何度も計画を立てては断念してきた苗場山。
公共交通機関利用者にとってのアクセスはあまりよくない。
越後湯沢からの祓川コースが一般的とはいえ、距離が長いため私の足で日帰りは無理。
山頂で泊まるにしてもバスだけではキツイ行程となってしまう。
事前に確保していた2連休の天気はすこぶるよさそう♪
そこで時間的に一番早い新幹線を使い、更にバスとタクシーを利用して、念願の苗場山に登ることにする。
●下記2コースは現在通行止めになっています!
大赤沢新道(2020年8月24日より廃道)
神楽ヶ峰⇔田代コース(秋季のみ期間限定で通行できたが2020年より廃道)
●和田小屋は夏シーズン休業中でトイレも使用不可
もくじ
往復のアクセス
[往路]
07:10 上野よりとき303号
08:13 越後湯沢
08:20 湯沢駅前①よりバス(390円)
08:36 三俣中央BS
08:45 三俣中央BSよりタクシー(回送料含む5750円)
09:12 祓川登山口
【南越後バス・西武クリスタル線・時刻表】
http://www.minamiechigo.co.jp/right-muikamachi.html
【ゆざわ魚沼タクシー】
https://www.yuzawa-uonuma.com/
℡ 0120442025
[復路]
11:00 苗場山林道上よりお車
11:30 越後湯沢駅西口
三俣中央BSからの帰りのバス出発時刻
09:44
11:04
11:59 (土日祝のみ運行、当初これに乗る予定だった)
13:14
14:34
16:54
自己CT
[1日目]
09:18 祓川登山口
09:44 和田小屋 09:48
10:35 六合目 10:45
11:33 下ノ芝 11:34
12:23 中ノ芝
12:40 上ノ芝 12:45
12:54 小松原分岐
12:58 股スリ岩
13:10 神楽ヶ峰 13:12
13:29 富士見坂
13:37 雷清水 13:40
14:21 雲尾坂
14:38 山頂台地まであと3分道標
14:54 苗場山山頂 14:57
14:57 苗場山頂ヒュッテ
[2日目]
06:05 苗場山頂ヒュッテ
06:06 苗場山山頂 06:10
07:15 雷清水 07:20
07:40 神楽ヶ峰 07:43
08:00 小松原分岐
08:06 上ノ芝
08:24 中ノ芝
09:06 下ノ芝 09:09
09:34 六合目
10:03 和田小屋 10:04
10:20 祓川登山口 10:25
10:25 苗場山林道をテクテク下る 11:00
タクシー運転手さん大当たり!
2022年6月は雨の日が殆どなく、あっという間に梅雨明け。
今日からもう7月だわ。
いつもの湯沢駅前①より西武クリスタル線。
1本前の電車を逃したのでギリギリだったが、ほぼ満席の状態で座ることができた。
三俣中央BSで降車したのは私だけ。
皆さん平標山でしょうか。
もちろん、かぐらみつまたスキー場は現在休業中。
ここで電話をかけタクシーを待つ。
待っている間に別のタクシーがやってきて、遠くで誰かを乗せて祓川登山口方面へ走って行った。
あーあ、相乗りしたかったなぁ。
そういえば、7月中旬になると和田小屋から下ノ芝までリフトが使えるよ~。
【プリンスホテル・かぐら第1高速リフト登山営業のご案内】
https://www.princehotels.co.jp/ski/kagura/informations/2022summer_kagura1kou/
7/16(土)~10/23(日)の土日祝は『かぐら第1高速リフト登山営業』が実施され、祓川コースでの苗場山登山が1時間ほど短縮できる
ただし、登りのみで下りは使えないのでご注意!
とても明るく面白い運転手さんで大当たり!
過去にアウトドアを極めていて、最近は鮎釣りを楽しんでいらっしゃる。
やはり単独が好きと仰っていたのが印象的。
楽しいお話ありがとうございました。(^^♪
ご厚意で「もう少し上まで行きましょうか?」と言ってくださったけど、ここが最終トイレなので済ませておく。
ちなみに、メーターなしの料金(5750円)なのでトイレに行かないなら断然お得。
祓川登山口から花だらけ
緩い傾斜の舗装道路をゆっくり登る。
黄色い花が路肩にわんさか。
ヘビイチゴより花が小さいからオヘビイチゴかな。
きゃわいい!
ちっこいツボスミレ。
終わりかけでも嬉しいタニウツギ。
この舗装道路の登りが地味にキツイ。
駆け抜ける風が涼しいのが救い。
休業中の和田小屋。
直前に情報を得た通り改装工事で閉まっていた。
和田小屋は夏シーズン休業中
https://www.princehotels.co.jp/ski/kagura/informations/2022/summer/wadagoya_kyuushi/
和田小屋のHPには記載がなく、かぐらスキー場のHPにだけ記載されている
いつも思うのだけれど、登山者にとっては山小屋が営業しているか否かが死活問題となるので企業はきちんと周知徹底してほしい!!
(田代コース廃道のように現地に行ってから知らされても遅いんです!!!)
和田小屋の水場だけは使えるようだ。
一応、蛇口をひねって確かめてみたらちゃんと出た。
水分は2.6Ⅼ(水2.1Ⅼ+お湯500)背負ってきたので、ここでは補充しない。
キビタキ、オオルリのさえずりが響き渡る。
カッコウ、ホトトギス、ミソサザイ、メボソムシクイの声も。
ブヨ対策としてモスキートネットを持参。
いつでも装着できるよう、カメラストラップにぶら下げておく。
苗場山頂ヒュッテでも販売していたが、事前に準備することを強くオススメする。
あっ、ミドリユキザサ。
マイヅルソウ。
ズダヤクシュもそこかしこに。
キャーッ!
登山道脇はアカモノ祭りになってる。
わ、ツクバネソウだ。
大岩ゴロゴロして歩きにくいところ。
六合目。
お腹が空いたのでここでランチタイム。
「なんだ、ブヨいないじゃーん」と思っていたら、長袖シャツの隙間から腕を何かに刺されたようで痒い。
いつも狙われる顔は大丈夫なのでブヨじゃないのかも?
種ができ始めたサラサドウダン。
ゴゼンタチバナ、ちょうど蜂さんが訪問中。
いつも可愛いね~。
ベビーピンクのイワカガミ。
コバイケイソウ。
ドアップにすると意外と可愛い。
夏の花たち
登山道は岩と土の道、木道がミックスになっている。
青空を仰ぎ見て。
すっかり夏の様相。
下ノ芝には大きなベンチがあり休憩適地。
下ノ芝の木道脇にツマトリソウ。
湿地帯にはイワイチョウ。
丸い葉っぱがとても大きくジョウゴみたいな形。
イワイチョウをズーム。
手の届かない場所に咲くコミヤマカタバミ。
あまりに可愛く狂喜乱舞してしまう。
目を引くムラサキヤシオ。
むむっ。
全体的に緑色っぽくて雄しべが多いこの子もミツバオウレン?
やけに綺麗だね。
ものすごく小さいタテヤマリンドウ。
咲いてから時間が経ったと思われるチングルマ達。
うはー!
こんなに容姿端麗なイワナシがまだ咲いてるよ。
他の山ではとっくに終わってるのに。
イワナシ3姉妹、美しすぎてうっとり。。。
やった!
タケシマランの花、今日も見っけ。
花弁の縁がうっすらピンクのツマトリソウ。
ベニサラサちゃん!
んも~、青空に映えて素敵。
人が座っている場所が中ノ芝。
ワタスゲが風に揺れる。
所々出てくる雪渓。
チェンスパ等は不要だろうと持参しなかったが、全行程を通してまぁ大丈夫だった。
上ノ芝。
木道があるところは、とても歩きやすい。
小松原分岐をすぎると股スリ岩。
通過してから撮影。
カッサ湖(田代湖)の綺麗なブルー。
おぉー、ここが例の神楽ヶ峰か。
去年の秋に田代RWを利用してここまで登ろうとしたが、田代コースは廃道になったと麓で知らされ泣く泣く断念した経緯がある。
神楽ヶ峰の道標に寄り添うように咲いてたナエバキスミレ。
ガスが流れてきた。
中央に見えるピークの少し右がRW山頂駅かな。
神楽ヶ峰からの展望。
かろうじて咲き残っていたシラネアオイ。
翌朝通った時、上の花は全部散っていた。
シラネアオイさん、残っててくれてありがとね。
色味の濃いガクウラジロヨウラク。
集まって咲くツマトリソウ。
スルーできずにまた撮ってしまう。
見逃してしまいそうなほど小さいタニギキョウ。
立ちはだかる苗場山
神楽ヶ峰から鞍部まで下降しなければならない。
チラリと見える苗場山。
え。。。あれ登るんだよね?
終わりかけのショウジョウバカマ。
ショウジョウバカマの殆どが終盤の中、雪渓の近くにあった美しい蕾。
まさにこれから咲かんとする様子が見てとれる。
この雪渓は慎重に通過。
合掌。
オオカメノキ。
あそこまで下った後に、結構な登り返しが待っている。
認めたくない現実…(笑)。
うわぁ!ベニドウダンがわんさか。
すごいね苗場山。
こんな群生がいくつもあるんだから。
ベニドウダンに感激していたら、そこが雷清水だった。
念のため空になったペットボトルに600ml汲む。
流れはチョロチョロと細いが浮遊物もなく冷たくて美味しい。
この恵みの水を頂きながら山頂を目指す。
ヤマオダマキ。
カラマツソウ。
ウスユキソウ。
出ました、ハクサンチドリ。
雲尾坂に差し掛かる。
ラストスパート。
あ~っ!
久しぶりに会う大好きな花。
茶色のM字が目印。
この時点では名前をド忘れしていて。
「コレ何だっけ?Mちゃん」と呼びまくっていた。
<追記訂正> コヨウラクツツジじゃなく、ウスノキかも。
ん?イワカガミの白花タイプ。
登りが遅いからこそ見つけることができた、ヤマイワカガミ。
見かけたのはここだけ。
オオバミゾホオズキもいるよ。
オノエランまたいた!
小エビみたいな小さな虫があちこちに付いてる。
Mちゃんがいっぱい。
小エビも…(笑)
オノエラン撮ってたら、たまたま見つけたムシトリスミレ。
まん丸のウラジロヨウラクがキュート♡
神楽ヶ峰からここまで登り返してきた。
もう少しかな。
ツガザクラもほんのりピンク。
「山頂台地まであと3分」と書かれた道標が倒れている。
思わず「ほんと?」と声が出ちゃった(笑)。
山頂台地には、開花したばかりのフレッシュなチングルマ。
この雪渓を渡ると。
おぉぉ小屋だ、小屋が見えた。
この大きなベンチが朝陽の見晴らし台。
苗場山&山頂ヒュッテ
そして苗場山山頂へ。
水や食料を入れたザックが重いのと、お花鑑賞で5時間半もかかってしまった。
何はともあれ無事登頂。
念願の苗場山にやっと登れた喜びを嚙みしめて。
苗場山頂ヒュッテ。
画像でしか見たことのない山小屋が目の前に。
夢みたい!
【栄村秋山郷観光協会・苗場山頂ヒュッテ】
http://sakae-akiyamago.com/play/587/
素敵なロケーション。
外ベンチとテーブルが気持ちいいので、自炊はこちらで。
小屋泊者の食事時間以外は中の食堂を使ってもいいそうだ。
私は素泊7000円。
自販機のラインナップはこんな感じ。
持参した水はまだあるけど、冷え冷えのミルクティを購入。
夕方にはお茶が売切れになった。
素晴らしい高層湿原
宿泊手続きを済ませたら、小屋周辺の散策に出かける。
小屋周りに咲く黄色い花。
ピンクが濃いイワカガミ。
高層湿原に広がる景色。
そこかしこにチングルマ群生。
蕾もたくさんある。
この雪渓手前で引き返す。
宿泊者は10人くらいしかおらず、自分で好きなブースを選ぶことができた。
ラッキー♬
にこやかでとても感じがいい小屋の親父さん。
本日の寝床。
火を使わない山ごはん“即席カニ風味寿司”
夕飯は『山めし礼讃』の火を使わない山ごはんに決定。
げんさん、いつもお世話になってます。
コンビニおにぎりとカニカマを使った、即席カニ風味寿司。
今回はますの寿司おにぎりを使用。
もちろん1個じゃ足りないので、カリカリ梅のおにぎりも追加した。
火を使わないから超簡単。
いただきまーす!
苗場山頂ヒュッテの外ベンチは最高!
ただし、ブヨがうようよいるのでご注意
モスキートネット被らず油断してたら、夕飯中にこめかみと耳を刺された (-_-)
ハッカ油はスプレーしていても完全に撃退するのは不可能
何となく足りないので、ほうじ茶を淹れて持参した焼きいも1本を食す。
ヨーカドーの焼きいもは固めでカサカサしていたから逆に日持ちした。
ふー、これでお腹いっぱい。
雲がどんどん形を変えていく。
また赤湯温泉に行きたいな。
自炊道具を置いたまま再度散策へ。
ウグイスの声がしたのでそっと近寄ったところ、別の木に飛んで行っちゃった。
赤湯温泉方面が気になる。
見晴らし台の夕焼け
「19時すぎに夕陽が見れますよ」とスタッフさんが話していたのを小耳に挟んだ。
見晴らし台はこちらから。
ブヨがすごいので、モスキートネットを装着して。
今日もいい一日だった。
ありがとうございます。
八戸の天使
☆翌朝☆
4時すぎに外に出てみると、既に朝焼けが始まっている。
インナーシーツ代わりのエスケープライトヴィヴィ。
朝露に濡れる外ベンチ。
早朝でもブヨがいるので、モスキートネットを被ったまま簡素な朝食を摂る。
お湯を沸かしてブラックコーヒーを淹れ、コーヒー牛乳パン、おさかなソーセージ。
お世話になりました。
チェックアウトが8時なのでゆっくりするつもりが、身支度も終わったし急きょ下山することに。
それが天使と出会える絶妙なタイミングだったと後から知った。
早朝の苗場山山頂。
朝露をまとったショウジョウバカマ。
大口開けて笑う池塘。
笑う池塘。
名残惜しい。。。
いいなぁ、こんな場所で暮らせるなんて。
「ホーホケキョ!」のさえずりが聞こえウグイスを探す。
遠すぎてピント合ってないけど、鳴いてる鳴いてる。
ベニサラサ、可愛いからまた撮っちゃう。
早朝からこの暑さ。
昨日よりも気温が高い。
ハクサンボウフウ。
数名の健脚者とこの辺りですれ違った。
一体、何時から登り始めたんだろう?
クモマニガナ。
昨日は咲いてなかったニッコウキスゲが一輪。
苗場山を振り返って。
また来れるかな。
小さい声でピィピィ鳴いてたこの子は誰?
ミソサザイに似てるけど鳴き声と尾が違う。
帰宅後に調べてみたところカヤクグリっぽい。
全体的に茶色でお腹がグレー、嘴は黒で足がオレンジ色。
やったー!
冬に早戸川林道で見逃したので初見初撮り。
雲海を見下ろして。
おっ、ビンズイさんだ。
オククルマムグラかな。
和田小屋まで下りてきた。
日本とは思えない絶景。
あ、ホオジロさん。
「一筆啓上つかまつり候」が「借金持ってこい」に聞こえてしまう(笑)。
「はるか遠い昔からあなたの訪れを待っています」
祓川登山口には、何十台もの車が停まっていた。
登山日和の土曜だもんね。
フランスギク群生。
「ギチギチギチ…」
あ、モズっ子ちゃん。
そんな可愛い顔して、、、嘴に付いてる羽毛は…。
11:59のバスに間に合えばいいやと歩いていると、ノリのいいお兄さんが拾ってくださいました。
金曜の仕事が終わったあと東北から越後湯沢まで運転して車中泊、早朝4時に登り始めて苗場山に登頂、東北へとんぼ返りするという超人的なソロハイカーさん。
私がのんびり下山している時にどこかですれ違ってるはず。
ご健脚なのはもちろん、山へのバイタリティがあまりにも凄すぎて脱帽!
単独登山については共通項が多く、メチャクチャわかってくださって話が弾んだ。
「だいぶイカレてますね~(笑)」って誉め言葉ですよね? (≧▽≦)
オススメされた八甲田山は早速計画してみます。
八戸の総理さん、またどこかのお山でお会いしましょう。
楽しいひとときをありがとうございました!!
ご褒美どんぶり&温泉
越後湯沢ぽんしゅ館でランチと温泉。
まずは魚沼の畑さんへ。
【食べログ・魚沼の畑】
https://tabelog.com/niigata/A1504/A150404/15010284/
迷わず、鮭いくら丼(1480円)を注文。
ウンマ~!
お次は酒風呂 湯の沢で汗を流す。
地元の女性が出たあとは貸切。
【ぽんしゅ館・越後湯沢驛店】
https://www.ponshukan.com/yuzawa/
日帰り温泉 800円
お風呂後は、糀らってに直行して糀ラテキャラメルS(410円)を。
駅ナカコンビニのコシヒカリモナカ(260円)を見つけて即買い。
湯沢物語マドレーヌ(180円)は持ち帰り。
ごちそうさまでした~。
最後に
以前より何かとご縁がある越後湯沢駅。
谷川岳馬蹄形を失敗した時の軽トラのオジサマを筆頭に。
他の山でも今まで何人の天使に助けられたかわからないほど。
私にとって、おそらく山はいい意味で強力なパワースポットなのかも。
苗場山は、できることなら次回は違うルートを歩いてみたい。
赤湯温泉山口館に泊まって昌次新道、いつか行けるかな。