雨飾山は長野県小谷村にある百名山。
秋の紅葉が素晴らしいことでも有名。
計画を立てる度に悪天候となり毎年のように断念してきた。
去年は新潟県糸魚川市から入山する予定で、テントとタクシー予約(土日祝のみ運行)を済ませたが、台風がきて泣く泣くキャンセル。
今夏やっと休みと好天が重なりそうなので、キャンプ場でテントを張りピストンすることに。
もちろん温泉とグルメも楽しみたい!
ただし、公共交通機関利用者が下記の3大目的を叶えるには、当日のうちに雨飾山に登頂しておく必要がある。
温泉やお店の営業時間に合わせたバスの接続など、諸々の条件をクリアしなくてはならず頭を悩ませた。
<3大目的>
- 雨飾高原露天風呂
- 蕎麦屋蛍
- オタリアンジェラート
もくじ
往復のアクセス
[往路]
23:05 バスタ新宿より夜行バス(6900円)
05:12 白馬町BS ※予定より27分早い到着
**ローソン信州白馬八方店**
06:57 白馬②番線より大糸線(240円)
07:16 南小谷
07:30 南小谷より村営バス(850円現金のみ)
08:11 雨飾高原BS
[復路]
11:11 雨飾高原BSより村営バス(420円)
11:27 高地坂下BS
**蕎麦屋蛍**
**オタリアンジェラート**
13:49 高地坂下BSより村営バス(610円)
14:14 南小谷駅前
**一輪の華**
15:00 南小谷よりあずさ46号
自己CT
08:33 雨飾高原キャンプ場
08:50 山頂まで180分道標
09:28 ブナ平 09:30
10:00 携帯トイレブース
10:12 荒菅沢 10:17
11:42 笹平 11:44
11:51 分岐 11:52
12:16 雨飾山 13:00
13:18 分岐
13:23 笹平
14:00 荒菅沢 14:07
14:32 ブナ平
15:04 雨飾高原キャンプ場
※お花や野鳥を観察しながら歩いているので、CTは比較できません
早朝の白馬町から南小谷へ
またまた夜行バス内のエアコン問題。
運転手さんが暑がりの場合(焼岳登頂前のさわやか信州号でも同じ状況)、乗客は黙って我慢するしかないのか?
パタゴニアフーディニを着込みウィンドシェルを下半身にかけていたが、ウトウトすることさえできない寒さ。
何時間か我慢したのち、夜中3時頃に思い切って運転手さんに設定温度を尋ね「すごく寒いんですけど…」と伝える。
たった一言「27度」と答えて仕切りカーテンを閉めるという塩対応。
ちなみに後ろの席の女性も30回ほど「寒い」を連呼していた。
一時は温度を上げてくれたものの結局また下げられ、ブルブルしたまま白馬町BSに到着。
降車時にも一言伝えたが迷惑そうな表情で「申し訳ありません」と。
コロナ禍で殆どの車両がブランケットなしになったのだから、車内温度には気を遣って欲しいところ。
では気を取り直して。
白馬町BS待合室(早朝でも開いてる)でトイレを済ませザックをデポし、一番近いコンビニへ向かう。
ツバメ達が空中を行ったり来たり。
パタゴニア白馬アウトレット。
時々車が通るだけの静かな白馬町。
そこへいきなり猫ちゃん登場。
長い尻尾を左右にフリフリしながら。
身体をフリーズさせたまま私をガン見している。
パッツン前髪がチャームポイント。
真剣な表情にクスッと笑ってしまった。
好日山荘。
素晴らしいロケーション。
ヤマボウシの実。
以前、東北の三ツ石山の帰りに食べたのを思い出す。
住宅街でこんな景色が見られるなんていいなぁ。
おぉっ、陽射しが。。。
長野に移住したい。
なーんて、無理めなことをついつい考えてしまう。
徒歩23分ほどでローソン信州白馬八方店(24時間営業)。
すぐ側に八方の湯がある。
イートインはないが、店外で食べているハイカー数名と距離を置きつつハンバーガーとコーヒーを頂く。
ハクセキレイがトコトコ。
何故か身体だけがブレブレ…(笑)。
畑のアルストロメリア。
和名はユリズイセン(百合水仙)というらしい。
住宅街を飛び交うコゲラちゃん。
こんな環境が心底うらやましい。
秋の気配。
白馬町BSまで戻ってきた。
タイリンキンシバイが「おかえりなさい」
白馬駅は白馬町BSから歩いて2~3分。
南小谷行き電車に乗り込む。
始発の大糸線はガラガラ。
南小谷は初めての訪問となる。
待合室と自販機があるだけのこじんまりした南小谷駅。
AMAKAZARIの天使現る
南小谷駅からアルピコバスに乗車したのは私ひとりで申し訳ない感じ。
ディーゼルエンジンがうなりノロノロと急坂を上がって行く。
片側が切れ落ちた細い道の途中でガードレールがない場所がいくつかあり、落ちやしないかとかなりヒヤヒヤ。(゚Д゚;)
雨飾高原BS。
待合室の中に小さなベンチと水洗トイレあり。
雨飾荘の駐車場前をのんびり歩いていた時。
後方で減速する音が聞こえ「登山口まで?乗って行きますか?」と声をかけてくださった男性が。
軽トラのドアにはAMAKAZARIの文字。
なんと、HPに載っていた雨飾キャンプ場の管理人さんではないか!
雨飾高原キャンプ場に到着。
どんなに急いでも徒歩50分はかかる道程を短縮できたことは大きい。
しかも、私の事情を察してくださり「じゃあ、テント張るのは後にして」「ザック預かってあげるから先に山頂行っておいでよ」と優しいお言葉。
ありがとうございます!!
いやいや~~、私ってメチャクチャ運がいいんじゃない?
【雨飾高原キャンプ場】
長野県北安曇郡小谷村中土18926-1
登山者用フリーサイトは予約不要 1320円
水場あり、トイレあり
ピンク色のどこでもドア。
とりあえず開けてみるタイプ。
平日なので車はこんな程度。
土日はもっと混むし、紅葉時期などは半端ないそうだ。
右の建物がトイレと休憩室。
左は飲み物と携帯トイレ(500円)の自販機。
雨飾高原キャンプ場トイレの水道(2箇所とも)は飲めません
炊事場の水道が飲料用です
素敵なブナの森
バスの中でサブザックに水と行動食、雨具などを入れておいて大正解。
貴重品とカメラを追加してスムーズに出発できた。
自販機の隣が雨飾山登山口。
では、行ってきまーす!
木道脇に咲くキツリフネ。
淡いピンクのツリフネソウがいた~。
しかもたくさん咲いてる。
この色は初めて見たかも。
こちらはおなじみのツリフネソウ。
序盤は快適な木道をルンルンと。
ママコノシリヌグイがいーっぱい。
たった一輪のリュウキンカ。
あっ、本物のオニヤンマくん。
空身に近いのでやっぱり楽だわ。
山道に入ると急登が続く。
直射日光は当たらないけど汗がとめどなく出てくる。
ブナ平。
素敵なブナの森にワクワク。
木の根っこがすごい。
サンカヨウ実。
ルビーレッドはマイヅルソウ実。
ルビーレッドになる前のマイヅルソウ。
血液型判定用紙のアレにそっくり。
こんな山の宝石に心躍る。
そうこうしているうちに携帯トイレブース。
行きも帰りも未使用なので中は確認していない。
雨飾山がチラリ。
テンション上がる~。
ツルニンジンが現れた。
赤色が濃いめのツルニンジン。
こちらはジャコウソウ。
濃紫色で極小の花が無数についたこれは何だろ?
葉っぱを見るとシソ科の花とわかる。
荒菅沢*布団菱の景観
坂を下っていくと。
荒菅沢の道標あり。
更に下ると河原が見えた。
荒菅沢で小休止。
おぉー、あれが布団菱か。
布団菱をズーム。
紅葉時期は素敵でしょうね。
樹林帯の花と実
沢の音を聞きながら樹林帯の登りにさしかかる。
連続する梯子。
ツルアリドオシの実、見っけ。
タケシマランの実も可愛い。
やっと7番目まできた。
気持ちいい青空と緑のシェード。
瑠璃色の実がいっぱい。
葉の形からツバメオモトと思われる。
ミヤマアキノキリンソウ。
展望が開け暫し見とれる。
目玉親父みたいなオヤマボクチ。
大勢のトリカブトがこっち見てる。
なんか気持ちいいー!
ねじれたピンクの花冠はトモエシオガマ。
ヤマハハコはドライフラワーになってた。
とても魅力的なミヤマママコナ。
こんな岩場あり。
青空に向かってひたすら登る。
上半身裸の若者(グループ)が追い越していった。
あまりにきつくて立ち止まる。
笹平*お花畑が広がる
鬼急登が終わると。
うわぁー、ここが笹平かっ。
天国みたいな場所。
ツリガネニンジンや。
ハクサンフウロがこんにちは。
ついつい撮ってしまう。
雨飾山が近づいてきた。
そういえば、今、横顔のどの辺を歩いてるのかな?
足元が見えないほどの笹藪に突入。
おぉぉ、日本海が見える!
オヤマノリンドウがそこかしこに。
さっきの若者グループもう下りてきた、速っ!
あんな下から登ってきたんだよね。
笹平を過ぎてもうひと頑張り。
最後の鬼急登。
咲き残ってたタカネナデシコ、ありがとうね。
やっぱり素敵なウメバチソウ。
蕾から花後まで同時鑑賞。
ウメバチソウの繊細なつくりに感嘆する。
コガネムシも岩登り中。
360度の大展望*雨飾山
岩々を登り切って。
石仏がある雨飾山北峰に着いた。
単独男性が2名いらっしゃった。
糸魚川市と日本海を見渡せる。
すごい解放感。
黄色い山頂標があるほうが雨飾山南峰。
雨飾山の女神にやっと会えた。
横顔アップ。
女神を見ながらおにぎりを食す。
飛んできたキアゲハの羽を見るとボロボロ。
くるんと巻いた口が可愛い。
こんな小さな生き物も懸命に生きている。
雨飾山南峰で自撮り。
この時点で山頂にいたのは私だけ。
雨飾山山頂があまりに気持ちよすぎて45分ほど滞在してしまった。
下山時に見た花
13時になったのでそろそろキャンプ場へ戻ろう。
タカネマツムシソウ。
オヤマノリンドウ群生。
下る途中で小さく見えた建物は…。
雨飾高原キャンプ場だった。
あそこまで帰るのね。
黙々と下って荒菅沢。
沢のほとりに咲いていたオトギリソウ。
綺麗な落ち葉があったので地面に集中して歩いていたら、目の前の大木におでこをゴン!
「イテテ。。。」
山頂直下の急傾斜は慎重に下ったのに、こういう何でもないところで怪我するんだよね。
更にもう少し先の粘土質の窪みで横向きに滑って右腰を打つ。
数日経って腫れは引き、内出血程度に落ち着いたけど気をつけないとなぁ。
オオカメノキの実がたわわに実る。
雨飾高原キャンプ場*久しぶりのテント
下山はあっという間。
「ただいま戻りました!」
こんなに早く戻って来れたのは管理人さんのおかげ。
管理人さんにお礼を申し上げ、ザックを受け取ってテン場へ。
本日の宿。
朝のオレンジ色テントは撤収され、新たに別のテント2張が設営されていた。
テントの中でTシャツを脱ぎ身体を拭いて暫しまったり。
早朝、ローソンで購入した冷凍から揚げを取り出す。
暑い時期に夜行バスを利用するため、家から食材を持参するのは諦めた。
アルファ米をお湯で戻すだけの簡単夕食。
テント入口を開放し夕食準備をしていると、ご年配女性が突如現れたのには閉口した。
駐車場の車から下りてわざわざテント内を確認しに来たらしい。
玄関口はあえてどこからも見えない方向に設置していたのに、こんな風にあからさまに覗かれたのは初めて。
岡山ナンバーのオバチャン、ご夫婦で車中泊するのは結構だけれども。
他者のスペースに無断で入り込み一方的に話しかけるのは下品だしマナー違反だよ。
モンベルのカレーリゾッタにドライパセリ、冷凍から揚げ(自然解凍)をトッピング。
フリーズドライのわかめスープを添えて。
食後は温かいほうじ茶。
前夜に沸かしておいた山専ボトルのお湯でまかなえたのがすごい。
雨飾高原キャンプ場の散策
☆翌朝☆
早朝4~5時頃は雨飾山へ向かうハイカーで駐車場内が結構騒がしかった。
エンジン音やドアをバタンと閉める音、大声の話し声など。
登山者用フリーサイトを利用する際のデメリットと言える。
今回もシュラフは持参せずエスケープライトヴィヴィで代用。
夜は全然寒くなくTシャツとパタゴニアフーディニで眠りに就いた。
夜中2時すぎにトイレに起き、テントに戻ってからダウンを羽織ったくらい。
お湯を沸かしてカフェオレを淹れ、持参したパンで朝食とする。
エスケープライトヴィヴィはこんなに小さく収納可能。
朝6時頃、朝陽が眩しい。
テントの中にいられないほど暑くなってきた。
今日も登山日和だね。
雨飾高原キャンプ場の炊事場。
フリーサイトのハイカーもこちらの水道から水を汲めるのがありがたい。
キツネサイト。
キツネサイトの反対側はこんな感じ。
まだ営業前。
気温は既に20度。
パタゴニアフーディニ男性用XSサイズのオリーブ色をネットで購入。
アウトレットだけど未使用のようで新品同様、いい買い物をした。
キャンプ場に咲くゲンノショウコ。
他のテントは早朝には既に撤収されていて影も形もなかった。
休憩舎の室内に登山ポストあり。
そろそろ撤収。
手ぬぐい(1300円)を購入。
モンベル会員証を見せると雨飾高原キャンプ場のステッカーが無料でもらえる。
昨日の管理人さんではないスタッフさんが2名。
雨飾山高原露天風呂♨ひとりじめ
では、お次の目的地へ向けて出発。
萩の花。
桃色ゲンノショウコがいっぱい。
白もいいけどピンクはもっと可愛い。
2段構えのツユクサ。
雨飾荘に寄ってみる。
あらら、日帰り入浴やってなかった。
2023/9現在、雨飾荘の日帰り入浴と食事は営業中止
雨飾高原露天風呂。
ここもずっと来てみたかった温泉。
山中の秘湯ではあるけれど、道路からすぐの入りやすい立地。
ワイルドな露天風呂で1時間ほどまったり、かなりリラックスできた。
髪は洗えないけれど汗を流すため何度もお湯をかけた。
雨飾荘の日帰り温泉よりむしろこちらをオススメしたい。
雨飾山てぬぐいを広げてみた。
露天風呂からテクテク下りていくとバスが待機中。
ガラガラの車内。
車窓から見えた山田旅館さん。
蕎麦屋蛍&オタリアンジェラート
温泉のあとはグルメ。
高地坂下BSで降車。
蕎麦屋蛍の看板に従って。
小さな流れの側に咲くミヤマアカバナ。
「こんなところにお店あるの?」と不安になってきた時、目の前に現れた蕎麦屋蛍さん。
蕎麦屋蛍さん。
古民家がそのままお店になっていて雰囲気が素敵。
【雨飾高原キャンプ場・周辺情報・蕎麦屋蛍】
長野県北安曇郡小谷村大字中土16588
https://www.amakazari.com/relation/meal/sobaya_hotaru/
おしながき。
こんな辺鄙な場所にあるのに、店内はほぼ満席だったのにまず驚いた。
その後も次々とお客さんがやってきて玄関で待つ人も。
気持ちと時間に余裕がある時に訪れるのがオススメなお店。
ほたるの一品を待っていると団体さんが到着したので、そちらに席を譲り真ん中の席へ移動。
季節の天ぷらは量が多そうなので焼ナスにしたけれど、こちらも負けずに量が多い(笑)。
こんなことなら天ぷらにすればよかったかな。
たっぷりのショウガと鰹節でいただく。
深里をチョイス。
コシあり香りよし大満足!
ごちそうさまでした。
高地坂下BSに戻り、そこから1~2分下るとオタリアンジェラートさん。
【雨飾高原キャンプ場・周辺情報・オタリアンジェラート】
長野県北安曇郡小谷村中土16107
https://www.amakazari.com/relation_list/otarian/
外ベンチもあり。
酒粕、蕎麦、ほおずきのトリプル(470円)にした。
蕎麦屋蛍さんのレシートを見せると20円引きで450円に。
どれもこれも美味し♥
手作りのワッフルコーン味噌味が絶妙な塩加減でアイスに合う。
ここまで来たら、蕎麦屋蛍さんとオタリアンジェラートさんはセットで伺いたい。
バスまで時間があるので外ベンチで待機OKか伺うと「よろしかったら中で涼んでください」と言われ感激してしまった。
もちろん混雑時は遠慮するけれど、温かいお言葉ありがとうございます。
道端のノコンギク。
昨日より気温は高いと思われ。
日陰でバスを待つ。
時間通りにバスがやってきた。
南小谷駅に到着。
下界は半端ない暑さ。
一輪の華という手作りパン屋さんに寄ってみる。
昭和の佇まい。
お手頃価格の小さなパンを4個購入。
橋を渡って南小谷駅へ。
最後に
雨飾高原キャンプ場にテントを張って温泉とグルメを楽しむという欲張りな山旅。
AMAKAZARI天使のおかげでコンプリート♫
ダンディで気さくな管理人さん、ありがとうございました!!