棚ぼたの2連休をいただき、5月上旬に雨模様で延期した赤湯温泉テント泊を計画。
1年半前の秋に初めてテントを張ってすこぶるお気に入りとなった温泉宿。
野趣あふれる露天風呂を思い出す度しあわせな気分に。
ただし、公共交通機関利用者は元橋BSより4時間以上歩かなければ辿り着けない山奥の秘湯なので覚悟が必要。
それでも重いザックを背負って訪れる価値は充分にある。
このご時世でテント予約不要なのも嬉しいポイント。
もくじ
往復のアクセス
[往路]
07:10 上野よりとき303号
08:10 越後湯沢
08:20 越後湯沢駅東口①よりバス(650円)
08:53 元橋BS
[復路]
13:04 元橋BSよりバス
13:37 越後湯沢駅東口
14:11 越後湯沢よりとき322号
自己CT
[1日目]
08:56 元橋BS
08:59 赤湯温泉山口館看板
09:02 火打峠
09:30 浅貝川鉄橋
09:52 赤湯温泉入口
10:40 元橋方面登山道分岐
11:01 小日橋
11:15 赤湯林道ゲート
11:35 赤湯林道終点 11:45
11:52 棒沢橋 11:53
12:25 赤湯温泉まで55分看板
12:50 鷹ノ巣峠
13:10 見返りの松
13:38 赤湯一号橋(テン場)
[2日目]
08:28 テン場(赤湯一号橋)
09:06 見返りの松 09:10
09:32 鷹ノ巣峠
10:13 棒沢橋
10:20 赤湯林道終点 10:28
10:51 赤湯林道ゲート
11:03 小日橋
11:30 元橋方面登山道分岐
12:12 赤湯温泉入口 12:14
12:32 浅貝川鉄橋
12:54 火打峠
12:56 赤湯温泉山口館看板
12:58 元橋BS
※お花や野鳥を観察しながら歩いているので、CTは比較できません
スリッピーな火打峠を乗り越えて
新幹線でトイレを済ませておいたのでバス停へ直行。
越後湯沢駅東口①へ向かうと、数名しかおらずホッとした。
西武クリスタル線の乗客は観光客や釣り人を含め9名ほど。
ハイカーが少なくてガラガラのバスは久しぶりかも。
元橋BSで降車。
すぐ側に平標茶屋という宿泊施設がある。
風がやや強くウィンドシェルを羽織ってスタート。
赤湯温泉山口館看板。
歩いているとすぐ暑くなりこの先でシェルを脱ぐ。
秋にツリガネニンジンが咲いていた坂道。
前方の鉄塔辺りが火打峠。
火打峠付近から見える松手山。
この後はスリッピーな激下りのため画像なし。
トラロープはあるけど短かいし、四つん這いになって後ろ向きに下らなければならず大変気を遣う。
前回も感じたことだけど、できればここは通りたくない。。。((+_+))
道幅狭いトラバース脇に咲くラショウモンカズラ。
この辺も落葉が堆積しているので慎重に。
可愛い葉っぱに癒され。
サワハコベに狂喜する。
危ない急坂はやがて緩やかになり、平坦な道に変わって一安心。
沢の音が聞こえたら浅貝川鉄橋。
前回、行きで見逃した赤湯温泉への小さな看板。
「荒れた登山道」というヤマケイオンラインすてぱんさんの記録が頭にこびりつき、どうしても歩く気になれない(笑)。
なのでここはスルーして舗装道路を歩く。
まぁ、さっきの火打峠もかなり荒れてましたけど……。
バスだと他に選択肢がないので仕方ない。
用途不明の広場。
今日はここを右折してみよう。
とってもキュートな赤紫のスミレが出現。
ぼってりと短い距までピンク色に染まり葉は大きめ。
ツボスミレもいる。
頭上を優雅に流れていくドラゴンドラ。
いいなぁ、春の空中散歩。
青い屋根の建物裏手に道が続きここへ出た。
ゆるゆると舗装道路を上って。
うわぁ~い、チゴユリがいっぱい。
咲きたてフレッシュな株がここだけに群生している。
誰もいない林道*花を愛でながら
1年半前はルートロスしたけど今日は大丈夫。
山火事用心の赤い旗がある赤湯温泉入口。
雪が残る平標山方面。
野鳥のさえずりと共に歩く。
エンレイソウ。
フデリンちゃん!
まさかのイワウチワ。
いくつか見かけた中で、唯一この子だけかろうじて花をつけていた。
小日橋。
マイカーやタクシーはここまで入ることが可能。
清津川沿いの爽やかな道をずんずん歩く。
赤湯林道ゲート。
背後でいきなりガサッという音が聞こえ振り向くと、犬連れの男性ランナーがすぐ側に。
「うわぁびっくりした!」と思わず声が出てしまう。
沢の音にかき消されて人の気配を全く感じなかったのよ~。
元橋BSをスタートしてから初めて出会った人。
ワンちゃんにはチラリと一瞥をくらった(笑)。
苗場自然休養林の石碑があるところが赤湯林道終点。
ここでちょっと一休み。
小さな沢の側でコーヒーを淹れてランチタイム。
いよいよ山道*春の花がいっぱい
エネルギー補給をして再スタート。
階段脇に赤紫のスミレ。
さっき見た子と同じかな?
棒沢橋の鉄橋を渡って。
ここからいよいよ登りとなる。
ムラサキヤシオが奥のほうにチラリ。
2つの穴を持つツルアリドオシの実。
イワナシの葉はさきほどから何度も見かけたけど、花がまだ残っているとは。
周辺にシャクナゲが咲いているのに気づいた。
うーん、綺麗ね。
登っている途中で樹木の間から残雪の山がチラリ。
鷹ノ巣峠六合目、赤湯まで55分とある。
今日は青空が見えて清々しい。
ムラサキヤシオが輝いて。
別の山もチラリ。
鷹ノ巣峠。
赤湯まで45分。
またまた可愛いフデリン。
そしてまさかのニリンソウ。
萼片がほんのりピンクで可愛い~~♡
濃いピンクのイワカガミ。
ツヤツヤの葉っぱにピントが合ってしまう。
蕾を従えたニリンソウ。
見返りの松。
赤湯まで35分、もう少しだ。
赤湯温泉道のレトロな道標。
後方からカツーンカツーンとストックの音が聞こえ誰かが追ってくる。
おぉ、眼下に赤湯一号橋。
ここも道幅が狭い上にかなりの急傾斜なので慎重に足を運ぶ。
赤湯温泉山口館*テント設営
やったー!!
無事に下りてきた。
赤湯一号橋。
やっと重い荷物から解放される。
赤湯一号橋のすぐ向こうがテン場。
ふふ、誰もいない。
ザックを下ろしてどこに張ろうか考えていると、ご年配単独男性がやってきた。
テン場を通過して行かれたので小屋泊まりなのだろう。
本日の宿。
前回と同じ場所に設営。
片道だけで4時間かかるので、履き慣れた古いほうのスカルパZGトレックにした。
こちらは靴ずれもなく快適。
登山靴では温泉NGなのでここでサンダルに履き替えて。
入湯料の支払いと水の補充、一番楽しみにしていた温泉へ。
赤湯二号橋より、素晴らしい渓流沿いの露天風呂。
歩いてしか辿り着けない秘湯。
手前の囲いがあるところが女湯の青湯。
ツボスミレが大勢で「いらっしゃい」
テン場から数分歩いて赤湯温泉山口館。
作業服姿の男性2人が水質調査?を含むお仕事中、黒いザックは作業員さんの私物と思われる。
ここのルールは前回知ったので、呼び鈴を押さず置いてあるメモに名字と家電を記載して缶に投函。
入湯料500円は赤い箱へ。
この日は一番搾りのビール、鶴齢というワンカップ酒のみでジュースはなかった。
苗場山方面はこの沢沿いを歩くようだ。
水場はこちら。
蛇口から空のペットボトルに補充させていただく。
水はチョロチョロと流したままでOK。
きゃー!
別館のトイレに行った際、小屋裏に咲いているツバメオモトに出会う。
純白の花が美しい。
こんなところで会えるなんて。
別館トイレは正面突き当りを左。
とても清潔で綺麗。
貸切で温泉三昧&山ごはん
楽しみにしていた温泉へGo。
玉子の湯は通常は男湯、夜間は女性時間となる。
赤湯二号橋から丸見え。
薬師の湯も通常は男湯だけど、お客さん少ないしこっそり入っちゃおうっと。
思い切って服を脱ぎ捨てかけ湯してからチャプン。
適温で気持ちいい~と声が漏れてしまう。
数分間だけ浸かってすぐ上がる。
ちょうど服を着て薬師の湯を出たところで、さきほどの単独男性がやってきた。
ふ~、間一髪(笑)。
ではでは、本命の青湯。
こちらは女湯なので気兼ねなくゆっくり入れる。
夜間帯のみ男性入浴可。
大好きな青湯。
下側の管からコンコンと湧き出ている温泉。
熱すぎて入れないとかぬるすぎるとかがなく、常に適温なのが嬉しい。
いつまでも入っていたくなる。
沢の音と野鳥のさえずりがサラウンドシステムみたい。
やっぱり青湯が一番落ち着く。
極楽♪天国♪
ミソサザイのさえずりがすぐ近くで聞こえる。
沢に下りてみるも姿は全く見えない。
どこにいるのオミソちゃん。
テントに戻っておやつタイム。
山専ボトルのお湯で紅茶を淹れて、飯山市のサンローランさんで購入したおへりょパイ。
栗入り白あんとくるみ入りこしあんをパイ生地で包んで焼いた、大正時代から続いている老舗の看板菓子だそうで。
美味しくて2個一気に平らげてしまった。
青空と新緑。
もっかいお風呂♪
カマンベールチーズフォンデュ鍋。
本日3回目のお風呂♬
赤湯温泉でテント泊するならサンダル持参がベスト。
小屋でも借りられるけれど、翌日の下山前に返しに行かなくてはならないので。
「ふぁ~~、極楽極楽」
あまりに気持ちがよすぎて何度もつぶやいてしまう。
青湯最高!
オオルリのさえずり*早朝も温泉三昧
☆翌朝☆
早朝4時頃、野鳥のさえずりで目が覚めた。
なんて素晴らしい環境なんだろう。
早速、朝一で温泉へ向かう。
木の上で鳴いているオオルリちゃん。
目を凝らして探すとあんな高いところにいた。
最大ズームで撮影してみたものの、さすがに遠すぎてピントが。。。
かろうじてお目目が写ってる。
鳴いてる鳴いてる。
オオルリちゃんありがとねー。
朝一の温泉後にカフェオレを淹れて簡単な朝食。
オミソが気になってテントを飛び出してみるが、やっぱり姿を捉えることができない。
渓流とカエデの新緑。
7時頃に最後の温泉。
2日間で合計5回も青湯に浸かり、いずれも貸切だったので思う存分堪能できた。
素晴らしい温泉をありがとうございます!
お世話になりました。
ハウチワカエデの花。
テン場のオオカメノキ。
テント撤収。
天気予報通り昨日よりも気温が高く、こんな朝から陽射しが強い。
もう一度トイレに寄ってツバメオモトにお別れを。
テントウ虫がいるね。
小屋裏のシャクナゲ、またね。
赤湯一号橋を渡って九十九折れの急登から振り返ったところ。
あぁ帰りたくな~い。
年季の入った巨木。
たくさんの野鳥の声をたよりに何度も立ち止まるが空振り。
「ピュリッピュリッ、ピュリッピュリッ」とだんだん速くなっていく鳴き声のあの子もどこかに潜んでいる。
キビタキ、オオルリ、ミソサザイ、センダイムシクイ、ウグイスなどなど。
朝陽に輝くタチツボスミレ。
倒木はあるけど跨いで通れる。
昨日は気づかなかったコヨウラクツツジ。
棒沢橋の近くのキュートなスミレ。
赤湯林道終点の沢のところで行動食を摂って歩き出す。
大きな荷物を背負って歩いてきた男性とすれ違い「ありがとうございました」と声をかけられる。
以前、お会いしたことのある赤湯温泉の旦那さんだった。
ツルキンバイ。
かなり下のほうで轟音を響かせている流れを覗き込む。
赤湯ブルー。
小日橋まで戻った。
更にここから元橋BSを目指す。
元橋まで1時間の道標。
帰りもここは通らず正解だった。
昨日スルーしたムラサキサギゴケがやけに綺麗に見えて。
大きな葉の下をそっと覗くと。
これがウスバサイシンか~可愛いね。
初見、初撮りの花。
調子に乗って次々と覗いてみる。
それぞれ微妙に色形が違って面白ーい。
紅白鉄塔の広場に出た。
上のほうに見える銀色の鉄塔まで登らなければならない。
ちょっとちょっと、またバスに間に合わなかったらシャレにならないんだけど。
全身に緊張が走り顔から汗が吹き出す。
必死に登っている最中、視界に入ったチゴユリ。
これは夢か幻か。。。
最後の鬼急登。
掴まるところが何もない箇所も。
下る時と同じように四つん這いになって、地獄のような坂を這い上がる。
元橋BS近くに咲いていたオダマキ。
「おつかれさま、間に合ってよかったね」
3分ほど遅れて越後湯沢駅行きのバスが到着。
助かった~~~。
魚沼の畑*鮭いくら丼
中野屋さんのへぎ蕎麦はまた時間がある時に。
いつものお店、魚沼の畑さんへ直行。
下山時にずっと思い浮かべていたご褒美どんぶり。
【食べログ・魚沼の畑】
https://tabelog.com/niigata/A1504/A150404/15010284
鮭いくら丼(1480円)。
いくらがずいぶん小粒になった気がするけどまぁいいや。
ごちそうさまでした。
最後に
歩いてしか行けない極上の秘湯♨赤湯温泉。
今回は宿の人にも会わず、テントも温泉も貸切という状況で思う存分に温泉を楽しんだ。
5月はちょうど空いている時期なのかもしれない。
夏になったら苗場山からの下りで利用するハイカーさんもいるはず。
またいつか、重いザックを背負って青湯に入りに来よう。