登山

ありがとう!最初で最後の奥多摩小屋(素泊)から雪の雲取山 2019/3/17(日)~18(月)

今年3月末で閉鎖となる奥多摩小屋。2年前のテントデビューはこちらのテントサイトだったし、どうしても一度泊まっておきたい。

雪の中ちょっと寒そうだけれど、最初で最後の素泊まりをひっそりと楽しんできました!

 

鴨沢バス停でバッタリ

 

週末だけ走るホリデー快速おくたま号で奥多摩へ向かう。

春と秋は大混雑するのでいつも1本前の電車に乗る。今回は雪があるので大丈夫だろうと思ったが、奥多摩駅は結構な人出。日原方面にもハイカーが分散したため、バスの座席を確保できホッとする。

鴨沢バス停に着くと、独特な風貌のIさんがお巡りさんと一緒に待機していらっしゃった。軽装のハイカーに注意喚起したり、登山道情報やバスの時間などをお知らせくださるのだ。

「Iさん、明日寄りますね~」「おう!ちょっと待ってて」

上まで送ってくださると言うのでお言葉に甘えることにして、ささっとおにぎりを食べる。この日の下界は気温が高く、めっきり春の様相。

軽装でトレラン風の若者が2人、準備しているのを見て「上は雪があるからね、その靴だと山頂は無理かなぁ」「まぁ行けるとこまで行って戻っておいで~」と声をかけている。

途中、七ツ石神社のお守りを配っていた顔見知りの女性お2人も乗せ、今年のGWは10連休だからとパトロールのご相談をなさっている。

「ありがとうございました!」お礼を言い急登を登り始める。

暖かい陽射しと懐かしい土の匂い。自然と笑みがこぼれてしまう。幸先のいいスタートだ。私の好きなツルウメモドキが青空に映える。

七ツ石小屋の手前辺りからだんだん曇り空になってきて、登山道に白いものが現れる。滑り止めはいらない程度の雪。

七ツ石小屋の水場で水を汲んで行く。奥多摩小屋の水場は雪の中を下らないといけないし、出ているかどうかわからない。

山専ボトルには熱湯500mlが入っているので、ペットボトル2本(500ml・280ml)を満タンにすれば充分だろう。

ブナ坂を過ぎるとパサパサと小雪が舞ってきた。雨具を着るほどではないが、空も暗くなりいよいよ本格的な雪に。天気予報通りなので、落胆はしない。

むしろ静かに小屋泊を楽しめそうだ。そして、明日は必ず晴れてくれるから大丈夫という確信とともに小屋に到着した。

ちょうど小屋から出てきた8人くらいの団体さんに「奥さん、今日はどこに泊まるの?」と聞かれ「ここです!閉鎖になっちゃうので泊まりにきたんです」と即答すると笑われてしまった。

こんなところに女ひとりで泊まるなんて、ずいぶんな変わり者だと思われたのだろう。まぁ、否定はしないけど…(笑)

扉が閉まらないトイレも健在。

 

奥多摩小屋の静かなひととき

 

名前を書いたメモと素泊まり代(4000円)を料金箱に入れ部屋に上がる。建物自体がとても古いので、所々畳が歪んだり床が傾いたりしているが、ここに泊まることが目的だったのでワクワクしてくる。

とはいえ、屋内なのにマイナス3度という寒さ。扉が開いたままの押し入れから厚めの布団を出して畳の上に敷き、その上にマットとシュラフを置く。シュラフに入ってもまだ寒い。

隣の部屋との扉を開けると、かつて寝室だったであろう場所に布団がたくさん!迷うことなく毛布と分厚い布団をお借りしてシュラフの上にかける。

ダウンジャケットの上に雨具を着て雨具パンツも穿いたらだいぶ落ち着いた。

温かいカフェオレを淹れておやつを食べたり、読書をしながら静かなひとときを過ごす。

そういえば、部屋の隅に“アンタブス”というカプセル薬が転がっていて笑った。(;’∀’)「ナニコレ?」もちろん圏外なので帰宅後に調べたところ、アルコール依存症の治療薬のようだ。この人はどんな思いでここに泊まったのだろう?

テント泊のハイカーが次々と到着し料金支払いをして戻る際、中に人(私)がいるのを認識しているのにドアを開けたまま出て行くグループがいて不思議に思ってしまった。あのさぁ~ドアは閉めて行こうよ~~。

それとも、ドアを閉め忘れるほどひとりでここに泊まる女が不気味だったのだろうか?(笑)

 

お気に入りのカマンベールチーズフォンデュ鍋。定番になりつつある。旨し。

 

本を読み終える頃、雪がやんで明るくなってきた。シュラフを抜け出し外に出てみると、雲がゆっくり移動して幻想的な夕焼けに。

 

テントの人も出てきて空を見ている。寒いけどやっぱり来てよかった!こんな素敵な夕陽が見られるなんて。明日はきっと晴れる。

 

快晴無風の雲取山と楽しい出会い

 

翌朝は予報通りに晴れ。小屋の中から朝焼けを眺めながら簡単な朝食。

おぉっ!やはりここからの富士山は素晴らしい!見納めになってしまうかな。

夜間に降った新雪を踏みしめ、気持ちのいいスノーハイクを楽しみながらのんびりと山頂を目指す。奥多摩小屋~雲取山頂のルートだけチェンスパを装着する。

小雲取山にも登頂しておこう。誰かのトレースがあった。

あ、ウサギさんの足跡があちこちに。声をかけても姿はないけど、可愛い。

本当に気持ちのいい朝。来てよかった。

輝く雪面に思わず立ち止まる。

もうすぐ避難小屋。宿泊女性が歯磨きしている。もう少し暖かくなったらまた泊まりに来よう。

今日は最高だね~~と思いながら登頂すると、既に男性お2人がいらっしゃった。

「おはようございます!」元気な奥多摩猟友会のメンバーさんで、昨日出会った団体さんも同じ仲間とのこと。

山頂経由で下山するのはこのお2人だけ、あとの9名は登り返したくないからと巻き道を通ってくるらしいが。。。

この巻き道がなかなか曲者で、前日この眼鏡の男性が山頂を経由せずに雲取山荘へ向かい、何度も踏み抜きながら、大変な思いをされて約2時間以上かかってやっと到着したそうだ。雪がなければ45分ほどで着くらしい。

案の定、先に出発したはずの9名が小雲取分岐に着いておらず無線で連絡すると「もう大変だよぉ~~~」との返答。やはり山頂を経由したほうが楽だった様子。

 

ひゃっほー!サクサクと楽しい下山。眼鏡の男性が木に頭をぶつけて流血するというハプニングもあったが、、、おかげさまでほんと楽しかったわー。

営業部長なので、かゑるさんの名刺を渡しご紹介しておいた。公開のアカツキには、このブログも見てくださるとのこと。楽しみだな。

お2人とも顔出しOKで掲載許可は頂いています。

 

奥多摩小屋とのお別れ

 

「ただいま」奥多摩小屋に戻ってきた。昨日とは打って変わってこんなにいい天気。

分厚い布団をお借りしたので、温かく眠れた。夜中にトイレ行かずに済んだもん。さすがに明け方は冷えたけどね。

以前の失敗から、ガスはシュラフの中に入れて寝て正解!こたつ台の上に置き忘れたペットボトルの水は2本とも凍っていた。山専のお湯がかろうじて残っていたから大丈夫だった。

かつてはこのランプ達も活躍したんだろうな。

荷物を撤収して外に出ると、他のメンバーさんが無事に合流されていた。「昨日はちゃんと寝られた?心配でこっちは眠れなかったよ(笑)」

奥多摩猟友会の皆様、愉快なひとときをありがとうございました!また奥多摩でお会いしましょう。

 

下界は花と猫がいっぱい!

 

南アルプスかな。山座同定が苦手な私。

この木、絵になるなぁ。また立ち止まる。

あとはかゑるさんへ寄るだけなので、のんびり下る。

七ツ石小屋って、テントも予約制になるみたい。テントサイトが小さいからね。いつか張りに来れるかな。

何でもない木漏れ日が嬉しい。

下山は正規ルートで。おつかれさまでした。

下界は春らんまん。オオイヌノフグリがいっぱい。

ん?セリバヒエンソウ?似てるけどちょっと早い気がする。

こちらは、ハナニラ。

わぁ~梅も咲いてる。

鴨沢バス停近くの猫さん。小池さんに似てるけど、違うよね?

フクジュソウだ~~。こんな場所で見られるとは。民家の庭。

かゑるさん到着。あれっ、closedになってる。

Iさんはご不在。テーブルの上にコーヒーカップがいくつかあったので、きっとお客様とどこかに行かれたのだろう。

雪山装備が暑くてたまらないので、ゲイターと雨具上下を脱いだりしながら待つことにする。

「アビちゃん、Iさんどこ行ったの?」「ワオーン、ワオーン」犬のように鳴いてこちらを警戒している。暫くご無沙汰してたので忘れられちゃったかな。

「そうだ、鴨沢バス停近くのお店で何か食べながら待とう」

ザックを置かせてもらい空身で出かけると、三毛猫の姿が。以前、バス停のベンチで見かけたあの子だ!あいにくお店は閉まっていた。ちょうど女将さんがゴミ出しをしていて、その後を走って追いかけている。

事情を話すと、月曜は定休日らしく「ごめんなさいね~」「もう少し待ってみますね」

奥多摩湖がキラキラ。再度、かゑるさんへ。

初めて見るトラちゃん。背景に同化してわからなかったよ。

小池さん(アビーちゃんのお母さん)も登場。「お顔撮らせてね」とお願いすると、ちゃんとカメラ目線をくれた。しかし、猫の名前が小池さんって笑える。

警戒が解けたのか、それとも思い出してくれたのか?アビちゃんのほうから近づいて来てくれた。なでなで。親子だからそっくりね。

「アビちゃん、Iさんいつ帰ってくるの?」「ワオーン、知らニャイ」「また来るね」

 

留浦バス停の美味しいカツ丼

 

平日の昼間はバスがないため奥多摩駅に行けない。なので、駅前のお店で食べることもできない。おなか空いたなぁ。

仕方がないのでザックを背負ってかゑるさんを後にする。とりあえず、留浦バス停まで行こうとふと思い立った。

 

留浦バス停に座っていると、ヒラヒラと“お食事処”の旗がはためいているではないか。食べ物屋さんがあるなんて初めて知った。

島勝さんをネットで一応調べてみて、食べログに掲載されているのを確認し思い切って入ってみることに。

感じのいい店主さんが「奥へどうぞ」と勧めてくださる。ここでも事情を話し、メニューを見て即決。

「下山したらカツ丼を食べるって決めてたんです!」早速お2人に笑われてしまった。カツ丼はもちろんのこと、手作りおからが妙に美味しい。

「無人ならタダで泊まれるの?黙ってればわからないじゃない?」と奥様に尋ねられる。

「いやいや登山者がそういうことをすると、お山の神様に守ってもらえないんですよ。滑落したり遭難したりするかもしれないし、後ろめたい気持ちで登るのはイヤなのでちゃんと4000円払ってきましたよ」ここでまた笑いが起きる。

あてもなく留浦バス停まで歩いて来て、こんな美味しいカツ丼が食べられるなんて、何か虫の知らせがあったのかもしれないね。駅前のお店は月曜定休なんだって。

お店の新規開拓もできたし一石二鳥じゃない。「ごちそうさまでした!美味しかったです」奥多摩に来たら、また寄ろう。

 

最後に

 

奥多摩小屋は昭和34年に建設されたそうで、60年間もの長きに亘り多くの登山者を受け入れてきた歴史がある。

鴨沢からのルート上で奥多摩小屋の存在はとても大きく、一度でもこちらで過ごしたことがある登山者にとっては、今回の閉鎖は残念としか言いようがない。

 

●都心から比較的近い

●目の前に見える富士山が素晴らしい

●水場・トイレあり

●雲取山頂まで1時間という適度なロケーション

 

テントデビューの日に一度張ったきりなので、正直心残りではあるけれど。長い間おつかれさまでした。どうもありがとう!!奥多摩小屋。

かゑるのlさんには青梅駅ホームにて電話をかけ、近々また伺うことを約束した。

しおん
山のとりこになって10年。 今一番行きたい場所に、いつもひとり気ままに出かけています。 無類の猫好き。(=^・^=) 東京在住。
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