何年も前からテントを張ってみたかったツバクロ。
大人気の山小屋なのでシーズン中の激混みは避けられず、30張という限定的なスペースはもちろん早い者勝ち。
登りが苦手な私にとっては、そういう意味で敷居が高くずっと諦めてきた。
ところが、今年のコロナ禍によりテントも予約制となったおかげで、数年来の願いが叶いそう。
そう、予約さえ取れればあとは焦らず登ればいいのだから。
<山行目的>
●燕山荘でテントを張る
●合戦小屋のスイカ
●燕山荘でランチとスイーツ
●イタリアンポテフにトライ
●現地で温泉とお蕎麦
もくじ
往復のアクセス・トイレ情報
[往路]
23:05 バスタ新宿より夜行バス(web決済割引5200円)
04:25 安曇野穂高BS
06:40 穂高駅前よりバス(1800円)
07:35 中房温泉
【バス比較ナビ・新宿~安曇野行き夜行バス】
https://www.bushikaku.net/search/tokyo_nagano/shinjuku_azumino/time_division_type-night/
【中房温泉行定期バス・運行日&時刻表】
https://www.azumino-e-tabi.net/pdf/p3-4.pdf
※2020年は7/15~11/3の季節運行
[復路]
10:45 中房温泉よりバス(1800円)
11:35 穂高駅前
12:32 穂高より大糸線
13:02 松本
13:10 松本よりあずさ30号(指定席)
※穂高駅はカード払いOK
※現在あずさは自由席の設定がなく指定席と同料金
<トイレ>
中房温泉登山口(水洗、ペーパーあり)
合戦小屋(使用せず)
燕山荘(外トイレ、ペーパーあり)
自己CT
[1日目]
07:40 中房温泉登山口
08:15 第1ベンチ
08:45 第2ベンチ
09:23 第3ベンチ 09:27
10:10 富士見ベンチ 10:14
10:40 合戦小屋まで10分看板
10:52 合戦小屋 11:01
11:25 合戦沢ノ頭
12:19 テン場
12:21 燕山荘 12:24
12:25 テン場 12:57
12:58 燕山荘 13:30
13:30 テン場 15:00
15:40 燕岳 15:44
15:59 北燕岳 16:00
16:10 燕山荘・燕岳分岐
16:15 北燕岳・燕岳・燕山荘分岐
16:32 テン場
[2日目]
06:40 テン場
06:46 イルカ岩~周辺散策
06:55 テン場 08:16
08:44 合戦沢ノ頭
08:56 合戦小屋 08:57
09:22 富士見ベンチ
09:41 第3ベンチ
10:00 第2ベンチ
10:15 第1ベンチ
10:35 中房温泉登山口 10:37
10:38 バス停
眠る安曇野の町
バスタ新宿からの夜行バスは、今回もまたガラガラ。
乗客はたったの3名なのに運行してくれて申し訳ない感じ。
4:25 安曇野穂高に到着。
未だ暗い安曇野の町。
すぐ近くの穂高駅まで歩く。
徒歩1分で穂高駅。
4:30に電気が付くが、扉の鍵は閉まっていて中には入れない。
以前は点灯と同時に自動で鍵が開いたんだけどね。
因みに、3年前の秋にもここに来ている。
ドアが開くまで外に腰を下ろして鳥の声を聴いていた。
5:11 開錠され待合室へ。
バス発車までだいぶあるので、持参した朝食を食べ読書して過ごす。
本を読んでいると時間が経つのは意外にあっという間。
私が穂高駅に着いたと同時に個人タクシー(?)1台が駅ロータリーに入ってきてずっと待機していた
単独の私は利用しなかったが、、、2時間も定期バスを待たなくていい代わりに9000円前後の運賃がかかると思われる
合戦小屋のスイカ目指して
今回は予定通り、ちゃんとバスに乗ることができた。
3年前はまさかのバス逃しハプニングあり(笑)。
その経緯を含めた山行記録はこちら↓↓
あらかじめ記入してきた登山届をポストイン。
曇りでよかった。
だって、予報では雨マークついてたから。
降らないだけありがたいわ。
中房温泉登山口にある水場。
おっ、青空が見える。
前回の火打山で担いだ水4Ⅼに懲りて2Ⅼに減らしたものの。
今日はシュラフを持参したのでザックの重さは同じくらいだろうか?
テント装備のハイカーを見ると内心焦る。
「平日だから大丈夫」と自分に言い聞かせ、九十九折れの登山道をゆっくり登る。
各ベンチの画像などは割愛。
この看板が見えるといつも嬉しくなる。
数名のハイカーさんが休憩している。
あとから知ったが、皆さんスイカを食べていたようだ。
実は、合戦小屋の名物スイカを食べるのは初めて。
いつもメチャクチャ混んでいたし、一切れ800円は高いよね~と。
テン場に早く着きたい気持ちがあったけれど、店内に入ると同時にスイカを注文していた。
やはり一度は食べておかなくちゃ。
値下げしたのか500円になっている。
塩をまぶし、甘くて美味しいスイカで水分と塩分補給。
さて、もうひとがんばり。
“雷鳥は山をきれいにと鳴いている”
赤砂と赤岩が現れる。
もうすぐかな…。
ザックが重い。。。
気温は高くないのに、汗びっしょり。
ファイントラック着てても処理しきれないほどの汗。
それが身体を冷やして不快。
あ、ミヤマアカバナ。
ミヤマコゴメグサがいっぱい。
おぉ、ウメバチソウだ。
ブーーーンというモーター音が聞こえる。
小屋はもうすぐ。
念願の燕山荘でテントを張る
あ~~、やっと着いた!
4時間半以上かかってしまった。
第一希望だった場所は既にテントが張られている。
まだガラガラなのであとで検討しよう。
とりあえず重いザックを下ろす。
「うわぁー、もうこれ以上背負わなくていいんだ」という、ものすごい解放感。
あれからもう3年も経つんだね。
今日はテントでお世話になります。
先に受付を済ませ、オレンジの幕営手形を受け取る。
【燕山荘HP】
テント1人 1000円(要予約)
店内利用時はマスク必須
水は1Ⅼ 200円で販売
あの絶景は見えなくても、ここまでテントを担いできた達成感でいっぱい。
細かい砂地でペグが刺さりにくく、刺さっても抜けてしまう。
岩は必須かも。
燕山荘のランチタイム(10:45~13:45)に間に合った。
食堂とサンルームは、この時間内ならテン泊者も利用できるのがありがたい。
鶏肉が柔らかくて美味しい~。
ケーキセットはやめてアイスココアを注文。
これがまた、適度な甘さとコクがあって絶品!
大きな氷もお山では貴重な水分なので、もちろん全部消費した。
山荘付近より燕岳を望む。
ちなみに、燕山荘のテン場はネットが繋がる。
山行前日に音楽プレーヤーが壊れてしまい落胆したが、逆に10年も使っていたのがすごいと思う(笑)。
購入した曲が同期されず、入っていた全曲までも消えてしまうなんて。
山ではスマホを機内モードにしている私、今回ばかりはYouTubeで好きな洋楽を聴くことができて救われた。
さすが人気の山小屋である。
Darren Porter (Rework) – Take Me Away
テン場に咲くウメバチソウ。
テン場の外トイレ。
いわゆるボットンタイプなので、真夏は臭いがキツそう。
トイレ周辺に咲くカンチコウゾリナ。
雷鳥親子とのサプライズな出逢い
ランチ後、テントで音楽を聴きながらウトウトして気づいたら15時ちょっと前。
いつの間にか晴れていてテント内は暑いくらいの気温。
水だけ持って慌てて燕岳へ向かう。
おぉ、ガスが途切れて青空と陽射しが。
残っていたコマクサ。
青空が広がってきたこと、まだコマクサが咲いててくれたことが嬉しくて。
やっぱり来てよかったわー!
左側の斜面にピピッと下りてきたのはイワヒバリ。
かわいい~~。
コマクサの間を縫うようにして歩いている。
今日は鳥用カメラがないので目いっぱいのズーム。
お目目まん丸、ふっくらした身体が可愛すぎる。
またね。
これから真っ赤に熟していくのだろう。
そうこうしているうちに燕岳山頂。
バックに見えるのが北燕岳か。
今日は、北燕岳まで足を延ばすことに。
こんな時間に気兼ねなく散策できるのはテントならでは。
一度緩やかに下って登り返す。
北燕岳へ向かう途中にも可憐なコマクサがポツリポツリ咲いている。
こんなザラザラの砂礫地に咲くのが信じられない。
終わりかけとはいえ、女王の風格を醸し出していた。
次回はぜひコマクサ最盛期の7月に訪問したい。
ここが北燕岳?
一番高い岩にも登ってみたが、山頂標のようなものは何もなかった。
またガスが広がり少し涼しくなってきたので、そそくさと退散。
岩陰にたった一輪のタカネツメクサを見つけ、また嬉しくなる。
燕岳を巻いて燕山荘へ向かう道に入る。
すると、いきなりハイマツの間から飛び出してきた物体が。。。
おぉー!
あれは間違いなく雷鳥さん。
そのうちの1羽が右側のハイマツへ。
わっ、こっち見てる!
恐らく、雷鳥のママちゃん。
「綺麗ね」「くぅんくぅん」
白いアンヨ(足)がまた可愛いこと。
「美人だね!」「くぅんくぅん」
私の声かけに返事をしてくれているかのように、くぅんくぅんと可愛い鳴き声。
しかも、人慣れして警戒心が薄いのか全く逃げようとしない。
カメラとの距離は1mも離れていなかったように思う。
こんな近くで撮らせてくれてありがとう!
子供たちを振り返る雷鳥ママちゃん。
そのうち、離れ離れになった子供たちのことが気になったのか振り返っている。
「とりあえず、外敵は大丈夫そうね…」
「あら、あの子たちはどこ行ったかしら?」
急に慌てる雷鳥ママ。
斜面の上にトコトコ。。。
人間同様、子供たちはすばしっこい。
この夏を無事に乗り切ったヒナたち。
3羽寄り添って何か(食べ物?)を探している子供たち。
雷鳥のママちゃんに「こっち行ったよ!」と子供たちの居場所を教えると。
「くぅんくぅん」と鳴き、3羽の後を追って駆け上がって行った。
「ありがとう!またね!元気でね!!」
最後に雷鳥を見たのは何年前だったかな。
数年ぶりに間近で見られてメチャクチャ感激した。
このまま元気に過ごせますように。
開花してるトウヤクリンドウ。
燕山荘が見えてきた。
可愛い雷鳥さんに出逢えた興奮が未だ冷めやらず、心が温まるような幸せを感じる。
やっぱり北アはいいなぁ。。。
イタリアンポテフの夕食とテントの花
テン場に戻ったら早速夕食にしよう。
テントを数えると合計16張。
それでも、スペースが保たれているので快適。
テントの外で夕食づくり。
厚切りベーコン、パプリカを食べやすく切っておく
(私はズッキーニの代わりに冷凍ブロッコリーを使用)
フライパンを熱しベーコンの両面をじっくり焼く
水300mlを加え沸騰したら固形コンソメとトマトスープの素を入れる
パプリカ、ポテトフライ(自然解凍)、ブロッコリー(自然解凍)、ミニトマトを入れさっと煮る
※食材の量や入れる順番は適当にアレンジしてます
げんさんとよーこさんの山ごはんを参考にさせて頂きました。
いつもありがとうございます。
夕食後は本を読んだり、好きな曲を聴いてまったりと過ごす。
夜間、テントの花(ランタンの灯り)を撮影しようと思っていたのにまたもや寝落ち。。。
はっと目が覚めたらテン場は既に真っ暗。
仕方がないので、トイレに起きたついでにマイテントの花を撮影。
今日もいい一日だった。
明日の天気に期待して二度寝に突入。
雲海と絶景、そしてブロッケン
☆翌朝☆
夜間はそれほど気温が低くならず、シュラフだけでぬくぬく眠れた。
シュラフカバーとして持参したエスケープライトヴィヴィは使用せず。
昨日あったテントがいくつか消えている。
私がぐっすり寝ている間に出発したハイカーさんがいたのだろう。
テントの外でお湯を沸かし簡単な朝食を摂る。
燕山荘うらの高台まで槍を見に行く。
槍から奥穂までの稜線。
槍ヶ岳ズーム。
左が中天井、右が大天井。
笠ヶ岳ズーム。
左が鷲羽、その右に尖がったワリモ岳。
茶色い部分に水晶小屋、右が水晶岳。
右の平らなピークは野口五郎岳。
こんなに晴れてくれるとは。
前回のテント泊同様、やっぱり来てよかったと心底思う。
テン場周辺を散策していると、ブロッケン現象を発見。
昨日はガスガスだったので、イルカ岩だけ再度撮りに行くことに。
かろうじて槍とのコラボ。
誰にも邪魔されることがない自由な時間。
12:30のバスに乗る予定なので、充分すぎるくらい余裕がある。
もちろん日帰り温泉も入るつもり。
下山後の予定変更
フライの結露を拭きとるのに時間がかかり、予定を少しオーバーして撤収。
幕営手形を忘れずに返却。
美味しそうに見えても、オオヒョウタンボクは有毒なので食べないように。
あの苦しい登りが嘘のような、軽快な下山。
転倒しないようけっこう慎重に下りているのにね。
水と食料がないだけでこんなに違うものか。
あっという間に合戦小屋。
ペットボトルの水分だけ摂ってすぐに下山開始。
下りはほとんど休憩しない。
ナナカマドがたわわ。
あっ、タケシマランの実。
登りでは気づかなかったので嬉しくなる。
あら。。。もしかしたら、1本前のバスに間に合いそう?
その場合は温泉パスしてバスに乗ろう。
下山途中で気づいて、ちょっとだけスピードアップ。
翌日が早番なので、できれば早く帰宅したい。
あ、やっぱり間に合っちゃった!
2時間15分ほどで登山口。
でも本当はここの温泉入りたかったなー。
待機しているバスに乗り込む。
この時間帯のバスは空いていて、乗車したハイカーは4名。
わさび蕎麦と和栗シュークリーム、まさかのサギソウ
穂高駅でバスを下りたら近くのお蕎麦屋さんに直行。
以前も訪れたことがある一休庵。
ボケちゃったけど、古民家風の内装が素敵なお店。
迷わず、お目当てのわさび蕎麦を注文する。
ん~、お値段の割に量が少ないかも。
蕎麦湯まで頂いて完食。ご馳走さまでした。
ただし、このお店は最後の緑茶が出ないので気になるかたはご注意を。
涼し気なルリマツリ(一休庵)。
更に、近くの不二家まで移動。
やった!
水曜限定で100円割引になってる和栗シュークリームを1個だけ購入。
そして、穂高駅へ歩いて戻る途中。。。
えっ?サギソウ!?
きゃーっ、サギソウだよね!?
関東には咲いていなくて前から見たかった花に、こんなところで逢えたのだ。
どこかのお店の鉢植えだったけどとても嬉しい!
ニコニコ顔で穂高駅に戻って。
電車待ちのひととき。
閉まっている観光センターのベンチでスイーツを食す。
満足満足。
穂高駅から大糸線。
今回の山行でだいぶ進んだ読書。
最後に
何だか食べてばかりの気がするけれど、人気の山域ならではの選択肢の多さが魅力でもある。
温泉だけが心残り、でもバスに間に合ってしまったので臨機応変に対処。
ということで、今回のテント泊も大満足のうちに終了~。
サプライズの雷鳥さん、外れた天気予報、燕山荘のおもてなし、色々な巡り合わせに感謝。
ところで、山行の帰り道でスマホの画像アプリが応答しなくなる。
ごくたまに動く時もあるが、途中でフリーズするので使えない。
帰宅してアプリのアップデート、スマホの再起動、アプリのアンインストールをしてもダメ。
音楽プレーヤーに続き、画像アプリまで!使いやすくて便利だったのになぁ。
職場でその話をしたら、「きっと身代わりになってくれたんだよ」と登山をやらない同僚に言われて妙に納得。
そうだった。
モノは考えようだ。
気づかせてくれてありがとう。