新緑が美しい5月。
あらかじめ申請しておいた2連休に今年初のテント泊を計画。
別エリアでのゆるキャンを考えていたが、2日間とも雨マークがついてしまい諦める。
今から予約できるところはあるかな?
前日の昼休みにダメ元で電話すると、七ツ石小屋のテン場がなんと空いていた。
猫支配人のでんちゃんにまた会えると思うと嬉しくてしょうがない。
バスのダイヤやランチのお店など猛スピードで調べ上げて準備万端。
もくじ
往復のアクセス
[往路]
08:46 青梅線にて奥多摩
08:55 奥多摩駅②よりバス(760円)
09:29 鴨沢BS
路線バスの時刻表・運賃はこちらから
【西東京バス】
https://www.nisitokyobus.co.jp/rosen/pocket.html
【西東京バス・ハイキング時刻表】
https://www.nisitokyobus.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/20230325_okutama.pdf
※都内からだと鴨沢西行きバス8:55に接続可能
[復路]
13:55 奥多摩より青梅線
自己CT
[1日目]
09:35 鴨沢BS
09:52 登山口
10:13 小袖駐車場
10:18 雲取山登山口
10:42 合流地点
11:48 風呂岩 12:06
12:26 堂所
13:28 七ツ石小屋
[2日目]
05:28 七ツ石小屋テン場
05:34 水場 05:35
05:39 七ツ石小屋上分岐
06:07 千本躑躅山 06:08
06:44 高丸山 06:45
07:16 名栗日陰山
07:36 鷹ノ巣山避難小屋 07:37
08:05 鷹ノ巣山 08:20
08:38 水根山
09:05 涸沢ノ頭 09:06
09:41 分岐
09:45 六ツ石山 09:50
09:53 分岐
11:25 登山口
11:57 奥多摩駅近道7分看板
11:59 農家ヘムロック
※お花や野鳥を観察しながら歩いているので、CTは比較できません
新緑とお花に癒されながら七ツ石小屋へ
奥多摩駅に着くや否やトイレをパスしてバス停へ直行するが、既に長蛇の列ができていた。
ざっと数えたところ40名ほどで後からどんどん列が伸び車内はぎゅう詰め。
それでも何とか座席に座れてホッとする。
平日のちょうどいい時間帯の鴨沢西行きは8:55発の1本しかないのよねー。
鴨沢BSに到着したら一番にトイレを済ませ向かった場所は山かゑる。
あれっ、月曜だけどお休みみたい。
【山の休憩所かゑる】
https://twitter.com/yama_kaeru
仕方がないので再度鴨沢BSに向かう。
そのたった2~3分の間にトイレに並ぶハイカーの列ができていた。
輝く奥多摩湖。
鴨沢BS近くに咲いていたオダマキ。
この坂から登山開始。
道路脇の小さい花が可愛い。
淡いパープルのセリバヒエンソウ。
多肉植物も花開く。
そうそう、登山靴スカルパZGトレックGTXのデビュー戦の日。
テメレア(ワインレッド)を2年ほど愛用しており、フィット感がいいので色違いのナイルブルーを追加。
半年前に購入していたものの履く機会がないまま今日に至る。
足幅が広すぎるシリオは履きつぶしてようやく断捨離、お疲れさま。
坂をゆるゆる登っていると、可愛い鳴き声とともに複数の野鳥が飛び交っている。
暫しの間観察するも葉の陰に隠れてしまう。
ピンボケだけどオレンジの嘴が見えてソウシチョウと判明。
外来種ワースト100に指定されている野鳥で、さえずりと羽色が美しい。
調べてみたところ、江戸時代からペットとして飼われていたものが野に放たれて繁殖した模様。
大昔に自分達で輸入しておきながら外来種ワースト100だなんて、ソウシチョウも可哀想な鳥だなぁ。
つくづく人間の身勝手さを思い知らされる。
藤の花があちらこちらで満開。
ここでも、後から登ってきたハイカーさんにどんどん抜かれて。
ジュウニヒトエ群生。
きゃ、可愛い~。
小袖駐車場の手前にてツチグリ発見。
お手手をパッと開いて自己主張する姿に思わず笑ってしまう。
今日は午後から雨がぱらつく予報だけど、今のところ晴れている。
久しぶりのテン泊装備がずっしり重く最後尾に。
新緑に癒しを求めて一歩一歩進む。
あれぇ、もしかして一ッ葉エゾスミレの葉っぱじゃないの?
群馬県の鳴神山で見たことがあったけど、奥多摩にも生息してたのか。
こちらは通常のエイザンスミレの葉。
大好きな斑入りちゃん。
フイリヒナスミレかな。
花は終わっていても可愛い葉っぱが気になってしょうがない。
エネルギー切れのため風呂岩のところで休憩。
陽が陰ってきて肌寒くなりウィンドシェルを羽織る。
山専ボトルのお湯でコーヒー、レーズンパンとお魚ソーセージで簡素なランチタイム。
また陽が射してきた。
最後尾かと思ってたのにテン泊装備のハイカーさんがぽつりぽつり現れる。
「お先にどうぞ」
七ツ石のテン場スペース大丈夫かな~?
下山のハイカーさんに道を譲って小休止。
キランソウがいっぱい。
小さな群生がそこかしこに。
あっ、エイザンスミレだ。
七ツ石小屋下の斜面に咲き残ってる。
エイザンさんギリギリ間に合ったね!
七ツ石小屋の人気者でんごろう(=^・^=)
あぁ、もう登らなくていいんだ~。
七ツ石小屋にやっと到着。
鴨沢BSから正規のルートなので、いつもより時間がかかってしまったよ。
小屋手前のスペースにもテントあり大混雑ぶりが窺える。
「今年4月中に死亡事故2件発生」
「無理をしない!生きて帰ればまた来れます」
本当にその通り。。。
【七ツ石小屋】
要予約、1人1000円、水場あり、トイレあり
小屋の中は常連さんでいっぱい。
小屋番さんにお声がけして、テン場にザックを置きに行くため扉を閉める。
「あら、でんちゃん!!」
まるで私を待っていたかのような嬉しいお出迎え。
安易に媚びたりしないのがでんちゃんのいいところ。
でも、あまりにそっけないのでちゅ~るの袋を見せると。
こっち向いた(笑)。
七ツ石小屋テン場の様子。
寒くてすぐさまダウンを羽織る。
あとで七ツ石山に登る予定だったが、既にそんな気力は残っていない(笑)。
この日の幕営は13:00からだったようで、早く着いた人は待たなければならなかったらしい。
トイレ横のスペース含め16張ほどのテント。
テン場を闊歩するでんちゃん。
支配人だから見回りしてるんだよね。
皆に声をかけられて大人気。
あくまでもマイペースを崩さないでんちゃん。
テン場で寛ぎながら毛づくろい。
お尻尾くるんが可愛いね。
物思いにふけるでんちゃん。
支配人の貫禄が出てきたね。
でんちゃんが気になってなかなかテント張れないのよ。
「ボクのせいじゃないニャ」
なでなでモフモフ。
本日の宿。
前回と同じく地面が固くてペグが刺さらないのでやむなく石だけで。
皆さんのを見てみると細い釘みたいなペグを使ってた。
サーモスのお湯で紅茶を淹れバームクーヘンでおやつタイム。
すぐ側にベンチがあっていいね。
14時頃のテン場風景。
ガスってきたけどまだ雨は大丈夫。
スカルパZGトレックGTXナイルブルーの正直なレビュー。
2年前に購入したワインカラーは全く不具合がなかったが、今回は七ツ石小屋への道中に両かかとが少々痛くなり靴擦れができてしまった。
同じ型番の同じ靴でも多少の誤差があるのは仕方ない。
お気に入りの登山靴なので、何とか工夫して履いていこう。
ちなみにワインカラーのデビュー戦も七ツ石小屋テント泊の日であった。
数名のハイカーさん達が意気投合して大声でおしゃべりを続けている。
私はいつものように読書してラジオを聞いてひと眠り。
17時をすぎたのでそろそろ夕食作り。
持ち運び便利なエバラのプチッとうどん(カレーうどん)ポーションを使用。
お湯250mlにカレーうどんのポーション1個を入れ、うどんと一緒に煮込むだけ。
家から持参したゆで玉子、チキンナゲット、油揚げ、ネギをトッピング。
スパイシーなカレーうどんを美味しくいただけた。
具材を工夫すれば何通りにも楽しめそう。
18時頃、天候の回復を告げる誰かの声がしてテントからこっそり顔を出す。
おぉ、ほんとだ晴れてきてる。
肉眼ではちゃんと富士山が見えたよ。
夕方までに何人か到着してテントは合計19張となった。
20:30にトイレに行くと頭上には月が煌々と輝いていた。
明日は快晴の予報なので期待が高まる。
それでも、21:30頃だったか雨がパラパラとテントを打つ音が。
雨はまもなく止んだけれど、風が出てきて更に気温が下がった模様。
富士の展望と石尾根縦走路
☆翌朝☆
早朝4時に起床。
今日は長丁場になるので早起き。
色とりどりのテントの花が咲く。
昨夜、山専ボトルに入れておいたお湯でカフェオレを淹れて朝食。
早朝にお湯を沸かすのは面倒だし時短になるので。
ボトルカバーを装着し更にシュラフに入れて一緒に寝ているから、温度は程よくキープされている。
今朝は富士山がバッチリ。
昨夜は冷えたようでフライに霜が。
陽が昇りほんのり赤く染まる富士。
紅富士やったね!
はい、時間通りに撤収~。
お世話になりました。
猫支配人はこの時間帯はまだ小屋の中。
七ツ石小屋上分岐。
七ツ石山は以前も登ったし今日はあっさりパス。
実は、下山後に行きたい場所があって間に合うかどうかが一番の理由。
頭上で騒いでいる野鳥を暫し観察。
「ツピチツピチツピチ」はヒガラちゃん。
七ツ石山分岐。
ここから石尾根縦走路を歩く。
晴れているけど風があり肌寒い。
ソフトシェルの上に薄手のウィンドシェルを羽織ってちょうどいい感じ。
ウィンドグローブも装着。
先行されている男性、景色を撮ってるのかな。
山桜がステキ。
おぉー、この景色がずーっと見えるって素晴らしいね。
しかもほぼ平行道でらくちん。
富士山ズーム。
なだらかに開けたピーク。
そこが千本ツツジ峰(1704m)だった。
トールペイントの素敵な山頂標。
鷹ノ巣山へはここを左折する。
野鳥のデートスポット
何やら複数の野鳥が大騒ぎしているエリアに突入。
緩やかな下り坂をゆっくりと。
まずはジュリジュリのエナガちゃん。
おぉ、ルリビタキ雌ちゃん。
尾っぽを上下にピコピコしながら地面の獲物を狙っている様子。
あっ、ルリビタキ雄もいるじゃない!
ここは野鳥のデートスポットだったのね。
あどけない表情がめちゃくちゃ可愛い♥
ただ、さきほどの雌はこの雄にあまり興味がないようで距離を置いていた。
野鳥も人間もさほど変わらない(笑)。
地面をトコトコ歩きながらこっち見てる。
お次はビンズイさん。
「ビンビンツィーツィー」という鳴き声が名前の由来。
鳴いてる鳴いてる。
たまに「ツィー」が増えたりするのがお茶目。
千本ツツジからどんどん下っていると、またまたルリ子ちゃん。
人間の気配を感じて飛び立っていく子も多い。
うわぁー、ここらへん一帯が野鳥天国だよ。
ここにも山桜。
なんて素敵な色合いなんでしょう。
らくちんな平行道から一転して壁のようにはだかる急坂。
一歩一歩ゆっくり登るしかない。
やっと登り切ると三角点があった。
高丸山(1733m)と富士山。
登りはキツイけどちゃんとご褒美が用意されている。
高丸山からの激下り。
前日の雨で湿った箇所や転げ落ちそうな箇所あり。
とにかく急傾斜なので木の幹に掴まりながら慎重に。
ミツバツツジが色を添える。
ビンズイさんもそこかしこに。
日陰名栗峰(1725m)。
あのピークが鷹ノ巣山かな。
そして後方に続く石尾根縦走路。
寝ぐせ頭のヒガラちゃん。
今日はそこかしこで出会った。
鷹ノ巣山避難小屋から鷹ノ巣山
見覚えのある建物が目の前に。
鷹ノ巣山避難小屋。
8年ほど前にひとり忘年会をした場所、懐かしいなぁ。。。
一応、中を見てみると単独男性が宿泊していた様子。
でも休憩せずに前へ進む。
死守したい目的があるんだもん。
南アルプスはまだ雪山。
長い登りの途中に何度も後ろを振り返る。
そういえば以前、鷹ノ巣山避難小屋へ向かう時にこの道が長くてなかなか着かなかったのを思い出した。
やったー!
2時間半で鷹ノ巣山(1736m)に到着。
テン泊装備のパーティーが休憩されていた。
雲ひとつない富士山を眺めて。
快晴のこんな日に石尾根縦走路を歩ける喜びをかみしめる。
ちょっとここで一休み。
バームクーヘンとカフェオレでエネルギー補給。
鷹ノ巣山から下り始めるとまたビンズイさんの鳴き声。
「どこにいるかな?」と立ち止まったらあそこにいた。
向きを変えてくれて、大きなお口を開けてさえずるさえずる!
鷹ノ巣山直下にも大きな山桜の木。
風情ある姿を振り返って撮影したところ。
石尾根縦走路は残り2/3
七ツ石から鷹ノ巣山は距離的におよそ1/3とすると、あと2/3を頑張らねば。
青みがかったグレーの小鳥が「ピーピー」と短く鳴いている。
んん?誰だろう?
おぉ、あの黒い過眼線はゴジュウカラさんか。
いつも幹を逆さに走ってることが多く、こんな普通の小鳥っぽい姿は初めて。
水根山(1620m)。
このあたりは木が多いので展望はあまりない。
どこかで石尾根城山(1523m)をスルーしちゃったようで、カラ沢ノ頭(1490m)まで進んでしまった。
まぁいいや。
今の私にとってはオムライスのほうが大事(爆)。
将門馬場への道標が木に括り付けてあるけど、こちらも潔くスルー。
同じ場所に六ツ石山・奥多摩駅→の道標があるのでそちらへ進む。
頭の中はもはやオムライス一色。
六ツ石山分岐までやってきた。
ひと登りで六ツ石山(1478m)。
鷹ノ巣山を下りてからここまでたった2名しか会ってない。
誰もいないのでセルフで撮っておこう。
あれっ、TG4に着けている脱落防止のカラビナが…。
撮影直後に単独者2名が登頂され、おそらくそのまま水根へ下山したと思われる。
タチツボスミレはずーっと咲いていたよ。
スルーできないツボスミレ。
あらっ、アカネスミレがこんなところに。
下って下って振り返ったところ。
青空と新緑のおかげで苦にならない。
土が深くえぐれた杉林の登山道。
葉がとても大きい白いスミレは名前不明。
壊れかけた橋はそのまま普通に渡れた。
無事に六ツ石山登山口に着いたぁー。
農家ヘムロック*オムライス
頭の中で「オムライス、オムライス」がリフレイン。
民家の外にオダマキ。
反対側に白いオダマキが咲いててびっくり。
後で調べたところ、園芸種の白花深山オダマキのようだ。
岩の間に根を張る逞しいウツギ。
ノイバラがわんさか。
一際輝いて見えた。
ペラペラヨメナが岩壁にびっしりと。
奥多摩駅近道7分の看板に従って階段を下りる。
12時ちょうどに農家ヘムロック。
ここでランチしようと事前に決め楽しみにしていた。
ただ、昼の営業は14時までなのでそれだけが心配で。
山と高原地図のCTよりも速く歩けたみたいで全然余裕だったわ。
なんか拍子抜け。
【食べログ・農家ヘムロック】
https://tabelog.com/tokyo/A1330/A133004/13056428/
念願のオムライスを一口頬張っただけでしあわせが広がった。
味噌汁も具沢山でとても美味しく、登山後の身体に沁みわたる。
25年間お店をやっているという70代のご主人とお話しながらのランチ。
「お世辞抜きでどれもこれも美味しいです。噂通りでした」と正直に感想を述べると嬉しそうにされていて私まで嬉しくなる。
「次に来た時はカレー食べます」とお約束。
ごちそうさまでした!
※農家ヘムロックさんは、残念ながら2023年9月で閉店となりました。
あぁ幻のカレーライス。。。
日帰り温泉*麻葉の湯
急いで食べて12:30の電車で河辺駅の梅の湯に行くつもりだった。
ところが日帰り温泉の旗を見たら一瞬で気が変わる。
できれば電車に乗る前に全てを完結したかったので好都合。
農家ヘムロックさんの目の前にある麻葉の湯さんへ。
女将さんの接客がとても親切。
以前、奥多摩エリアで下山後に日帰り入浴が休みのため利用できなかった。
そういえばその時のご主人の電話対応も感じがよかったっけ。
【三河屋旅館 麻葉の湯】
日帰り入浴は通常1000円、GW期間中は1100円。
女性入浴中の看板があるけど、私が一番乗りで誰もおらず。
新緑に癒されながらの温泉。
露天はないけど落ち着いてゆっくり浸かれる。
熱すぎる温泉が苦手な私にとって、湯温は40度くらいでちょうどよかった。
空いてるしここ穴場だよ!
また来よう。
奥多摩駅へ向かう途中で今度はアイスの看板に引き寄せられる。
塩ミルク(500円)をチョイス。
ええと、コーンが特別な形状のためアイスが中に入りづらくなっていて。
食べてみないとわからなかったな。
お高い割にアイスは少ないので正直オススメしない。
快晴の奥多摩駅。
おつかれさまでした。
最後に
今回、七ツ石から石尾根縦走路を歩くにあたって、去年ほぼ同じ道を歩いたヤマッパーさんの記録を参考にさせていただいた。
5:30の出発は目からウロコで早ければ後々余裕が生まれる。
素敵な記録をありがとうございました。
千本ツツジ方面の道は初めてで興味津々。
お天気に恵まれて快適に石尾根を歩けたことが嬉しい。
七ツ石小屋からの石尾根縦走路とオムライスでコンプリート。
でんちゃんとのふれあい含め、結果的には大変満足なテント泊となった。
<次回予告>11年ぶりのあの山で見事なシロヤシオ鑑賞♪