ワクワクしながら久しぶりの丹沢方面へ。
新松田駅に着くとトイレが改装されていた。うわ~キレイ!
いつものチケット売場は休憩中で閉まっていたので、駅前のコンビニで食糧を調達。
ここは以前違うミニスーパーだったけどセブンに変わったようだ。
往復のアクセス
新松田駅の改札を出たところがバス停。
12:55発の5分前にチケット売場が開く。
帰りに途中下車できるか尋ねると「温泉ですか?それならこちらのセットですね」と、お得な往復チケットを教えてくれた。
西丹沢ビジターセンターの往復チケット&中川温泉(ぶなの湯)の入湯料込みで2250円。
温泉なしの往復チケットは2120円なので、たった130円で温泉に入れることになる。
ぶなの湯は通常なら2時間で700円。
前からあったのかもしれないけど、私はこの日初めて知り大感激。
これはもうね、絶対オススメ!!(´▽`*)
寝坊した割には今日も幸先がいいな~。
<お得な往復乗車券:富士急湘南バス>
●新松田駅 ⇔ 西丹沢ビジターセンター 大人 2120円
●西丹沢温泉セット券(バスと中川温泉入浴券) 2250円
※ぶなの湯のみ有効なので注意してね!信玄の湯では使えません!
自己CT
[1日目]
14:07 西丹沢ビジターセンター
14:32 用木沢出合
15:53 犬越路避難小屋
[2日目]
04:55 犬越路避難小屋
06:31 大室山分岐
06:36 大室山 06:37
06:42 大室山分岐
07:13 破風口
07:32 前大室
07:43 加入道山
07:44 加入道山避難小屋 07:56
08:08 白石峠
08:25 水晶沢ノ頭
08:53 シャガクチ丸 08:59
09:12 バン木ノ頭
09:40 モロクボ沢ノ頭 09:43
10:06 畦ヶ丸避難小屋(外) 10:20
10:22 畦ヶ丸 10:24
10:26 畦ヶ丸避難小屋(外) 10:53
11:27 善六ノタワ
13:12 堰堤
13:19 西丹沢ビジターセンター
犬越路避難小屋でまさかの楽しい出会い
西丹沢ビジターセンターまでバスで1時間ちょっと。
平日は無人のようだ。
バスの中で書いておいた登山届をポストに投函する。
登山届はバス乗降口に吊るしてあるので、持参し忘れた時には大変ありがたい。
今日もいい天気!
足元の紫色ストライプは野路スミレかな?
まん丸のミツマタが青空に映える。
あ!以前見た山羊さん。こっち向いて。
数人のハイカーさんとすれ違う。
週末ならもっと混雑しているだろう。
平日だから避難小屋はひとり占めだろうと思うと、ワクワクしてしょうがない。
青い橋を渡る。
可憐な姿に立ち止まる。綺麗だね。
キャーッ!大好きなエイザンスミレさんも登場。
葉っぱがギザギザだからわかり易い。
淡いピンクがいい。
青空にテンション上がる。
小首を傾げた色白さんはマルバスミレ?
何気ない景色にも笑みがこぼれる。
やった!もう少し!この瞬間が好き。
無人小屋に泊まると話すと必ず「怖くないの?」と聞かれるけれど、私にはそのような感覚はない。
普段の生活が便利すぎるからこそ、電気も水もない場所であえて生活してみたい。
風雨を避けられる頑丈な建物があるだけでありがたいのだ。
宿泊の基準としては、女性なのでトイレがあること。
丹沢にはトイレがなくても綺麗な避難小屋がたくさんあって悩みどころ。
●犬越路避難小屋
まあまあ綺麗、トイレあり(水で流す)、ペーパーなし(使用後は持ち帰る)
●加入道避難小屋
新しくて綺麗、トイレなし
●畦ヶ丸避難小屋
やや古い、薪ストーブあり、トイレあり、ペーパーなし(使用後は持ち帰る)
●菰釣避難小屋
新しくて綺麗、トイレなし
●黍殻避難小屋
新しくて綺麗、トイレあり
●一軒屋避難小屋
未訪問
足元のスミレに立ち止まったり小鳥のさえずりを聞きながら、約2時間で犬越路避難小屋に到着。
今日はここまで。
ドアを開けると、まさかの先客。
「平日だから誰もいないだろうと思ってましたよ」と私。(^-^;
パッと見は普通のオジサマ。
ところが、色々伺っていくうちにとんでもないお方だということが判る。
登山歴50年以上の72歳で、富士山や穂高でビバーク(テントやツェルトは使わない)経験の豊富な元クライマーさん。
北岳が一番好きで100回以上訪問しているそうだ。
登山歴が長いとどうしても山歴自慢になるのが常だけれど、バテない歩き方や呼吸法を詳しく教えてくださった。
それは山雑誌に掲載されているようなものではなく、50年のご経験により自ら編み出したもの。
足は膝から上げるのではなく、股関節から上げること。それに腹式呼吸を組み合わせる。家にある鏡の前で実際に見ながら行ってみると理解できる。
慣れないうちはできないと思うが股関節、呼吸法を常に意識しながら歩いてごらん。あとは柔軟性が大事。
「変なオジサンがなんか言ってたなー、あれっ?でも気づいたら今日はバテてないなぁ」とわかる時がきっとあるよ。
床に座った状態で180度開脚し胸がペタッと床に着く。立ち姿で足を上げ頭の位置までつま先が届く等、とても72歳とは思えない。
しかも、若い頃から柔らかかった訳ではないと言うから驚いた。毎日トレーニングを欠かさず続けていらっしゃるとのこと。「継続は力なり」とも。
ホットヨガを3年ほどやっていたことがあるが、身体が固い私はそこまでできない。
いやいや、恐れ入りました。。。こんな72歳いない。ストイックすぎる。。。
またまた、例のカマンベールチーズフォンデュ鍋。
安定の旨さ。
夕暮れのひととき。
話題が尽きず一度おやすみなさいを言ってからもおしゃべりが続き、21時頃にやっと就寝となった。
地元のFさん、本当に楽しかったです!
ありがとうございました!!
大室山~加入道山~畦ヶ丸
翌朝は3:30起床。
Fさんが早めのご出発なので私も少し早めに。
Fさんはこれから檜洞丸~臼ヶ岳~蛭ヶ岳~丹沢山~塔ノ岳。
そして大倉バス停に16時のご予定。なんという大縦走!何度も言うが只者ではない。普通の72歳はそんなことできないよ。
Fさんにお礼を申し上げてお別れし、私も6時に出発する予定を1時間早めた。
初めて歩くルートを含むので時間に余裕を持たせたい。
誰もいなくなった避難小屋にもお礼を言って斜面を登り始める。
すぐに暑くなって雨具の上着だけ脱ぐ。
Fさんが言っていたベンチがある場所まで来ると、富士山が姿を現した。
反対側の空はオレンジに輝いている。
昨日と違って風は全くない。
静かな尾根歩き。
自然と頬が緩む。
そして。。薄紅富士が。
この瞬間この道を歩けることに感謝。
何度見ても美しい。
2時間ほどかかると思っていたら、大室山手前の分岐に予定より早く到着した。
こちらもいい感じ~。
ベンチにザックをデポして大室山へ。
静かで誰もいない大室山頂。
メジャーな山からは離れているのでなかなか来られなかったけど、犬越路に泊まったからこそ登る気になったのも事実。
寝坊を理由に中止しなくてよかったよ。
楽しい避難小屋巡り
大室山からはガーッと階段の下りになる。
Fさんが仰っていた通り、富士山が大きく見え展望は最高~!
丹沢らしい景観。
だいぶ下りるのねー。
木製クマヨケ。
とりあえず、こういうのは鳴らしてみるタイプ。(^^ゞ
いくつものアップダウンを繰り返し、前大室を経由して加入道山へ。
左側に見覚えのある加入道避難小屋が。
以前、この避難小屋見たさにわざわざ遠回りして登ったことがある。
下棚~本棚からのルートのほうが近いのに、用木沢出合~白石の滝~白石峠~加入道のルートを登り、そこから目的地の畦ヶ丸へ。
泣きたいくらい遠くて、畦ヶ丸避難小屋に着いた時は心底ホッとした。
我ながら、つくづく物好きだなぁと笑ってしまう。
加入道避難小屋のドアを開けたまま座っていたら、男性ハイカーさんが現れた。
ちょうど私が雨具パンツを脱いでいる最中で、びっくりされただろう。
その節は大変失礼しました。
本日、初めて出会ったハイカーさんだったのに…(笑)
水晶沢ノ頭。
モロクボ沢ノ頭。
ベンチに寝転がりアセビを見上げる。
加入道から畦ヶ丸は一度歩いたルートだけど、同じくアップダウンがあり、こんなに長かったっけ?と思っていたら着いた。
<追記>2020年10月中旬に建て替えられ新しくなりました!
その時の宿泊記録はこちら↓↓↓
宿泊したのは2年前の2017年4月下旬。懐かしいな。
畦ヶ丸避難小屋前のベンチで休憩。
ここで食べようと決めていたどら焼き、山専に残っていたお湯でカフェオレを淹れる。
これが最後の水分。
今日は少し足りなかった。
畦ヶ丸山頂。
約2分で登頂して避難小屋に戻る。
このベンチがとても気持ちよくて、そよぐ風と温かい陽射しの中、30分ほど昼寝をした。
あぁ~しあわせ~~。。ウトウト。。。
会いたかったよ♡ハナネコノメ
さてと、もう一度山頂方面へ。
後は、ハナネコ目指して下りるだけ。
畦ヶ丸~ビジターセンター間は、未知のルート。
丹沢は大きなベンチがあっていいね。
斜面を下っている時、目に入った淡いブルーの花。
近くに寄ってみるとフデリンドウじゃないの?
かっ、可愛い。たった2輪だけど心が躍る。
大きな岩がゴロゴロの下りは結構ハード。
イワボタンかな?似てる子はいっぱいいる。
何度か渡渉して辿り着いた場所。
そこには白くて小さい花が。
赤い葯は殆ど落ちてしまったけど、探すとわずかに残っている子が。
「あーーっ!いた~」ちゃんと待っていてくれたんだ。
このルートを歩いて来た甲斐があったよ!ありがとね。
キランソウ見つけた。
ユリワサビ。
うあー!
すごく嬉しかったのは、ツルシロカネソウ。
この1輪だけ。
こちらでもミツマタの大群生に出くわす。
堰堤を右側より越える。
いくつもの橋を渡って丹沢ビジターセンターへ。
10本以上はあったかな。
緑の吊り橋が見えたらゴール。
あぁ喉が渇いた!冷たいお茶がこんなに美味しいと思ったのも久しぶり。
1時間以上も早く着いたので、持参したコロッケパンで簡単なランチをしながら14:40のバスを待つ。
中川温泉*ぶなの湯*
アナウンスを聞き逃したのか「次は、中川温泉入り口」で慌ててピンポンを押す。
ぶなの湯は中川バス停で降りたほうが近い。
一度行ってみたくて、割引券の存在を知る前からこちらに決めていた。
アルカリ性単純温泉で湯温(42℃)は熱すぎずちょうどいい。
露天風呂とジャグジーは後からできたようだ。
何といってもご主人と女将さんの応対が素晴らしい。
お客さん一人一人をきちんと見ていてお声をかけてくださる。
私が帰る際にも「山から下りてきて皆さん嫌がるんですが、(中川バス停まで)もう一山登ってください(笑)」と明るい女将さん。
また来たくなるなごみの温泉。
もちろん「また来ます!」とお礼を言いバス停に向かった。
【ぶなの湯】
http://www.town.yamakita.kanagawa.jp/0000004011.html
月曜定休
祭日の場合は翌日がお休みとなる
最後に
いつも単独登山で不思議に思うこと。
ひとりが好きだからひとりで出かける。
それは私にとってはごく当たり前のこと。
でも、毎度のようにお山の中や下山後の帰宅途中にまで素敵な出会いがあってびっくりさせられる。
人に恵まれているなぁと。
自分が本当に好きなことをしている時、プラスの引き寄せの力が働いているとしか思えない出来事ばかり。
ありがとうございます!!